「VAIO type R master VGC-RM52DL9」でHD映像を思うままのカタチに(後編):HDVもAVCHDも快適編集(3/3 ページ)
VAIOの最上位に君臨する「VAIO type R master」は、充実したHDビデオ編集環境を備えている。今回はビデオ編集と出力の機能をチェックした。
HDビデオ編集マシンに「わかりやすさ」を求める個人ユーザーにおすすめ
以上、2回に渡ってVGC-RM52DL9のビデオ編集機能をレビューしてきた。VAIO type R masterをHDビデオ編集マシンとして選ぶ意味とは、トータルでの「わかりやすさ」に尽きる。HDVにせよ、AVCHDにせよ、PCに取り込んだデータをダブルクリックするだけで、Windows Media Playerですぐに内容を確認できる点をとっても、HDビデオ編集システムとしての扱いやすさは実感できる。それに何よりも、このパッケージを買うだけで、入力から出力までHDビデオ編集のすべてが行なえるというのは非常に明快だ。
なかでも出力に関しては、他社製品では実現していない部分もあり、ファイル出力、ビデオカメラへの書き戻し、ディスクメディア保存、メディアプレーヤーでの再生と、あらゆる選択肢を提供できているのが大きい。業務での利用を想定しているユーザーにとっては、編集機能の面で“HDワークステーション”の呼称に疑問を感じる部分があるかもしれないが、HD編集のワークフローを完結できるシステムが実売35万円前後で、しかも家電量販店で購入できることを考えると、とくに個人ユーザーの立場からみれば、決して大げさな呼称ではない。
なお、VAIOオーナーメードモデルでクアッドコアCPUを選ばずとも、店頭モデルで十分快適にHDビデオ編集ができたことを付記しておきたい。ただし、これまで上位モデルに付属していたUSB接続のジョグコントローラは、VAIOオーナーメードモデルだけの特権(付属するとプラス1万円)で、店頭モデルを選ぶと追加購入できないのは残念だ。
また、セットモデルの19インチワイド液晶ディスプレイは、表示解像度が1440×900ドットとビデオ編集を行なうにはやや手狭で、もう少し広いデスクトップ領域が欲しいと感じた。単体モデルとの価格差は約6万円で、この金額は、品質はともかく、ひとまわり上の表示領域を持つHDCP対応ディスプレイが購入できる金額だ。
全体としては、Adobe Premiereというパッケージソフトを編集作業の中核に据えながら、機能面で物足りない部分を独自のユーティリティによってカバーすることで、使い勝手のよいシステムに仕上げている印象を受けた。この使いやすさは「Premiere+独自ソフト」の組み合わせを長くユーザーに提供してきた同社の蓄積のたまものだろう。
VAIO Edit Componentsのアップデートについて
ソニー独自プラグインの「VAIO Edit Components」は、最新版となるバージョン6.3(夏モデルプリインストールは6.2)が7月12日よりダウンロード開始予定だ。このアップデータにより、Premiere Pro CS3に対応するほか、TMPGEnc DVD Author 3用の字幕ファイル(subtitle)作成機能が追加される。字幕ファイル作成機能は、単純に文字を設定できるだけでなく、適用しているクリップの日付情報を拾って自動的に日付を設定することも可能だ
関連記事
- 「VAIO type R master VGC-RM52DL9」でHD映像を思うままのカタチに(前編)
ソニーの「VAIO type R master」は個人で本格的なビデオ編集を行いたい場合、非常に強力なソリューションとなる。今回はじっくりHD映像を編集してみた。 - Vistaで迎える初めての夏
国内のPCベンダー各社から、2007年夏モデルが相次いで発表された。2007年1月に登場したWindows Vistaは、この新モデルで初めての夏を迎える。Vista第2世代となるPCのできばえはどうだろうか? - VAIO夏モデル第3弾は“新Centrino Duo”を積極採用
ソニーは6月12日、2007年のVAIO夏モデル第3弾を発表した。Santa Rosaこと新Centrino Duoをtype F(FZ)/A/BXに採用し、性能向上を図っている。 - 国内登場10周年を迎え記念モデルを投入──ソニーVAIO夏モデル第2弾
5月17日、ソニーはPC夏モデル第2弾の発表を行った。注目は、VAIOの国内販売10周年を記念した新モデル「VAIO type T」だ。 - 32Gバイトフラッシュメモリ搭載ノートも登場した夏の新作──ソニーVAIO
ソニーは4月10日、VAIOデスクトップPC/ノートPCの4モデルを発表した。また、VAIOオーナーメードモデルでは32Gバイトフラッシュメモリ搭載モデルが追加。4月21日より順次出荷を開始する。 - 性能も液晶画面もワイドになった店頭モデル――VAIO type R master
動画編集に重点を置いたデスクトップPC「VAIO type R master」がモデルチェンジし、基本性能の底上げと液晶ディスプレイのワイド化が行われた。 - お茶の間でBlu-ray Discを本格オーサリング――ソニー「Click to DVD BD」
ソニーの「VAIO type L VGC-LA83DB」にはBDMV/BDAVの両形式に対応した「Click to DVD BD」が付属。家庭でBlu-ray Discのオーサリングを堪能できる。 - 直販モデルにCore 2 Extreme QX6700を採用したハイエンドPC――VAIO type R master
ソニーは、ハイエンドデスクトップPC「VAIO type R master」の新モデルを発表。直販モデルにCore 2 Extreme QX6700を採用し、さらなる性能向上を図っている。 - 「プリアンプ」「パワーアンプ」に思わず見える斬新な筐体──ソニー「VAIO type R master VGC-RM70DPL4」
VAIOのハイエンドデスクトップPC「VAIO type R」がフルモデルチェンジする。強力なコンテンツ作成PCという特徴を引き継ぐが、デザインを大胆に変えて使い勝手を突き詰めたモデルに生まれ変わった。 - 生まれ変わったVAIOハイエンドデスクトップ「VAIO type R master」発表
ソニーマーケティングは10月3日にデスクトップPC「VAIO type R master」を発表した。店頭モデルの最上位モデルの実売価格は約55万円。出荷開始は10月28日の予定。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.