ハイコンポサイズの“HDオーディオPC”――オンキヨー「HDC-1.0」:Vista×Core 2 Duo×高音質
オンキヨーから、音質にこだわった小型デスクトップPC「HDC-1.0」が登場。本体単体モデルに加えて、ステレオスピーカーやアンプとのセットも用意する。
オンキヨーは2月1日、オーディオ機能を重視した小型デスクトップPC「HDC-1.0」を発表した。ラインアップは、本体単体モデルの「HDC-1.0(S)」、デジタルアンプ内蔵ステレオスピーカーとのセット「SPX-1(S)」、デジタルアンプとのセット「APX-1(S)」を用意。発売日は、APX-1(S)が2月3日、HDC-1.0(S)とSPX-1(S)が3月上旬を予定している。価格はオープンで、実売価格はHDC-1.0(S)が21万円前後、SPX-1(S)が26万円前後、APX-1(S)が24万8000円前後になる見込みだ。
HDC-1.0は、さまざまなオーディオ技術を投入して開発したPCで、同社は“HDオーディオPC”と呼称している。同社製のアンプやスピーカーと組み合わせて、オーディオシステムを構築することを想定し、本体サイズやデザインを横幅205ミリのハイコンポシリーズ「INTEC 205」と共通化した点が特徴だ。本体の小型化に加えて静音性と放熱効率を高めるため、ノートPC向けのアーキテクチャを採用したほか、筐体内部にCPUやチップセットを包むダクトを設けている。PC本体の騒音レベルは25デジベル以下。
CPUはCore 2 Duo T5500(1.66GHz)、チップセットはIntel 945GM+ICH7M、HDDは2.5インチで容量120Gバイト、光学ドライブはスリムタイプのDVDスーパーマルチを搭載。サウンドカードは、「SE-90PCI」をベースにHDC-1.0用に設計し直した2ch対応のもので、パルスノイズ除去技術「VLSC」、24ビット/192kHzのD/Aコンバータ(WM8716)、ノイズを低減する高性能コンデンサや銅バスプレートを特徴とする。音声のインタフェースは、光デジタル音声出力×1、RCAアナログ音声入力×1、RCAアナログ音声出力×1を持つ。周波数特性は0.3Hz〜88kHz、S/N比は110デジベル。
3モデルともディスプレイは付属していない。ディスプレイ出力はデジタル/アナログ共用のDVI-I(HDCP対応)を装備し、DVI-IからD-SubのアナログRGBに変換するコネクタが同梱される。ユーザーが別途HDMI変換コネクタを用意すれば、HDMI入力に対応したTVと接続することも可能という。
OSはWindows Vista Home Basicを採用。独自の音楽再生・管理・編集ソフト「CarryOn Music 10」がプリインストールされ、これを操作するための専用リモコンが付属する。リモコンは2.4GHzデジタル無線方式によるPCとの双方向通信が可能で、楽曲リストなどを表示するモノクロ液晶モニタを備える。CarryOn Musicは、CDリッピング、WAVE、WMA、MP3、AAC、ATRAC、Ogg Vorbisの音楽再生(WMA DRM対応)、アナログ音声の録音(Music IDによる楽曲情報取得に対応)、音楽CD作成などの機能を装備するほか、同社の音楽配信サービス「e-onkyo music」で購入した24ビット/96kHzの高音質楽曲データも再生可能だ。
※記事初出時にOpen MG対応と記載しましたが、Open MGのDRMには対応しておらず、将来的な対応は検討中とのことです。DRMはWMAのみ対応しています。お詫びして訂正させていただきます。
SPX-1(S)に付属の2ウェイバスレフ型スピーカーはHDC-1.0用に設計されたもの。アンプは、実用最大出力40ワット+40ワット(4Ω)で、R側スピーカーに内蔵している。ウーファーは10センチ径のOMFモノコックコーン、ツイーターは3センチ径。周波数特性は50Hz〜100kHz、クロスオーバー周波数は3.5kHz、入力インピーダンスは10kΩ以上となる。スピーカーの単体販売は予定されていない。
スピーカーのインタフェースは、RCAアナログ音声入力×2、光デジタル音声入力×1、RCAサブウーファ出力×1、ステレオミニのヘッドフォン出力を搭載する。外形寸法は、R側が169(幅)×240(奥行き)×263(高さ)ミリ、L側が169(幅)×215(奥行き)×263(高さ)ミリ。重量は、R側が6.4キロ、L側が4.3キロだ。
APX-1(S)に付属するデジタルアンプは、INTEC 205シリーズのプリメインアンプ「A-905FX」をベースにしたもので、パワー感やスピード感をより洗練させたという。付属のリモコンでアンプの電源切り替えや音量調整、入力切り替えが可能。デジタルアンプ特有のノイズの影響を抑える技術「VL Digital」を採用する。実用最大出力は80ワット+80ワット(6Ω)、周波数特性は10Hz〜60kHz、S/N比は100デジベル。
アンプのインタフェースは、アナログ入力6系統、アナログ出力4系統、プロセッサー/PC入出力、ヘッドフォン端子を装備。スピーカーターミナルはバナナプラグ対応のネジ式となっている。外形寸法は205(幅)×299(奥行き)×93mm(高さ)ミリで、重量は4キロだ。
APX-1(S)にスピーカーは同梱されず、「D-D1E」「D-112E」といった同社製2ウェイスピーカーとの組み合わせが推奨されている。
HDC-1.0(S)の主な仕様 | |
---|---|
PC部 | |
OS | Windows Vista Home Basic |
CPU | Core 2 Duo T5500(1.66GHz) |
チップセット | Intel 945GM+ICH7M |
メモリ | 1024Mバイト(PC2-5300) |
HDD | Serial ATA 120Gバイト(2.5インチ) |
ディスプレイ | 別売 |
グラフィックス | チップセット内蔵 |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
ネットワーク | 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T |
インタフェース | USB 2.0×6(前面×2、背面×4)、IEEE1394×1(背面6ピン×1)、DVI-I出力×1 |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 205×240×92.5ミリ |
オーディオ部 | |
周波数特性 | 0.3Hz〜88kHz(サンプリング周波数192kHz時) |
S/N比 | 110デジベル |
インタフェース | 光デジタル音声出力×1、RCAアナログ音声入力(ステレオ)×1、RCAアナログ音声出力(ステレオ)×1 |
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