2007年ニュース総括「Windows Vista、使ってますか?」
PC USERのニュース担当が今年の話題を“私的”に振り返る。2007年のPC業界は担当者の目にどう映っていたのか?
個人的には、景気の悪い「偽装」がらみの話が目についた2007年。ギスギスした話題ばかりが口の端に上りがちでしたが、ことPC関連に関して振りかえってみると、案外「上昇志向の気流」の中にいたんじゃないかなあ、と肌で感じています。
で、Vista使ってますか?
「上昇志向っていうけど、Vistaはコケたんじゃないの?」との声もありますが、そのVista需要をにらんで増産したメモリが超低価格で手に入るというメリットが発生しているので、エンドユーザーの私的視点ではWindows Vistaに好意すら感じています。
確かに、自分でWindows Vistaを使うか、といわれたら、やっぱりVistaを使いたいとは思わないのですが。「業界内ライターの端くれとして、それはどうなんだ?」と問われても、いらないものはいらない(IE7もいらない)わけで、自作ユーザーでない人たちは、新OSは新OSでも「Leopard」が搭載されたMacを選択肢に入れたほうがいいのかもしれません。来年頭に開かれるCESの基調講演でゲイツ氏が何を語るのか、注目です。
個人的には、Windows XPで動くDirectX 10をリリースしてくれたら、もうなんの迷いもなくXPを使い続けるのですが……。
自作派の人はお楽しみいっぱいのあたり年
PCパーツでは、前年の勢いをそのまま引き続き、Core 2 DuoとCore 2 Quadが市場を席巻した2007年でした。特に、Core 2 Duo上位の「Core 2 Duo E6850」と、消費電力が低減したG0ステッピング仕様の「Core 2 Quad Q6600」が双璧で、どちらも3万円前後というお手ごろ価格で最新鋭スペックがポンと手に入るのだから、そりゃ人気も出るわけです。そのまま使ってもよし、オーバークロックしてもよし。その余波でCPUクーラーが売れ、水冷ユニットが売れ、良質ケースが売れ……水面下の波及効果も、例年以上に大きかったのではないでしょうか。
グラフィックスカード関連では、大型カード3枚差しの“3-Way SLI”や、待望のミドルハイクラスカードとなるハイコストパフォーマンスモデル「GeForce 8800 GT」のデビューなどが鮮烈でした。特に後者は、オリジナルファン搭載モデルの発表以後に価格競争がプチっと起こって2万円台モデルも目にするようになっており、値段につられてつい1台組んじゃった」という人も多そうです。
一方、インテルやNVIDIA勢がひたすら気炎を上げている中、相対的に影が薄くなりつつあるAMD(ATI)連合軍の続落も、ある意味では今年のトピックなのかもしれません。CrossFireXは実用化で3-Way SLIに先手をとられ、希望を託していたPhenom 9600 Black Editionは振るわず……。心情的には応援したいだけに「来年はがんばってほしいですね」というセリフを毎年言うのもつらいものです。
みなさん「アレ」は手に入れましたか?
一般ユーザーのPC用途として、ひと昔前なら「TVをPCで観る/録る」という需要はかなり高かったわけですが、個人的にその状況は、この2007年で完全にひっくりかえった感があります。1つにはインターネットによって「そもそもTVなんか見なくてもいいんだ」と“改宗”したこと。そしてもう1つには、やっぱり「地デジ」ならではの縛りが大きな理由でしょう。メーカー製PCでも、「いまさらアナログチューナー搭載機を積極的には販売できず、さりとて地デジ搭載機はハイエンドに過ぎる」という完全なジレンマにハマってしまっているように見えます。
そんな中、突然現れて話題をかっさらっていったのが「Friio」。日本独自の“B-CASカード縛り”がなく、録画データはコピーフリーで利用できるという仕様が「怪しげなブツ」として扱われるFriioですが、海外では十分“正統派”なわけで、日本の特殊な事情を改めて突きつけられた気がします。
ちなみに、Friioの告知/販売が開始されたのが11月初頭。総務省が「デジタル放送の無制限コピー機器の規制を検討」という話が出てくるまで、たったの2カ月でした。一視聴者にとっては「そこまで必死に守るべきコンテンツがどれぐらいあるのだろう?」という素朴な疑問を抱いてしまうわけです。地上デジタル完全移行まで実はあと3年半しかありませんが、本当に普及するのでしょうか。
ヤツらはどこへ向かうのか
おバカグッズ関連ニュースでは、あのソリッドアライアンスと“レアモノショップ”のサンコーが提携したというのが“笑撃的”ビッグニュースでした。ニッチでおバカを極めた両巨頭のタッグだけに、今後の動向には注意が必要です。
個人的には、夏のヒット作「USBネクタイ」と、「あったかスリッパ」シリーズの究極進化形「USBあったかスリッパ バッテリー版」がお気に入り。頭寒足熱にして新年の準備に憂いなし、というわけで、来年もよろしくお願いします。
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