HP Pavilionシリーズが「速さ」「美しさ」「タッチ」を軸にラインアップを一新:2008年PC春モデル(2/2 ページ)
日本HPの個人向けPC「HP Pavilion」シリーズに春モデルが登場。新デザインの採用、Blu-ray Disc/HD DVD両対応ドライブの追加がトピックだ。
ZEN-designが選べるようになったHP Pavilion Notebook PC春モデル
一方、ノートPCのトピックは、同社オリジナルの「ZEN-Design」に新しいパターンが追加されたこと、一部のモデルでパターンが選べるようになったことが挙げられる。
同社パーソナルシステムズ事業統括 モバイル&コンシューマビジネス本部 プロダクト マネージャ 菊地友仁氏は「2006年に発表したHP Pavilion Notebook PCのコンセプトを考えるに当たり、デザイン性を盛り込もうということになった。当時流行していたカラーバリエーションは重要なファクターだが、近い将来にデザイン性が求められるときがくる。HPはそれを先取りしているのだ、と周囲に説明してきたが、その考えが間違っていなかった」と述べ、ZEN-designの先見性をアピール。「ZEN-Designは砂紋、雫、雪景と発表してきたが、今回は新たに“hibiki(響き)”“mebae(芽生え)”“ibuki(息吹き)”と3つのデザインを追加し、さらにモデルによっては購入時に雫(shizuku)も選べるようになった」とした。
そのほか、春モデルでは上位2シリーズで45ナノメートルプロセスルールを採用したCore 2 Duo T9300(2.5GHz)や、Blu-ray Disc/HD DVD-ROMの読み出しに対応したDVDスーパーマルチドライブが選択可能になったり、グラフィックス機能が大幅に強化されたりと先進性をアピール。また、タッチパネルを採用した「HP Pavilion Notebook PC tx2005」では、指で直感的に操作できる抵抗膜方式(タッチスクリーン)と、専用ペンを使う電磁誘導方式の両方のセンサを一体化したワコムの「ペナブル・デュアルタッチ」を新たに内蔵することで、タッチ機能を大幅に改良している。加えて、最小構成時ならば9万9960円と10万円を切る価格を実現しているのが光る。
日本発の「表現力」がZEN-designに採用される
最後にZEN-designを支えるパートナーとして、創業80年を迎える日本写真印刷(Nissha)が紹介され、同社経営戦略本部 広報部長 谷口哲也氏が登壇した。
谷口氏は「携帯電話や自動車の内装品、文房具、化粧品など皆さんの身近なところで使われているのがNissha IMD(In-mold Decoration)と呼ばれる技術で、これがHP Imprintとして採用された」と述べた。Nissha IMDは、ボディのプラスチックを成型する際に、デコレーションされた特殊なフィルムを転写する技術。これにより、さまざまなデザインパターンを使えるだけでなく、耐摩耗性のコーティングも一度にできるほか、製造工程を1段階省けるのが特徴だ。
「Nissha IMDは大量生産に向いている技術であり、生産から技術サポートまでトータルに提供できること、グローバルに生産/営業拠点を持っているのもアドバンテージである」とし、「豊かなデザインを実現する精度の高さで、当社は世界的なリーディングカンパニーであると確信している」と自信をのぞかせた。また、「HPが要求する品質をクリアできるのは、日本の京都にある日本写真印刷しかない。その出会いは必然的だった」という日本HP 菊地氏のコメントを受け、「HPさんとの出会いは幸せだった」と応えた。
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