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大画面化した白くて薄い“板PC”を試す――NEC「VALUESTAR N VN750/KG」21世紀版Simplemの進化形(2/2 ページ)

NECの人気モデル「VALUESTAR N」に17インチワイド液晶モデルが追加された。この「フリースタイルPC」の使い勝手をチェックしてみた。

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新たに「パワーオフUSB充電機能」をサポート

 インタフェース類は、USB 2.0の端子を左右両側面に1基ずつ、背面に2基とバランスよく配置するほか、左側面にはメモリースティックPRO/SDメモリーカード(SDHC対応)/xDピクチャーカード対応のメモリカードスロット、TypeIIのPCカードスロット、4ピンのIEEE1394端子も装備される。ちなみに、左側面のUSB端子は「パワーオフUSB充電機能」に対応し、本機の電源が切れたままでも接続したiPodを充電することが可能だ。ACアダプタの接続が必須で、初回利用時はユーティリティーの「パワーオフUSB充電の設定」から「パワーオフUSB充電機能を利用する」のチェックボックスをオンにしなければならないが、なかなか便利な機能だ。試しにiPod touchの16Gバイト版を接続したところ、問題なく充電が行えた。

 電源コネクタと1000BASE-T対応の有線LAN端子は、太いケーブルを装着しても操作の邪魔になりにくい背面に配置されている。無線LANスイッチも背面に置かれ、操作するには背後に手を回す必要があるが、本機の場合は無線LAN機能の電源をこまめに操作してバッテリーを節約する必要はなく、スイッチの位置が使い勝手に与える影響は軽微だ。

 背面右上のカバー内には2基のメモリスロットを用意しているが、初期状態ではスロットに空きはなく、増設用メモリは既存のモジュールと交換で装着することになる。また、背面左側にB-CASカードスロット用のスペースを設けるが、これは地デジ内蔵の店頭モデル「VALUESTAR N VN570/KGおよび」NEC Directで販売されるBTO対応モデル、VALUESTAR G タイプNで地上デジタルTVチューナーを選択した場合に備えて用意されたものだ。

背面はフラットな構造だ(写真=左)。右下に2基のUSB 2.0端子とギガビットLAN、無線LANの電源スイッチを配置する(写真=中央)。2基のメモリスロット(200ピンSO-DIMM)は背面から簡単にアクセスできるが、工場出荷状態で空きはない(写真=右)

価格はやや高めだが、完成度の高い1台

Windowsエクスペリエンスインデックス画面

 最後に、PCの基本性能を測るべくベンチマークテストを行った。Windows エクスペリエンスインデックスのサブスコアを見ると、プロセッサが4.6、プライマリハードディスクも4.6と良好な値をマークした一方で、グラフィックス周りの2つのテスト結果は3.0にとどまった。一般的な用途についてはストレスのない操作性を得られ、Windows Aeroもスムーズに利用できるが、3Dゲームを快適に楽しむにはグラフィック性能が不足していることを示す結果と言える。これはPCMark05や3DMark06といったテストプログラムでも同様な傾向が見て取れる。

 なお、冷却用ファンの排気口が上部中央にあるため、システムに高い負荷をかけ続けると騒音が耳に付くこともあったが、負荷が低下すると速やかに回転数が落ちるようになっており、通常の用途ではそこまでファンの回転数が上がることはあまりなかった。

左からPCMark05、3DMark06(1024×768ドット/1440×900ドット)、FFXI Bench 3のテスト結果

 持ち前の省スペース性を損なうことなく、液晶ディスプレイの大型化と高解像度化で使い勝手を大きく向上した点が本機の最大の見どころだ。さらに、シンプルながらスタイリッシュなデザインゆえリビングルームにもプライベートルームにも違和感なく設置でき、インテリアの一環に取り入れることも可能と、高い完成度を備えた1台と言える。

 Microsoft Office Personal 2007を筆頭に豊富なソフトウェアが付属し、ノートPC用のアーキテクチャを採用するため、拡張性が乏しく価格も実売20万円前後と高めだが、その点さえ割り切れるならば満足度の高い買い物になるはずだ。

 NEC Directでは、店頭向けモデルで不可能な地上デジタルTVチューナーとデュアルコアCPUの組み合わせを選べたり、メモリを最大の4Gバイトにすることも選択できる。加えてメーカーサポートが標準で3年(店頭モデルは1年)と長くなるほか、随時開催されているクーポンを使えば、本機をさらに安価(原稿執筆時は17インチワイド液晶の最小構成時で13万893円だった)に手に入れられる。まずは同社のWeb画面で気軽にBTOにチャレンジしてみるといいだろう。

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