Direct X 10世代のミドルレンジGPU「GeForce 8600」「GeForce 8500」発表
NVIDIAは4月17日(日本時間)、GeForce 8シリーズのミドルレンジGPUファミリーを発表した。搭載するグラフィックスカードのストリートプライスは上位モデルで199〜229ドルになると見られる。
GeForce 8600ファミリーは「GeForce 8600GTS」「GeForce 8600 GT」の2モデルが用意される。GeForce 8500ファミリーは当面「GeForce 8500GT」の1モデルのみ。また、OEM向けのみのGPUとして「GeFroce 8400GS」「GeForce 8300 GS」も同日発表された。
GeForce 8600、同8500はともに、これまでぞれぞれ「G86」「G84」の開発コード名で知られてきた。GPSの構成は基本的に上位モデルのGeForce 8800ファミリーと同じで、Direct X 10に対応し統合型シェーダモデルをサポートする。 GeForce 8600シリーズの構成トランジスタ数は2億8900万個。プロセスルールは80ナノメートルを採用する。GeForce 8800ファミリーと同じ、シェーダ処理の負荷にあわせて動的に“VertexShader用”“PixelShader用”にシェーダユニットを割り当てる「統合型シェーダユニット」を実装する。その数はGeForce 8600GTSと同GTで32個、GeForce 8500 GTで16個。上位モデルのGeForce 8800 GTXが128個、GeForce 8800 GTSが96個であるのから比べると、数をかなり減らしている。
GeForce 8600 GTSの定格におけるコアクロックは675MHz、シェーダユニットの動作クロックは1.45GHz。GeForce 8600 GTの定格におけるコアクロックは540MHz、シェーダユニットの動作クロックは1.19GHzとなる、GeForce 8500 GTの定格におけるコアクロックは450MHz、シェーダユニットの動作クロックは900MHz。メモリバスクロックはGeForce 8600 GTSが1GHz(DDRデータ転送レートで2Gbps相当)、GeForce 8600 GTが700MHz(DDRデータ転送レートで1.4Gbps相当)、GeForce 8500MGTが400MHz(DDRデータ転送レートで800Mbps)となる。ビデオメモリバス幅は8600GTS、同GT、8500GTともに128ビットで、8600ファミリーはGDDR3に対応、8500GTはDDR2に対応する。ビデオメモリの容量は8600ファミリーがどちらも256Mバイトで8500GTは512Mバイト、もしくは256Mバイトとなる(OEM向けのGeForce 8400 GSとGeForce 8300 GSのコアクロックはともに450MHz、メモリクロックは400MHzとGeFroce 8500 GTと同等。ただし、メモリバス幅が64ビット幅となる)
3モデルともNVIDIA SLIに対応する。GeForce 8600 GTSを搭載するグラフィックスカードを組み込んだ一般的なシステムに求められる電源ユニットの目安として、NVIDIAはシングル構成で350ワット、NVIDIA SLI構成で450ワット以上という値を示している。
GeForce 8600と同8500のファミリーは、GeForce 7シリーズやGeForce 8800 GTX/GTSに実装されていたものより世代が新しい「第2世代」のPureVideo HDが組み込まれている。NVIDIAは「H.264のデコートに完全に対応した最初のGPU」と述べており、第2世代のPureVideo HDを搭載したGeForce 8600を組み込んだほとんどのPCはHDコンテンツの再生が可能になるとNVIDIAは説明している(GeForce 8400 GSも第2世代のPureVideo HDを実装するがGeForce 8300 GSはサポートされない)。
また、GeForce 8600 GTSはHDMIのキーモジュールを標準で実装するが、GeForce 8600GTとGeForce 8500 GTはオプション扱いとなる(カードベンダーが独自に組み込むことは可能)。
NVIDIAの資料で予想されているストリートプライスは、GeForce 8600 GTSを搭載したグラフィックスカードで199〜229ドル、GeForce 8600 GTを搭載したグラフィックスカードで149〜159ドル、GeForce 8500 GTを搭載したグラフィックスカードで89〜129ドルとなっている。
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