最後に、組み立て工程における裏配線モデルと従来モデルとの具体的な違いを見ていく。
一般的なモデルだと、CPU電源コネクターはマザーボード左上のI/Oパネル近くにあり、手や指を入れにくい部分にある。今回比較で使うマザーボードのMAG B860 TOMAHAWK WIFIはメモリスロットの上にあるため比較的差し込みやすいが、それでも水冷クーラー取り付け後にケーブルを差し込むには少し窮屈だ。
水冷クーラー取り付け前に接続すれば回避可能だが、裏配線モデルなら邪魔するものはなくいつでもスムーズに差し込める。
CPU電源コネクターと同様、マザーボード下部にまとまっている細かいコネクター類も裏配線モデルならケース奥まで手を入れる必要がなく、見やすい位置にくるためピンをずれて差し込むなどのミスを防ぐことができる。
また、しっかりと差し込まれているかの目視もしやすい。通常のマザーボードではケースの奥まった暗い部分にありライトを当てないとシルク印刷も見づらく、手を入れるとコネクターの位置も判別しにくくなってしまう。
自作デスクトップPCを作成中は、表側にケーブルを出したり、配線の取り回しをし直すなどでケースを何度か立てたり寝かしたりする必要があり、表側を見たり裏側を確認したりを繰り返した経験をした人は多いと思う。筆者もその一人だ。
しかし、裏配線モデルでは裏側にコネクターがあるため、水冷クーラー取り付け時のケーブルのみ裏側に回しておけば後は裏側を見るだけで作業を行える。配線をキレイにそろえたい場合も有利だ。
PCの組み立てはネジで固定する、コネクターを差す、ケーブルをまとめるというのが主な動作だが、そのコネクターを差す、ケーブルを整理するのが楽になるが裏配線モデルの大きなポイントだろう。初心者に教える際も、指差確認をして次はこのコネクターを差しこんでいくと説明しやすい。
裏配線モデルなら、ケースの電源ボタンや前面のインタフェース関連ケーブル、SATAケーブルも裏側から楽にアクセスできる。今回使ったMPG VELOX 300R AIRFLOW PZなら、マザーボード背面に2.5インチSSD/HDDを豊富に搭載可能だ組み立てが完了し、電源を投入する前の違いを見てみよう。
マザーボードの24ピン電源ケーブルがある右側や、スイッチケーブル類のある下側が特にすっきりしているのが分かると思う、今回は黒いケースにホワイトシルバーのヒートシンクが際立ち、より一層美しく見える。
次に電源を入れたらどう見えるかだが、写真の角度やLEDの色が少し違うので比較は少し難しいものの、裏配線モデルは表側に見えるケーブルが減ることでヒートシンクのみですっきりとした見た目になり、LEDの明かりもいい具合にヒートシンクが反射してくれる。
全体を通して見てもその印象があり、コネクターが裏に回ったことでマザーボードを覆うヒートシンクがマザーボードの存在感をうまくアピールしている。
従来モデルだと、MAG B860 TOMAHAWK WIFIがブラックカラーということもあるが、どうしても明暗のコントラスト差が大きくなりがちで、内部パーツを“魅せる”という意味では物足りなく感じるときもある今回組み立てた構成は見た目だけでなくスペックも充実しており、ゲームならカプコンの話題作「モンスターハンターワイルズ」などの最新タイトルもスムーズに遊べ、写真や動画加工をする人にも十分な拡張性と接続性を持ち合わせている。
紹介したPCケースは通常のマザーボード(裏配線非対応モデル)も利用できるので、まずは裏配線対応のPCケースを購入して、将来的なステップアップを目指すというのもアリだ。
何より、今回取り上げたMSIのPCケースは見た目よく、組み立てもしやすい。冷却面も安心なので初心者から上級者まで、全ての人にお勧めできるだろう。これから自作PCをてがけるなら、まずはMSIのPROJECT ZEROシリーズをチェックしてほしい。
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