「VAIO type R master VGC-RM52DL9」でHD映像を思うままのカタチに(前編):これぞVAIOの最上級(4/4 ページ)
ソニーの「VAIO type R master」は個人で本格的なビデオ編集を行いたい場合、非常に強力なソリューションとなる。今回はじっくりHD映像を編集してみた。
他社製HDVカメラのユーザーはどうする?
DVgate Plusを用いた、キャプチャと同時の中継ファイル作成はあきらめるとしても、そもそもPCにキャプチャできなければ、編集作業を行なうことができない。そこで、他社製のHDV1080iカメラからキャプチャする手段を付属ソフトの中から探してみると、Premiere Elements 3.0自体がもっているキャプチャ機能や、OSに付属のWindowsムービーメーカー(HD対応版)といった選択肢が挙げられる。
このうち、後者はキャプチャ後も中継ファイルを作成できなかったため、結局はPremiere Elements 3.0でキャプチャから書き出しまでを行なうことになる。そこで、中継ファイルを自動作成できず、バッチキャプチャやシーンの自動検出といった機能も持たない、Premiere Elements 3.0のHDVキャプチャ機能の不便さが気になるところだが、付属のサードパーティ製ソフトを使うことで改善も可能だ。
まず、ペガシスのソフト「TMPGEnc MPEG Editor 2.0 for VAIO」から見ていこう。これは別のソフトでキャプチャしたHDV映像をカット編集するためのソフトで、再エンコードによる画質の劣化を最小限に抑えつつ、GOP単位やフレーム単位で分割することが可能だ。もっとも、フレーム単位でのカット編集はDVgate Plusでも行なえるため、DVgate Plusが使えるソニー製HDVカメラを使っている場合はあまり意味がない。
むしろ中継ファイルの仕組みを使うことなく、高速な処理を行なえるというのがミソで、Premiere Elements 3.0でテープをまるごとキャプチャしておき、あとからシーン分割するといった作業をスムーズに行なえる。DVgate Plusの自動シーン分割に比べれば手間はかかるものの、他社製HDVカメラでもシーン分割を比較的容易に行なえるのはありがたい。
また、同じく標準で付属するペガシスの動画エンコードソフト「TMPGEnc 4.0 XPress for VAIO」を用いれば、ノイズ除去や色調補正といったビデオフィルタを施すことも可能だ。さらに、AVCHDデータの読み込みや、HDV1080i以外の形式での出力にも対応しており、簡易編集ソフトやデータ変換ソフトとしての利用も考えられる。
このように、VAIO type R masterのビデオ編集機能は、ソニー製ビデオカメラとの組み合わせで最大限のパフォーマンスを発揮するが、他社製HDV/AVCHDカメラのユーザーに対して道を完全に閉ざしているわけではなく、強力なビデオ編集環境が得られる。
今回は映像素材の入力と中継ファイルの作成について解説した。次回はPremiere Elements 3.0による編集機能とVAIO独自のビデオエフェクト機能、編集後の映像出力までをチェックする。
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