日本の“ブラックiPAQ”は何人組?――HP iPAQ新モデルを追う:HP Fall 2007 Consumer Launch(2/2 ページ)
プリンタ編とPC編に続いて、米Hewlett-Packardのアジア太平洋地区コンシューマー向け製品発表会のiPAQ編をお届けする。
3Dによるナビゲーションシステムに特化したiPAQ 312 Travel Companion
続いては、日本でも発売が予定されているナビゲーションシステムと、“ピュアPDA”の2モデルをチェックしよう。
まずはカーナビのディスプレイに似た「HP iPAQ 312 Travel Companion」だ。日本で発売中の現行機「HP iPAQ rx5965 Travel Companion」のコンセプトをさらに推し進めたモデルで、内蔵のGPS機能を使ったナビゲーションシステムに特化しているのが特徴だ。地図データの3D表示や、地図およびテキストデータの読み上げ機能も備えている。
液晶ディスプレイは4.3インチワイドと大型で、画面解像度も800×480ドットと高精細だ。CPUには3Dグラフィックスのアクセラレーター機能を内蔵したCentrality Titan 600MHzを採用し、HP独自のユーザーインタフェースを導入することで、地図データのなめらかな描画と直感的な操作を実現する。実際、前面部分には電源ボタンしかなく、すべてタッチスクリーンと右側面にあるホイールボタンで操作する形だ。
rx5965と同様、内蔵フラッシュROMは最大2Gバイトと大きめで、パッケージには車載キットが標準で付属する。OSはWindows CE 5.0、通信機能はBluetooth 2.0+EDRのみで、市場想定価格は399ドルだ。
HP iPAQ 312の主なスペック | |
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製品名 | iPAQ 312 Travel Companion |
CPU | Centrality Titan 600MHz |
Memory | 128MB SDRAM/2GB Flash ROM |
液晶ディスプレイ | 4.3インチ(800×480ドット) |
無線LAN | − |
Bluetooth | Bluetooth 2.0+EDR |
内蔵カメラ | − |
メモリカードスロット | SDメモリーカード×1 |
OS | Windows CE 5.0(ユーザーインタフェースはHP独自) |
バッテリー容量 | 1700mAh(リチウムイオン) |
本体サイズ | 110.2(幅)×86.8(奥行き)×18.2(厚さ)ミリ |
重量 | 187グラム |
市場想定価格 | 399ドル |
ピュアPDAは縦位置が基本の2モデルを用意
最後にピュアPDAの2モデルを紹介しよう。
2006年、同社で初めて横画面をデフォルト採用した「iPAQ rx Mobile Media Companion」シリーズが発表されたが、今回は縦位置表示が基本の企業向け「iPAQ hx」シリーズ後継モデルのみが投入された格好だ。
新モデルの「iPAQ 912 Enterprise Handheld」と「iPAQ 112 Classic Handheld」は、OSにWindows Mobile 6 Classicを導入したピュアPDAで、624MHz駆動のMarvell PXA310をはじめ、IEEE802.11g/bの無線LAN機能とBluetooth 2.0+EDRの通信機能を備えている。前者のiPAQ 912は文字通り企業向けの製品で、LEDバックライトのタッチスクリーンがVGA表示対応(480×640ドット)の4インチとなり、9方向のナビゲーションボタンと4つのプログラマブルボタンを実装する。CFカードとSDIO対応SDメモリーカードのデュアルスロットを備えているのも特徴だ。
iPAQ 112は最もシンプルなPDAで、LEDバックライトのタッチスクリーンは240×320ドット表示対応の3.5インチになるほか、メモリカードスロットもSDIO対応SDメモリーカードスロットのみとなる。前面には5方向のナビゲーションボタンと4つのプログラマブルボタンを用意する。
HP iPAQ 212と112の主なスペック | ||
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製品名 | iPAQ 212 Enterprise Handheld | iPAQ 112 Classic Handheld |
CPU | Marvell PXA310(624MHz) | |
Memory | 64MB SDRAM/256MB Flash ROM | |
液晶ディスプレイ | 4インチ(480×640ドット) | 3.5インチ(240×320ドット) |
無線LAN | IEEE802.11g/b | |
Bluetooth | Bluetooth 2.0+EDR | |
内蔵カメラ | − | |
メモリカードスロット | SDIO対応SDメモリーカード、CFカード | SDIO対応SDメモリーカード |
OS | Windows Mobile 6 Classic | |
バッテリー容量 | 2200mAh(リチウムイオン) | 1200mAh(リチウムイオン) |
本体サイズ | 76(幅)×126(奥行き)×16(厚さ)ミリ | 68.9(幅)×116.7(奥行き)×13.6(厚さ)ミリ |
重量 | 192グラム | 114.6グラム |
市場想定価格 | 399ドル | 299ドル |
以上、3回にわたって米Hewlett-Packardのアジア太平洋地区コンシューマー向け製品発表会の模様をお伝えした。特にiPAQシリーズは、日本で唯一継続的に供給されているPDAとして、今後の展開が気になるところだ。その半面、日本のコンシューマー市場に本格復帰してから日が浅いPCはともかく、プリンタやPDAについては、そろそろ、もう一皮むけたアプローチを期待したいのも事実(例えばスマートフォンの供給開始など)。好調な海外市場での勢いを、より一層体感できる2007〜2008年となってほしい。
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