Santa Rosaとワイド液晶でVistaがより快適に――富士通「FMV-BIBLO MG70W/V」を試す:定番スリムノートが大変身(2/4 ページ)
「FMV-BIBLO MG70W/V」は、Santa Rosaこと新Centrino Duoとワイド液晶ディスプレイをシリーズ初採用。大幅に進化したA4スリムノートをじっくり使ってみた。
A4スリムならではの余裕ある入力環境
A4スリムとボディサイズに余裕がある製品らしく、ユーザーインタフェースは快適だ。シリーズ初の搭載となったワイド液晶ディスプレイは、13.3インチとA4ノートPCとしてはコンパクトだが、解像度は1280×800ドット(WXGA)とあまり欲張らないことで視認性も十分確保しつつ、一度に表示できる情報量は1024×768ドット(XGA)と比較して約30%拡大されている。
2007年春モデルが搭載していた1024×768ドット表示の13.3インチスクエア液晶ディスプレイと比較すると、ドッチピッチは2割ほど小さい0.224ミリだが、標準設定のままで多くの人が文字の視認性に不満を感じないギリギリの範囲ではないだろうか。この点はディスプレイの視認性にある程度割り切りが必要なFMV-BIBLO LOOX Tシリーズとは大きく異なる部分だ。
画面は光沢タイプで光源の映りこみはちょっと気になるが、発色はまずまずで輝度も十分に高い。スリム化と低消費電力化に一役買っているのが新採用となった薄型LEDのバックライトだが、輝度という点でもまったく不満は感じない。ただし、視野角は上下方向がとくに狭いので、画面のチルト調整には注意が必要だ。
キーボードは約19ミリのキーピッチがあり、変則的なキーピッチは見られない。また、カーソルキーを一段前方に引き出すことで、ほかのキーに影響を与えず、入力しやすくしている。ボディを薄型化したにも関わらず、キーストロークはノートPCでほぼ最大級の3ミリを維持しており、さほど剛性感はないもののキータッチは良好だ。あえて言うならば、右側に「Alt」キーがないのが気になる程度だ。
2007年春モデルの14.1インチスクエア液晶ディスプレイ搭載機で採用されていた2つのポインティングデバイス(タッチパッド+スティック)は省略されたが、タッチパッドはディスプレイの形状に合わせたワイドタイプとなった。パッドやボタンのサイズに無理はなく、操作性は良好だ。
左右のマウスボタンの間には従来モデルと同様の指紋センサーが搭載されており、WindowsやWebサイトへのログオン時に、IDやパスワード入力の代わりに指紋認証を利用することができる。指紋センサーは縦方向のスクロール機能も持つ。なお、タッチパッドもSynaptics製ドライバが組み込まれた多機能タイプであり、エッジ操作でのスクロール操作などに用いることもできる。
充実したインタフェースだが、レイアウトには今後の課題も
外部インタフェースは、背面がバッテリーで占有されるため、左右の側面と前面に集中している。3つのUSB 2.0ポートは右側面の前後に分散して配置されており、後方のUSBポートはマウスなどの接続に便利だろう。スライド式の無線LANスイッチが前面にあるのも使いやすい。
一方、ワンセグの外部アンテナ接続端子を兼ねる音声出力端子やS-Video出力端子が前面にあるのは、モバイルユースに限れば左右に設置スペースを必要としないという意味で悪くない配置と思うが、屋内で通常のアンテナケーブルを接続する場合にはじゃまに感じるだろう。
また気になったのは左側面後部の有線LAN、DC入力、外部ディスプレイ出力(アナログRGB)の端子が密接していることで、有線LANと外部ディスプレイのケーブルを接続すると、L字型のDCコネクタを上方に向ける必要がある。この配置ならば、DCコネクタはL型ではなくストレート型にしてほしかったと思う。
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