3つの盾でユーザーを守る「Kaspersky」最新版――ジャストシステム発表会:カスペルスキー氏も来日予定
“世界最高水準”を掲げるロシア製セキュリティソフト「Kaspersky」の最新版では、ユーザーのPC環境を守る第3の盾として、ヒューリスティック検知機能が搭載された。
ヒューリスティック検知エンジンを搭載
ジャストシステムは9月11日、総合セキュリティソフトの最新版「Kaspersky Internet Security 7.0」と「Kaspersky Anti-Virus 7.0」を発表した。すでに既存製品ユーザー向けの無償バージョンアッププログラムと試用版のダウンロード提供が開始されている。なお、パッケージ版およびダウンロード版は9月14日より発売される。
今回登場したVer.7では、同社が「Triple Shiled」と呼ぶ3つのセキュリティエンジンが製品の核になっている。1つはVer.5より提供されている定義ファイル更新ベースでの保護。Kaspersky製品は、1週間あたり約150(1時間に約1回)の定義ファイルを更新しており、新種ウイルスに対する対応時間が平均で1時間26分と速いのが特徴だ。2つめはVer.6で実装されたプロアクティブデフェンス機能。これはアプリケーションの動きを常時監視し、レジストリの改ざんといった怪しい動きがあれば捕捉するというもの。
そして3つめがVer.7の新機能であるヒューリスティック検知だ。この機能では、メモリ上の仮想環境で危険性のあるプログラムを実行し、その挙動を分析することでマルウェアかどうかを判断するため、未知のマルウェアでも検出・駆除できるのが特徴。同社によれば「あらゆるルートキットやキーロガーも検知できる」という。
ジャストシステムのKasperskyプロジェクトリーダーである横井太輔氏は、「インターネット上の脅威は、2003年をターニングポイントに愉快犯的なものから金銭を目的とした水面下での活動へと変化した」と、マルウェアの開発が組織的な犯罪になりつつある最新のセキュリティ動向を紹介。複雑化するインターネット犯罪に対して、定義ファイルが更新される前の未知のウイルスも検知できるヒューリスティック検知エンジンの有効性を説明した。
その一方で、CPUの使用率に応じて負荷を分散させたり、スキャン対象のファイルを絞ることで2回め以降のスキャン時間を大幅に短縮するなど、システムへの負荷を軽減しているのも目を引く。「“しっかり守る”という本来の機能と、PCを快適に使えるという二律背反する性能を高いレベルで実現した」(横井氏)。なお、Ver.7でのメモリ使用量は7Mバイト前後に抑えられているという。
※記事初出時、メモリ使用量を40Mバイトと記載しておりましたが、正しくは7Mバイトになります。お詫びして訂正いたします。
このほかの新機能として、スパイウェアなどによる個人情報の流出を防ぐプライバシーコントロールにWindows保護領域からのデータ盗難防止機能が追加されたほか、有害サイトの閲覧を制御するペアレンタルコントロール機能なども搭載されている。また、現在のPC環境におけるセキュリティリスクのレベルを色で把握できるユーザーインタフェースに一新されたのもトピックだ。
販売シェアを2倍に――ジャストシステム
ジャストシステム代表取締役社長の浮川和宣氏は、2006年の11月に市場参入し、後発ながら5%の販売シェア(BCN調べ)を達成できた現状を「ビジネス的にはまずまずの成功、ノウハウをためつつ順調に進んでいる」と総括したうえで、「ただし、まだまだ足りない部分はある。彼ら(カスペルスキー研究所)の持っている技術をVer.7でさらに広げ、今後とも力を合わせて日本のPCユーザーの安全を守っていきたい」と抱負を語った。同社は今後10%のシェアをめざす。
なお、同日に行われた発表会では、開発元であるカスペルスキー研究所所長のユージン・カスペルスキー氏によるビデオレターが紹介され、今週末に行われる店頭イベントに来日する予定を明らかにした(9月15日にヨドバシカメラ マルチメディアAkibaと同新宿西口本店、9月16日に同マルチメディア梅田で実施される予定)。
各パッケージの価格は以下の通り。
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