その水冷PCは「ほぼ無音」の領域に突入――「VALUESTAR G タイプW」をうならす:水冷PCの帰還(3/3 ページ)
秋の新モデルでNECの水冷PCがついに復活を果たした。その直販モデルである「VALUESTAR G タイプW」の静音性に“耳”がくぎ付けだ。
グラフィックス周りを含め死角のないバランスの取れた基本スペック
最後にベンチマークテストを使って本機の性能を明らかにしていこう。今回も、ベンチマークテストの定番であるPCMark05と3DMark06、Final Fantasy オフィシャルベンチマークテスト3、Windows エクスペリエンス インデックスの結果を検証していく。
評価機が搭載するGeForce 8400M GTは、GeForce 8世代のモバイル向けグラフィックスチップの中では下から2番めという位置付けのモデルながら、3DMark06の総合スコアは1024×768ドット時で2824、1280×1024ドット時で2229、1680×1050ドットのフルスクリーン表示で1874と、液晶一体型デスクトップPCとしては満足できる結果を残した。FF XIベンチの結果も同様で、低解像度モードが6433、高解像度モードが4030と、支障なくゲームを楽しめる値といっていいだろう(とはいえ、画面効果や解像度にはある程度の妥協は必要になる)。
PCMark05の結果を見ると、CPUスコアが4968、HDDスコアが5682の好成績をマークしている。MemoryスコアとGraphicsスコアも決して悪い値ではなく、ゲーム目的も含めさまざまな用途に対応可能な性能を秘めていることが分かる。
Windows エクスペリエンス インデックスでは、プライマリハードディスクとゲーム用グラフィックスのスコアが特に優秀で、逆にプロセッサとメモリのスコアが4点台となっている。だが、すべての項目においてWindows Vistaを快適に利用できる目安の3.0を大きく上回っており、メインマシンとして必要な性能を満たしていることが確認できた。
このように、VALUESTAR G タイプWは、PCの基本性能、エンターテインメント機能、静音性のあらゆる要素で非常にバランスの取れた1台だ。中でも水冷システムならではの静音性は、一度体験すると通常の空冷型PCが非常にやかましく感じられるほどの静かさで、生活空間に設置するのに最適な製品であると感じた。評価機の構成では30万8385円と高価だが、最小構成ならば16万5795円とコストパフォーマンスは悪くない。
地上デジタルTV放送の視聴/再生ソフトウェアのレスポンスが遅い点だけは画竜点睛を欠く印象だが、全体としての完成度は非常に高く、リビングルームに置いて家族全員で使うPCとして、また寝室用のサブTVとして、快適に利用できるのは間違いない。もちろん、BTOでパーツ構成を自在に選べるのも、NEC Directならではの魅力だ。液晶一体型PCの購入を検討しているなら、本機を見逃す手はないだろう。
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