日本解禁!「3GHz超え」XPS 720 H2C エディションのパフォーマンスを堪能する:ダイレクトPC最前線(3/3 ページ)
「過激なデルっ!」を象徴するXPSデスクトップがついに国内でも“公認”オーバークロックバージョンになった。もう、日本人もPenrynまで待つ必要はない。
「13倍率」のオーバークロックで安定動作するH2Cの強力冷却
前回のXPS 710 H2Cレビューでは、Core 2 Extreme QX6700の定格動作と、当時「日本では」選択できなかった「3.20GHz」動作のパフォーマンスを、デュアルGPU搭載のグラフィックスカード「GeForce 7950 GX2」2枚差しによる「4×4」構成で比較したが、XPS 720 H2Cでは、日本でも購入できるようになったオーバークロックモデルの3.20GHz動作Core 2 Extreme QX6700と、評価作業で安定動作が確認できた「3.46GHz動作」の設定に、XPS 720 H2Cの推奨構成である「GeForce 8800 GTX」の単体を組み合わせたパフォーマンスを測定した。
オーバークロックの効果がよく分かるのは、XPS 710 H2Cのレビューと同じように、PCMark05の結果だ。PCMark05の総合スコア「PCMark」の値は3.20GHzで8502、3.46GHzで9338と向上。CPUテストの結果は3.20GHzの10200に対して3.46GHz状態では10958と、3.20GHzを1とした場合の相対性能で1.074とほぼ7分増し強の結果を示している。3.20GHzから3.46GHzへ動作クロックが8分増しになっていることを思えば順当な性能を発揮している。
一方、3Dグラフィックス性能を測定するゲームベンチの結果では、3.20GHz動作時と3.46GHz動作時の相対性能はクロックがアップしたほどの違いにならない。最も効果が現れそうな3DMark06のCPU Testでも4分増し程度だ。これは市販ゲームを用いたベンチマークでも同じ傾向で、定格動作時もオーバークロック動作時もほぼ同じ結果となっている。
クアッドコアのCore 2 Extreme QX6700が13倍率の3.46GHzで安定して動いてしまうのには驚かされた。勢いに乗って危うく4GHz動作を試してみたくなったが、幸か不幸か手を出す前に時間切れとなった。改めて水冷ハイブリッドクーラーユニット「H2C」の威力を実感できた今回の評価作業であった。
ただし、デルがXPS 720 H2Cのコンセプトの1つとして掲げている「最高のゲーム体験ができるPC」という視点からすれば、CPUのオーバークロックもさることながら、「GeForce 8800 GTX 2枚差し」を推奨構成にしておきたいと思う。
XPS 720 H2Cで選択できるグラフィックスカードのBTOメニューには、GeForce 8800 GTXの単体構成と2枚差し構成が用意されているが、推奨は単体構成とされている。これは、2枚差しにしたときの価格アップが10万2900円と高額になるという事情に加えて、XPS 720 H2Cで導入できるOSが「Windows Vista」のみであることも現時点では影響しているかもしれない。
MicrosoftなどからマルチGPU環境における問題を解決したHotfixに関するリリースが出るなど、このあたりの事情は現在改善が進められており、NVIDIAからこの問題を反映したForcewareがじきに登場すると思われる。「3GHzオーバーのXPS 720 H2CにGeForce 8800 GTXのNVIDIA SLI」という、現時点で考えうる最上のゲーミングPCが発揮するパフォーマンスは、そのタイミングでまた紹介したい。
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