USB“フルセグ”チューナー「MonsterTV HDU」発表会:デル初の地デジ対応
デル製PCのBTOメニューに外付けタイプのポータブル地デジチューナーが加わる。“現時点での限界”というB-CASカードサイズで、重さはわずか80グラム。USBバスパワーで駆動する。
デルは10月11日、PC周辺機器の新製品説明会を開催した。この日発表されたのは、液晶ディスプレイ「SP2208WFP」「E248WFP」と、インクジェット複合機「デル オールインワンプリンタ 948」、そしてポータブル地上デジタルTVチューナー「MonsterTV HDU」の計4製品。同社が周辺機器だけの発表会を行うのは初めてのことだが、今回の目玉である手のひらサイズのUSB地デジチューナーに熱い視線が注がれた(関連記事:「お出かけ地デジ」で山手線を回ってみるテスト)
MonsterTV HDUは、エスケイネット製の外付け地デジチューナーで、「(B-CAS)カードの限界サイズまで縮小」した軽量コンパクトな筐体が特徴。ソニー製チューナーを搭載し、地上デジタル放送の視聴および録画に対応する。さらにオプションのブースター搭載モバイルアンテナを利用することで外出先でも視聴が行える。


MonsterTV HDUのサイズは98(幅)×70(奥行き)×15(高さ)ミリ、重量は80グラム。前面に電源LEDとリモコン受光部を内蔵し、背面にUSBとアンテナ入力、外部アンテナ用電源が並ぶ。稼働中もそれほど熱は帯びていなかった

ソニー製の地デジ専用チューナーを搭載。裏面はB-CASスロットのみになっており、両面実装すれば“技術的には”半分のサイズも実現できるという(写真=左)。リモコンを同梱。データ放送に対応していないため、赤/青/黄色ボタンはない(写真=中央)。「(B-CAS)カードより小さくはできないので……」と語るエスケイネット デジタルプロダクツ 推進室マネージャの田野勉氏(写真=右)録画の保存先には外付けストレージを利用できるが、録画番組のムーブなどは行えず、機器の利用に関してはPCとチューナーが原則的に一対一の関係になる。同製品はデルがエスケイネットから独占供給を受ける形で、「Inspiron」および「XPS」シリーズのBTOオプションとしてバンドル販売を行う。なお、MonsterTV HDUのシステム要件は、CPUがCore 2 Duo E4300/T7100以上、もしくはAthlon64 X2 3800+以上とやや高めだ。対応OSはWindows Vista(32ビット)。


視聴ソフトのユーザインタフェースは、液晶パネルを模した青い表示部分と、アイコンを使った操作ボタンが並ぶシンプルなデザインだ(写真=左)。EPGで一週間の番組情報を確認できる(写真=中央)。動作環境はデュアルコアCPUが必須(写真=右)MonsterTV HDUの概要を説明したデルソフトウェア&周辺機器マーケティング本部ブランドマネージャの正木龍士氏は、地デジ搭載PCの普及率が低い現状(デスクトップで24%、ノートPCでは4%)の要因の1つに価格面でのハードルの高さを挙げ、「いままで地デジPCは特定のモデルだけ、しかもチューナーの有無で平均6万円から7万円も価格差があった。MonsterTV HDUがBTOに加わったことで、ユーザーの欲しいモデルで手軽に地デジをサポートし、安価に提供できる」とメリットをアピールした。


外付け地デジチューナーの戦略的な背景を説明するデルの正木龍士氏(写真=左)。デスクトップPCにおけるデジタルチューナー搭載PCの普及率は24%(写真=中央)、ノートブックPCでは4%(写真=右)となっているが、その要因の1つは価格差にあるというなお、現時点ではPCとチューナーのセットを1つのシステムとして販売するため、MonsterTV HDUの単体販売だけでなく、既存ユーザーに対する追加販売も“行なえない”。また、単体での価格も公開されていない(BTOで追加すると+2万円ほどになる見込み)。オンライン販売の開始は10月16日からだが、ビックカメラ22店舗で地デジパッケージモデルの先行販売が10月13日より行われる。対象モデルは、Inspiron 1720 地デジパッケージ(21万9800円)、Inspiron 1520 地デジパッケージ(17万9800円)XPS M1330 地デジパッケージ(20万4800円)の3機種。
このほか会場には、1920×1200ドット表示に対応した24インチワイド液晶「E248WFP」(6万8800円)や、200万画素Webカメラを内蔵した22インチ液晶「SP2208WFP」(5万9800円)、インクジェット複合機「デル オールインワンプリンタ 948」(1万8800円予定)も展示されていた。


200万画素Webカメラを内蔵したSP2208WFP。液晶上部のカメラの両側にマイクを搭載する。Webカメラ内蔵モデルでは、9月に20インチモデルの「SP2008WFP」を投入しているが、SP2208WFPは色再現性を92%に上げ、新たにHDMIを備えた

E248WFPはエントリーワイドのラインアップに位置付けられるが、色再現性が92%、コントラスト1000:1と、デジタルハイエンド・ワイドのカテゴリに置かれる「2407WFP-HC」(24インチ/1920×1200ドット)と比べても「遜色のないパネルを採用した」(同社)。ただし、視野角は上下/左右ともに160度になる(写真=左)。個人/SOHO向けのデル オールインワンプリンタ948は、デル オールインワンプリンタ946の後継として印刷速度の向上や自動両面印刷の標準搭載に加え、オプションで無線LANアダプタの追加が可能になった(写真=中央/右)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「お出かけ地デジ」で山手線を回ってみるテスト
デルが発表したUSB地デジチューナー「MonsterTV HDU」を検証する。恒例の山手線ベンチマークテストが“フルセグ”版に。
デル、エスケイネット製の地デジチューナー「MonsterTV HDU」の取り扱いを開始
デルは、エスケイネット製のポータブル地上デジタルTVチューナー「MonsterTV HDU」を同社提供周辺機器に追加した。個人向けノート/デスクトップPC向けにバンドル販売される。
デル、6万円台の24インチワイド液晶「E248WFP」など2モデル
デルは、エントリー液晶「Eシリーズ」の新モデルとなる24インチワイド液晶ディスプレイ「E248WFP」など2製品を発表した。
デル、自動両面印刷も可能なインクジェット複合機「オールインワンプリンタ948」
デルは、同社製インクジェット複合機「デル オールインワンプリンタ946」の後継モデル「デル オールインワンプリンタ948」を発売する。
“見ため”も“実力”も最強のモンスターな「XPS M1730」に迫る
デルが鳴り物入りで投入した“最強”ゲーミングノートPC「XPS M1730」。まずは奇抜なデザインをネットリ眺めてみた。
最強のSLI対応ゲーミングノートPCで3GHzを突破――デル「XPS M1730」
Core 2 Extremeのオーバークロックが可能で、GeForce 8700M GTのSLIに対応、そしてBTOにはPhsyX物理演算カードやRAID構成が可能なSSDを用意する。価格も超弩級です。
“Yours is here”をテーマに個人向けブランドを刷新――デル10年の総決算
「Inspiron」シリーズの国内投入から今年で10年。デルは従来の「Dimension」を新生Inspironに統合し、デザインや機能面を強化してコンシューマー層にアピールしていく。
そのモバイルノートは絹のごとき滑らかさ――写真で見る「XPS M1330」
デルの個人向けハイエンドPCブランド「XPS」から、Santa Rosa世代のモバイルノートPC「XPS M1330」が登場。早速、実機を見回してみた。
Santa Rosa×SSD×HDMIのスタイリッシュモバイル――XPS M1330
デルは6月27日、個人向けハイパフォーマンスPC「XPS」シリーズの新モデルとして、13.3インチワイド液晶搭載のモバイルノートPC「XPS M1330」を発表した。
17インチWUXGA液晶×BDドライブのハイスペックノート――Insprion 1720
デルの「Inspiron」シリーズにおいて、ノートPCの最上位モデルとなるのが17インチワイド液晶を搭載したInsprion 1720だ。
デルが放つ次世代スタンダードノートPC――Inspiron 1520
デルの新モデルで、15.4インチワイド液晶ディスプレイを搭載したスタンダードノートPCがInspiron 1520だ。
14.1インチワイド液晶搭載のエントリーモデル――Inspiron 1420
デルが投入した個人向けノートPCのうち、「Inspiron 1420」は最小構成価格で8万1900円という低価格が魅力のシンプルPCだ。もちろん“Santa Rosa”マシンも選択できる。
AMDプラットフォームのスリムタワー──Inspiron 531s
4機種投入されるデルの新生コンシューマー向けデスクトップPCのうち、Inspiron 531sはAMD製CPUとNVIDIA製チップセットを搭載するスリムタワーモデルだ。ベーシック構成価格は5万9850円から。
AMDプラットフォームのミニタワー──Inspiron 531
4機種投入されるデルの新生コンシューマー向けデスクトップPCのうち、Inspiron 531はAMD製CPUとNVIDIA製チップセットを搭載するミニタワーモデルだ。最小構成価格は5万7850円から。
インテルプラットフォームのスリムタワー──Inspiron 530s
4機種投入されるデルの新生コンシューマー向けデスクトップPCのうち、Inspiron 530sはインテル製CPUとチップセットを搭載するスリムタワーモデルだ。最小構成価格は6万4050円から。
インテルプラットフォームのミニタワー──Inspiron 530
4機種投入されるデルの新生コンシューマー向けデスクトップPCのうち、Inspiron 530はインテル製CPUとチップセットを搭載するミニタワーモデルだ。最小構成価格は6万8250円から。
デルが新年度の方針を発表――「Dell 2.0 Japan」
デルが2008年度(2007年2月〜2008年1月)の事業戦略を発表した。グローバル戦略の「Dell 2.0」は、日本でどのような内容に仕上がっているのだろうか。コンシューマー分野を中心に見ていこう。
「“Penryn”なんてメじゃないぜ」──XPS 710 H2C Edition最強伝説
デルのXPS 710 H2C Editonは「学校ではいたって真面目な委員長がライブハウスで炸裂」というイメージがあるのだが、それって私だけでしょうかね。
漆黒の最強PCをブン回す──デル「XPS 710 H2C Edition」
強力なハイブリッドクーラーユニットを搭載したこのマシンは、“あの”デルが公式に「オーバークロック」して出荷する最強のゲームPCである……、米国では。
