最新「MacBook Pro」の本当の意味(4/4 ページ)
アップルが満を持して発表した新「MacBook Pro」。性能が少し上がっただけ? 外観は同じ? そうではない。むしろこのマシンは同社のマイルストーンとも言うべき存在になるだろう。
最強のWindows VistaノートPCに
アップルがインテルCPUへの移行を発表してから無視できないのがBootCampの話題だ。新MacBook Proでも、当然、BootCampを使ってWindowsを動かすことができる。いや、それどころか新MacBook Proの登場にあわせてリリースされた最新版BootCamp 1.1.2 beta(執筆時点では米国サイトでのみ配布中)を使えば、かなり快適に使うことができる。
例えば右クリックの操作にしても、パッド上に指を2本置きながらトラックパッドボタンをクリックする、MacBookシリーズでお馴染みの操作でできるようになった。当然、指2本をパッド上で滑らせてスクロール操作をすることも可能だ。また内蔵iSightや内蔵マイク、USB FAXモデムにも対応した。
さて、Windows XPをインストールして定番のベンチマークテストを行った結果は以下の通り。
Windows環境で行ったベンチの結果は、Macで行ったベンチマークテストの結果よりもさらに劇的な変化を見て取ることができる(しかも、こちらはOSも毎回、同じCD-ROMからインストールしているので、環境は一定に保たれている)。
もしかしたら、アップルが新MacBook Proの劇的進化を大々的に見せないのは、まだソフト側の準備が整っていないという理由があるのかもしれない、と勘ぐってしまうくらいだ(もっとも、ソフトの問題であれば来年以降のアップデートでいくらでも解決できる)。
さて、冒頭でも触れたように新MacBook ProにインストールできるOSは、Mac OS XとWindows XPばかりではない。Windows Vistaの32ビット版や64ビット版もインストールできる。さっそくマイクロソフトのWebサイトで配布中のWindows Vista RC1をインストールし、動作を試してみたところ、AeroのグラフィックをはじめとするVistaならではの機能を満喫できた。
まだExpressCardが使えなかったり、日本語キーボードを使った文字入力がしづらい(「英数」キーを使って入力モード切り替えができるようにはなった)など、いくつかの問題はあるが、BootCamp最終版でこうした細かな問題点もなくなるとしたら、Windows Vista ReadyのノートPCとしても、かなりの魅力を感じる。
なお、Mac環境をメインに使う人なら、BootCampよりもParallelsを使ったWindowsの動作が気になるところだが、これについてはPCMarkや3DMarkといったテストは互換性の問題で動かないので試していない。ちなみに、この互換性の問題はParallelsのソフト側の問題で、開発者もいずれ克服したいと語っている(年末にはライバルのVMwareのMac版も登場するので、これも楽しみだ)。
現在はプロ用アプリケーションが快適に動く37%高速なノート型Macとしてひかえめに存在感をアピールしながらも、来年以降はMac OS X「Leopard」や、Windows Vistaなどの登場でさらに大きく魅力を開花させる。この新しいMacBook Proは、息長く楽しめるマシンとなりそうだ。
関連記事
- 「日本人にこそ分かってほしい」 新MacBook Proの魅力
新型「MacBook Pro」について服部 浩氏に話を聞いた。スペック面の変更が強調されがちだが、実はデザインもこっそりと……。 - MacBook Proが待望のCore 2 Duoに
アップルコンピュータがMacBook Proの新ラインアップを発表した。CPUがCore 2 Duoに刷新され、処理性能が最大で39%高速化している。 - 「4倍速い」MacBook Proと「2倍速い」iMacがIntel Core Duo搭載で登場
AppleにとってPowerPC採用以来のターニングポイントとなる「Pentium Mac」がついに正式発表された。 - Intel Macの最高峰「17インチMacBook Pro」を徹底検証――Windows機としての実力は?
「MacBook Pro」に17インチワイド液晶モデルが加わった。本機が現時点でのIntel Mac“最高峰”であることは間違いないが、ノートPC全体から見た実力はどうなのだろうか。その性能をさまざまな角度から検証した。 - 「MacBook Pro」の気になるトコロ
Intelチップを搭載したことで、MacユーザーのみならずPCユーザーからも熱い視線を浴びる「MacBook Pro」。しかし、初めてのチップだけに気になる部分も多い。都内で開催されたアップルの基調講演イベントで話を聞いた。 - 「4倍高速」なMacBook Pro、魅力は何倍?
インテル版Mac miniの発売も始まり、製品ラインアップの約半分がインテルCPUに移行したアップル。現在、新生Macで唯一のノートPC製品であるMacBook Proの実力と可能性を探ってみた。 - 写真で見る「MacBook Pro」
スティーブ・ジョブズ氏の基調講演でその存在が明らかにされた、「MacBook Pro」。MacWorld Expoの会場では、この新型機へ実際に触れることができる。注目の新型を写真で紹介。 - 写真で解説する「MacBook Pro」
今年1月に発表されたアップルコンピュータのMacBook Proだが、ようやく日本でも出荷が始まった。まずはフォトレビューという形で、MacBook Proの概要をお届けしたい。 - Apple、15インチMacBook Proのバッテリーを一部回収
安全面での危険性はなく、交換用のバッテリーが到着するまでは使い続けても問題ないという。 - Appleが17インチのMacBook Proを発表――今度は「5倍高速」
アップルコンピュータは、1680×1050ドット表示対応の17インチワイド液晶を搭載したMacBook Pro(MA092J/A)を発表した。価格は34万9800円。AppleStoreやアップル直営店などを通じて来週より順次販売される。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.