ここでは、新製品のPCケース「MPG VELOX 300R AIRFLOW PZ」と最新マザーボードの「PRO Z890-S WIFI PZ」を利用して裏配線モデルを組み上げ、従来モデルとの違いやアドバンテージをチェックしていく。
なお、比較用として通常タイプのマザーボード「MAG B860 TOMAHAWK WIFI」も用意した。
| 今回の組み立てに利用したPCパーツ | |
|---|---|
| マザーボード | MSI PRO Z890-S WIFI PZ |
| CPU | Intel Core Ultra 265(20コア20スレッド) |
| メモリ | Crucial Pro 6400MHz(16GB×2) |
| SSD | MSI SPATIUM M470(1TB) |
| CPUクーラー | MSI MAG CORELIQUID I360(360mm簡易水冷クーラー) |
| グラフィックスカード | GeForce RTX 5070 12G GAMING TRIO OC(グラフィックスメモリは12GB) |
| 電源ユニット | MSI MPG A850GS PCIE5(850W) |
| PCケース | MSI MPG VELOX 300R AIRFLOW PZ |
まずは組み立ての前に、PCケースとマザーボードをチェックしていこう。
PCケースのMPG VELOX 300R AIRFLOW PZは、見どころが多いATX対応のPCケースだ。裏配線をサポートするのはもちろん、マザーボードの取り付けプレートにコネクターを通すための穴が増えている、その分、裏側の配線スペースも広い。
組み立てのしやすさも特筆できる。電源シュラウド部分が手回しネジで取り外せ、電源ユニット装着後でもフルモジュラーケーブルの追加や抜き差しが簡単に行えるのはうれしいポイントだ。
外側のパネルは両サイドだけでなく、天面やフロントパネル全てを工具不要で外せ、前面と底面にあるダストフィルターも簡単に取り外せて掃除をする際も楽ちんだ。
裏配線に対応した「MPG VELOX 300R AIRFLOW PZ」。左側面はガラスで、内部パーツを確認できる。ボディーサイズは約485(幅)×235(奥行き)×518(高さ)mmだ。写真のブラックに加え、ホワイトモデルもある冷却面もしっかりしている。最大で13基ものファンを取り付けられ、水冷クーラー用のラジエーターも天面と前面、そして右側面に最大360mmタイプまで取り付け可能だ。
標準で、前面にARGB対応の160mmファン2基と背面に120mmファンが付属する。どちらもデュアルレイヤーブレードファンを採用することで、エアフローを向上させている。初期状態でも十分なファンの数だろう。
右側面上部に4基のARGB PWMファンを制御できるファンHUBボードを内蔵しており、マザーボード側のソフトウェア制御だけでなく、18のライティングモードを天面にあるLEDボタンで変更可能だ。
アクセスしやすい天面部分には、電源ボタンや3.5mmのイヤフォン/マイク端子、20Gbps対応のUSB Type-C端子と2基のUSB Standard-A端子が用意される。加えて、内部に大柄で重量級の最新グラフィックスカードをしっかり支えるGPUホルダーが標準で付属しているのも見逃せない。
続いては、マザーボードのPRO Z890-S WIFI PZだ。PRO Z890-S WIFI PZは、Intel Core Ultraシリーズに対応したIntel Z890チップセット搭載のATXマザーボードとなる。コネクターが裏側にあるため、正面から見るとほとんどがヒートシンクに覆われており、ホワイトシルバーのヒートシンクが美しい。もちろん、電源やファンなどのコネクターは全て裏側にある。
CPUパワーを供給するVRMは12+1+1+1フェーズでDuet Rail Power SystemとデジタルPWMを採用する。ハイエンドグレードではないものの、十分なフェーズ数があり、これなら簡単なオーバークロックも十分に対応できる。冷却用のヒートシンクも大型のものを採用しているので、きちんとしたエアフローが前提ではあるが、長時間の安定稼働にも対応できるだろう。
拡張スロットは4基と多めだ。CPUに一番近いスロットがPCI Express 5.0 x16対応スロットで、そこから順番にPCI Express 3.0 x1、PCI Express 4.0 x4、PCI Express 4.0 x4対応となっている。
排他利用になるスロットがないのは、目立たない部分だが評価できるポイントだ。M.2スロットは3基もある。1基がPCI Express 5.0に対応し、残りの2基はPCI Express 4.0対応だ。最近はM.2 SSDをデータドライブに使うことも多いので、システムドライブに1基使ってもデータドライブに2基使える。
ちなみに、M.2 SSD自体の取り付けに工具は不要で、ヒートシンク部分がネジ止めとなる。
I/Oパネル部分を見ていこう、まずパネルはマザーボードと一体型を採用している。端子で注目なのはUSB Type-C端子が2基あり、うち1基はThunderbolt 4に対応し、もう1基も20Gbps接続をサポートしており、外付けストレージなどにも高速で接続できる。写真や動画など大量にデータを扱う人にもお勧めだ。
有線LANは2.5GbEに対応し、無線LANは高速なWi-Fi 7をサポートし、アンテナケーブルはEZ Antennaの採用により、差し込むだけナット回しが不要となっている。デスクトップPCで無線LANを使うユーザーも増えており、初めて組み立てる人にも便利なポイントだ。
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