トップブロガーたちによる「新MacBook Pro」速攻&即興レビュー:ベイダー卿も「アシタ、カイニイキマス」(1/2 ページ)
発表されたばかりの最新MacBook Proを有名ブロガーが集まる「Sblog Dinner」に持ち込み、触って、試して、語ってもらった。
新しいMacBook Proの15インチモデルは、アップルが今後、真剣に取り組んで行くというLEDバックライトを早々と採用した先駆的なモデル、17インチ版は標準仕様に加えフルHDの1920×1200ピクセル解像度に対応した高密度ディスプレイ版をBTOで選ぶことができる注目のモデルだ。後者の出荷はまだ少し時間がかかるようだが、さっそく前者のモデルを手に入れたので紹介しよう。
新MacBook ProのCPUは、2.4GHzのIntel Core 2 Duo(FSB 800MHz)で、GPUにはNVIDIAの最新チップ「GeForce 8600M GT」を搭載している。アップルの公称値によると、2.1GHzのIntel Core Duoを搭載した初代MacBook Proに比べて、Logic Pro 7のテストで55%、Final Cut Pro 6で52%、Photoshop CS3で39%、そしてApertureで28%高速――さらにGPUのパフォーマンスだけを比較しても50%高速だという。
ただ、仮にこれらの数値を実機で検証しグラフ化してみても、実際に何がどういいのかを伝えるのは難しい。そこで今回は、この新MacBook ProをMacユーザーが大勢集まる場所に持ち込み、そこでできるだけ多くの人の感想を集めるという形でレビューを行ってみた。
見た目は変わってない。だけど、だから、買い替えてもバレない(笑)
向かった先は、五反田で毎月開催されるブロガーの集会「Sblog Dinner」だ。これは日本を代表する超有名ブログの筆者たちが集まるイベントで、新MacBook Proの発表から一夜明けたこの日は50人弱が集まっていた。
不思議なことに著名なブロガーの間では、伝統的にMacユーザーの率が高い。ブログの世界的な普及に貢献した伊藤穣一氏もMacユーザーなら、最も人気のあるブログソフトを提供している米シックスアパートの創業者の夫婦も熱心なMacユーザーだ。普段は30人ほどの「Sblog Dinner」の参加者も、実は8割近くがMacユーザーだったりする。この空間ではMacの市場シェアと完全に立場が逆転しているのだ。
まずコメントをくれたのは、日本で最も人気の高いブログの1つ「ネタフル」の筆者、コグレマサト氏。バックライトキーボードが採用される前のPowerBook G4ユーザーだ。
「キーボードのタッチがいい。それにやはり光るキーボードはすごい。あー、でもこれって、全然この機種ならではの変化じゃないですね(笑)。いや、さっき再起動したんですけど、そのスピードの速さに驚かされました。プログレスバーが一瞬で消えてしまう」(コグレ氏)。
コグレさんと親しいブロガーで、やはりPowerBook G4ユーザーの田中アップルさん(→田中アップルさんのブログ)もキーボードの質に感動していた。「タッチがなんともいい。それにさっきからずっと動かしっぱなしなのに全然熱くならない。本体の裏側も。いや、欲しいなぁ〜」。
会場では少しでも負荷がかかるようにと、iMovie HDやiDVD、PhotoBoothといったソフトを起動しっぱなしにしていたが、本機のスペックを考えると十分な負荷は作り出せていなかったかもしれない。
散々触った後に、外観があまり大きく変わっていないことを指摘した田中氏だが、すぐに思い直したようだ。
「これならもしかしたら黙って買えば(妻に)バレずにすむかも。OSを新しくしたら急にマシンが速くなったって言っちゃおうかな。でも、これって薄くなりましたよね。これはごまかせないかなー」(田中氏)。
続いて感想をくれたのは、iPod情報のサイトとして人気が高いiPod Style」の戸津弘貴さん。新製品に比べて“50%遅い”初代MacBook Proのユーザーだ。戸津さんは逆にあまり外観が変わらないのが気になっている様子。
「LED液晶ですよね? パっと見ただけではあまり液晶の違いはわからないなぁ。あと少し軽くなったかな?」(初代MacBook Proよりは0.1キロ軽い)。
「(マシンを触りながら)圧倒的に速くて、それも悔しいけれど、初代MacBook Proを買った身としては、まだ買いたくないっていうのが本音です。秋ごろくらいのLeopardの登場にあわせてもう少し速度アップしたモデルが出るかもしれないので、それを待ちたいっていう気がしています」(戸津氏)。
確かに彼の気持ちは分かる。MacBook Proは、Macインテル化第1号の実験的製品だ。筆者が書いたレビューの結論も「Mac好きでお金持ちなら記念に買うのもアリ」というもの。戸津氏のような、熱心なMacユーザーで、多少の困難を悦びとして感じられるくらいのユーザー以外には勧めにくいマシンだった。初代機は最新モデルとしての寿命も短く、2006年2月に出荷が開始されたと思ったら、その3カ月後の5月には次のモデルが発表されている。こんな経験をした後では、なかなか新機種を買いづらいことだろう。
Macユーザーばかりでなく、たまにはWindowsユーザーの意見も聞いてみよう。
「kuromomo's diary」の筆者で、オープンソース関連のコミュニティで活躍するkuromomoさん。「わぁ〜、これが新しいMacなんですか? 欲しい、欲しい、すごい」そういって手に取った後、もう一言。
「重い!」
現在、彼女はLet's Noteのユーザー。聞いた相手が悪かったようだ。
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