“クラシック”だけど最新鋭のPDA――「HP iPAQ 112 Classic Handheld」:PDAの灯は消えず(2/2 ページ)
日本でスタンドアロンのPDAを安定供給し続ける日本HP。その2008年モデルが「HP iPAQ 112」だ。まずはお手並みを拝見しよう。
同期ソフトウェアに疑問が残るも、その存在感は唯一無比
本機で残念なのは、PC側で同期の対象となるOutlookがバンドルされていないこと。2007年4月1日以降、HPはiPAQに対するOutlookのバンドルを止めている。これは日本に限らず、ワールドワイドでの決定なので、簡単に変更になるとは思えない。EssentialPIM Proなど、サードパーティ製のカレンダーアプリケーションも含め、同期するPIMアプリケーションを検討するところだが、不思議なのはなぜWindows Vistaに標準添付されているWindows カレンダーやWindows アドレス帳と、Windows Mobile機を同期できないのか、ということだ。これらのアプリケーションは特筆するほど強力な機能を持つわけではないが、Windows Mobile機のデータエントリーやバックアップの用途は十分にこなせる。社内における事業部間の壁といった問題もあるのかもしれないが、同じマイクロソフトブランドを名乗る以上、なんとかしてほしいところだ。
スタンドアロンのPDAという市場から、多くのプレーヤーが撤退した結果、本機にライバルはほとんどいない。比較の対象となるのは、高機能な携帯電話と、おそらくアップルのiPod touchだろう。これらの製品になく、本機ならではの強みは、PDAとして長く使われてきたことによる信頼感、そしてなんと言ってもソフトウェア開発環境が公開され幅広く行き渡っている点だ。サードパーティによるアプリケーションの提供、企業内アプリケーションの開発といった点で、Windows Mobile搭載PDAが果たせる役割は多い。間違いなく本機はその代表的な存在だ。
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