ビジネスもVistaで――B5サイズのリアルモバイル「Endeavor NA102」(2/2 ページ)
光学ドライブ搭載で約1.2キロの軽量ノートPC「Endeavor NA102」。新たにデュアルコアに対応した実力をVista Businessで試した。Aero Glassはさくさく動く?
Core Duoならハイビジョン動画の再生もクリア
試用機ではWindows Vista Businessを選択している。メモリ容量が1Gバイトでグラフィックス機能もIntel 945GMチップセット内蔵なので、Aero Glassを有効にして利用することもできる。筆者の手元に届いた段階で、すでにAero Glassは有効だったが、描画速度にもたつきは見られず、Flip 3Dもストレスなく動作した。Windows エクスペリエンスインデックスのスコアは2.0と、Aero Glassの利用には辛そうに思えるが、グラフィックス周りが低めに出ているだけで、プロセッサ、メモリ、HDDの各スコアは4を越えている。
本機は一般にモバイルPCと呼ぶべき製品だが、光学ドライブを搭載した2スピンドル構成であることから、個人ユーザーならメインPCとして利用する人もいるだろう。松下電器の「Let's note LIGHT W」や富士通の「LOOX T」なども同じカテゴリに位置付けられる。そこで“遊び”用途を想定したハイビジョン動画の再生能力をチェックしてみた。
コンテンツとして利用したのはWindows Mediaのサイトからダウンロード可能な1440×1080ドットのWMV-HDと、ハイビジョンカムコーダーで撮影された1440×1080ドットのHDV(MPEG2)の動画ファイルだ。
WMV-HDの再生では、CPU使用率がおおむね60%程度で、余裕を持って再生できた。また、掲載用の画面キャプチャを撮る都合上、フルスクリーン再生とウインドウ再生を行き来したが、CPU使用率に大きな変化は見られなかった。
ただ、「余裕を持って」と言っても、デュアルコアのCore Duoを搭載した試用機でCPU使用率が50%を割り込まなかったということは、同クロックのCore Solo搭載モデルでは正常な再生が望めないということでもある。新作の「NA102」でCore Duoを選択できるようになったメリットはやはり大きい。ちなみにHDV再生の結果も似たようなものだった。
そこでさらに一歩進めて、液晶TVをセカンダリディスプレイとしてRGB接続し、1360×768ドット表示に設定して再生をしてみた。CPU使用率に大きな変化はなく、もちろんフルスクリーン表示でもコマ落ちはしない。この状態で本体側に負荷をかけてもWebアクセス程度ならまったくストレスなく動作した。これならリビングの大画面TVにPCを接続し、インターネット上のハイビジョン動画を楽しむ、といった使い方にも十分対応できるだろう。逆に言えば、こういった使い方も望むのであれば、CPUにはCore Duoを選択する必要があるということだ。
PCMark05(Windows Vista対応パッチ適用済み)は、Aero Glassを無効/有効の両方で実行してみた。「NA102」で購入時に選べるWindows VistaはHome BasicとBusinessだが、後者は好みでAero Glassを使う、使わないを選択できる。
さて、結果はグラフのように、Aero Glassを有効にしたほうがPCMarkのスコアは高くなっている。これはAero Glassが無効な状態ではWindows XPなどと同様にGDIで描画を行うにも関わらず、ビデオチップのGDIアクセラレーションが利用できないためだろう。従って、グラフィックスチップの3Dアクセラレーション(シェーダー)を利用できるAero Glassを有効にした状態のほうが、グラフィックスパフォーマンスが高くなり、これがPCMarkスコアに反映されている。
もっとも、ブラウザやメーラー、オフィススイートを利用する範囲では、Aero Glassの有効、無効の体感上の違いは感じられないし、全体のパフォーマンスとしても不満を感じることはなかった。一方、3D描画のテストについては、3Dark06の内容がヘビーすぎるので(3DMark05はWindows Vistaに非対応)、FFベンチを参考までに実行するに留めた。結果は低解像度でとりあえず問題なしといったところ。さすがに3Dゲームに関しては多大な期待はしないほうがよさそうだ。
Core Duo対応でさらに活躍の場を広げたマルチB5ノート
本機は魅力はやはり小型軽量ボディにCore Duoを搭載できる点だろう。デュアルコアのメリットをストレートに享受できるソフトウェアは依然多くは存在しないが、セキュリティ関係でバックグランドで動作するソフトの数はどんどん増えている。モバイル利用のためだけに本機を購入するのならばそれほど性能にこだわる必要はないものの、2スピンドルを生かしてメインPCとしても利用する場合などには、やはりCore Duoをお勧めしたい。
また、なぜこのタイミングでCore 2 Duoではないのか、という疑問を感じる人もいると思うが、Core 2 Duoシリーズには超低電圧版はまだ準備されていないので、バッテリー動作時間とのトレードオフが大きい。本機の位置付け的にはCore Duoで正解である。
CPUのBTO項目を除くと従来モデルから大きな変更はないものの、タッチパッドがスクロール対応になった点は大きな改良と言えるし、BTOの自由度の高さももちろん健在だ。マルチに使える軽量ノートPCを狙っている人には有力な選択肢の1つになるだろう。
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