ワークステーションについて一通りの説明が終わると、レノボにおけるワークステーションのラインアップの解説に移った。
レノボのデスクトップワークステーション「ThinkStationシリーズ」では、大きく分けると「エントリー」「メインストリーム」「AMDハイエンド」「ハイエンド」の4カテゴリーで製品を展開している。川端氏によると、多くの用途ではエントリーモデルでも十分だという。
川端氏は「もちろん、先に紹介した大規模な点群を扱うようなケースでは、大型のワークステーションが必要になる。しかし、3D CADや動画の編集であれば、コンパクトモデルでも十分なパフォーマンスで運用可能だ」と語る。
先述の通り、「ワークステーション=大きい」と思っている人も多いかもしれない。しかし、川端氏は「『ワークステーションならば大きいものを買わなければ』と考えがちかもしれない。しかし、昨今はCPUもグラフィックスカードもSSDもメモリも強力になってきたので、(用途次第で)そこまで大型の製品を選ぶ必要はない」とアドバイスする。
ワークステーションのボディーサイズは以前と比べるとコンパクトになっている。エントリークラスの製品なら、小型の家庭用Wi-Fiルーター程度の設置スペースで済むものもある。
ThinkStationのエントリーモデルは、小さい順に「P3 Tiny」「P3 Ultra」「P2 Tower」「P3 Tower」の4シリーズがある。川端氏はよりコンパクトなP3 TinyとP3 Ultraがお勧めだという。
現行の最小モデルでもある「ThinkStation P3 Tiny Gen 2(Intel)」は、最新の「Core Ultra 200Sプロセッサ」を搭載する新製品だ。3D CADを扱えるパフォーマンスを備えつつも、容積約1Lほどのボディーでスリムかつコンパクトさが際立つ。
そのコンパクトさを生かして、別売のブラケットを用意することでディスプレイの背面に固定して設置することもできる。取り回しの良さは大きなメリットとなるだろう。
「コンパクトだとメンテナンスが大変そう」と思う人もいるかもしれないが、P3 Tinyは主要なコンポーネントへのアクセス/交換が容易に行える設計となっている。購入後にメモリやSSDを強化したい場合も、対応しやすい。ファンにたまったホコリの除去などの日常の手入れも簡単だ。
「ThinkStation P3 Ultra SFF Gen 2」は容積が3.9LとP3 Tinyと比べると少し大きいが、より高い拡張性を備えている。具体的には「NVIDIA RTX 4000 SFF Ada世代」といったより強力なGPU(グラフィックスカード)を搭載できるため、処理の負荷が重い解析/開発用途にも対応しやすい。
さらに強力なスペックやより高い拡張性を求める場合は、より上位の「ThinkStasion P5(Intel)」がお勧めだ。本製品はPCI Express 5.0スロット2基を搭載しており、「NVIDIA RTX PRO 6000」を最大2枚搭載可能だ。
「ThinkStation P620」は、強力なRyzen Therdripper PRO 5000プロセッサを搭載しながらも、グラフィックスカードなしなら約30万円から購入できる手頃さが特徴だ。カスタマイズによって「NVIDIA RTX 6000 Ada世代」を2枚搭載すれば、1TBという広大なグラフィックスメモリを確保できる。
川端氏は、「ムリにコンパクトを追い求めるのではなく、用途によってはあえて大きいモデルを検討することも重要」と語る。必要な機能や性能に応じて、選択肢が豊富なのはThinkStationシリーズの強みといえる。
ThinkStationには、豊富な純正周辺機器もそろっている。純正周辺機器の説明は、井関博幸氏(eコマース事業本部 SMBデマンドジェレーションマネージャー)が担当した。
「ThinkVision P34WD-40」は、34型ウルトラワイド液晶ディスプレイだ。パネル解像度は3440×1440ピクセルと、横長な画面が特徴で作業領域を広く確保できることが特徴だ。DCI-P3の色域を99%カバーしているため、映像制作業務にも使いやすい。
薄型ベゼルでスタイリッシュな本製品だが、機能面もしっかりとしている。最大140WのUSB PD(Power Delivery)給電に対応したUSB Type-C端子を搭載しており、USB PDとDisplayPort Alternate Modeに対応するノートPCと組み合わせて使うことでケーブル1本で給電と映像出力とUSB機器を一気につなげる利便性も備える。
本製品にはUSBハブ機能もあり、「KVM(Keyboard/Video/Mouse)」の切り替えにも対応しているので、複数台のPCとの共有が楽なのも見逃せない。
「Lenovo 指紋認証マウス 2」は、その名の通り「Windows Hello」対応の指紋センサーを搭載するマウスだ。ログイン認証に使えるため、指紋センサーの備わっていないワークステーションと組み合わせて使うと、日々の運用におけるパスワード入力の手間を省ける。
利き手を問わない使いやすいデザインも魅力で、法人/組織での複数導入もしやすいだろう。
Webカメラは「Lenovo FHD Webカメラ」「Lenovo QHD Webカメラ」「Lenovo 4K Pro Webカメラ」の3種類をラインアップしている。製品名の通り、撮影できる解像度(画素数)がそれぞれ異なる。
井関氏の一押しは、4K(3840×2160ピクセル)撮影に対応する4K Pro Webカメラだ。「大きな会議室でWeb会議を実施したり、ウェビナーの配信をしたりする際にクリアな映像を届けたい場合によい」と太鼓判を押す。
なお本製品はAIによる映像補正機能や、フリッカー(照明のちらつき)の自動除去機能なども備わっている。オフィス環境で使いやすいことも魅力だ。
こうした周辺機器の導入は、何より作業時間の時短において重要だと井関氏は語る。「例えばUSB Type-Cドックがあれば、ケーブルの抜き差し作業の時間が短縮される。周辺機器や大画面ディスプレイで作業領域が広がれば、作業効率も上がる」とした上で、「年間では約146時間、18.2営業日の時短効果」という試算を示した。
確かに、これだけの効率改善/時短効果があるなら、周辺機器を併せて導入するメリットも大きいだろう。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2025年8月18日