WWDC 2007の目玉はやはり「Leopard」――ユーザーの次は開発者をスイッチ!?:林信行の「Leopard」に続く道 第2回(2/3 ページ)
アップルが次期Mac OS X “Leopard”のリリース延期を発表した。だが、もしかしたらこれも同社の戦略かもしれない。Leopardの遅れによって恩恵を受けるのは誰か? それはこれまでWindowsやLinuxの開発を行なっていた開発者たちだ。
iPodやApple TV用メディア製作の話も
オカモト 続いて今年のWWDCの3つめのポイントです。最近アップルがやってきたこと、そしてアップルの顧客がやってきたことを、改めて見つめ直してみると「コンテンツとメディア」が非常に重要な部分を占めていることがお分かりでしょう。
その最も顕著な例の1つがPodcastingです。Podcastingはいまや世界中のさまざまなマーケットで広く活用されるようになってきています。このPodcastは、iPod、Mac、そして最近発表したApple TVといった、我々の全製品ラインアップで利用できる強みでもあります。
そこで今年のWWDCでは、このPodcastをいかにうまく作るか、そしていかにすれば最も効果的かつ効率的に配信できるかといったトピックも紹介しようと思っています。こうしたことを紹介するのが「コンテンツ&メディア」と呼ばれるトラックです。このトラックでは、Macを使っていかにうまくコンテンツを作り、配信していくかを紹介します。iTunes Storeで培った、我々のメディア製作のノウハウなども伝授する予定です。
――「コンテンツ&メディア」のトラックでは、Apple TVやiPhoneの話もするのでしょうか?
オカモト Apple TVやiPodについての話はあります。ただし、iPhoneについて、現時点で我々がお話しできるのは、この製品が6月に出荷予定であるということ、それだけです。これ以上深くはお答えすることができません。
現地では日本のスタッフがサポート
――セッションのより具体的な内容は、どこで分かりますか?
オカモト そうした情報はWWDCの公式ホームページに掲載されています。いくつかのテーマに沿ったトラックの下には、合計100以上のセッションやラボが用意されています。
いま掲載されている情報がすべてではなく、今後、明らかにされていく内容もあります。いずれにしても、これまでのMac開発者に加え、新規参入の開発者、そしてコンテンツとメディアの制作者、こうした人々がすべてWWDCという1つのイベントに集まってくれるというのは大変エキサイティングなことだと思っています。
――非常にエキサイティングなWWDCになりそうですが、1つ心配なのは言葉の問題です。WWDCのセッションはすべて英語で行なわれるのですよね。
オカモト その通りです。ただし、その点については配慮をしてあります。日本のアップルの開発者リレーションのスタッフ全員がこのWWDCに参加し、すべてのセッションをカバーする予定です。
私がこれまでのWWDCを見た限りでは、英語そのもので困っているという開発者はあまりいなかった印象があります。今回もしそういった点で困った開発者の方がいて、質問があったり、あまりよく分からなかった部分があった場合には、弊社の日本人スタッフに話しかけていただければ、休憩時間の合間など、一緒に座って、分からなかったところや聞き逃したところを教えるようになっています。
というわけで、通訳はありませんが、我々のチームが参加者を手助けするようになっています。
――WWDCでは、セッション以外にはどんなアクティビティがあるのでしょう?
オカモト まず大きいのがApple Design Awardと呼ばれるアワードの表彰式。もう1つは、参加した開発者の人と我々のエンジニアが、1:1で個別で指導にあたるラボと呼ばれるコーナーです。
また2年前に始めたハンズ・オン・セッションというのも人気のコーナーです。特定のテーマについて話し合うという点では、普通のセッションに似ていますが、ハンズ・オン・セッションでは、参加者がそのテーマについて一方的に聞くのではなく、実際に抱えている問題などを話して、その解決方法を探っていく、という形になっています。
WWDCが始まるまで時間があり、最終決定になっていないため、そのほかのアクティビティについてはまだ語れませんが、過去のWWDCでのアクティビティに、いくつか新しいアクティビティを加えたものだと考えてもらえば間違いはないでしょう。
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