アニキより派手な弟分──XPS 630の「赤い性能」を楽しむ:前衛的な前傾PC(2/2 ページ)
前編で「デコトラ」なXPS 630の外観を十分に堪能した。今回はそのパフォーマンスに迫ってみたい。
GeForce 8800 GTXで“本来”の実力をチェックする
XPS 630の発表資料でデルが提示した推奨構成では、CPUにクアッドコアのバリューモデルであるCore 2 Quad Q6600(動作クロック2.4GHz)を選んでいる。XPS 630のコンセプトに合わせて、コストパフォーマンスを重視する場合、ゲームユーザーにとっても、このCPUはベストといえるかもしれない。
少し迷うのがグラフィックスカードだ。1点豪華主義でGeForce 8800 GTXを奮発するか、G92世代のコストパフォーマンスに優れたGeForce 8800 GTでNVIDIA SLIを構成するか。絶対的なパフォーマンスとしてはGeForce 8800 GTのNVIDIA SLI構成が優れているが、ここまでくるとコスト的に厳しい(原稿を執筆した4月初旬でGeForce 8800 GTの1枚構成から2枚構成へのステップアップは3万6750円の追加投資で可能になる)と思ってしまうユーザーはGeForce 8800 GTXの1枚構成で勝負したい(なお、4月初旬の段階で、XPS 630のBTOからGeForce 8800 GTXは選べないようになっている。これは、パーツの調達ができないためで、調達が可能になり次第、BTOでも選べるようになるとデルは説明している。ただし、その時期については明確に決まっていない)。
ということで、デルのリリースでも「推奨構成」とされていた、GeForce 8800 GTXとCore 2 Quad Q6600の組み合わせによるゲームタイトルを使ったベンチマークテストの結果を紹介しておこう。なお、「前のめりのXPSといえば、デル公認のオーバークロック設定でしょう」というユーザーに注意していただきたいのが、XPS 630では「定格動作しかサポートされない」ことだ。
日本のデルとしては、オーバークロック設定をサポートしているのはXPS 720 H2C Editionだけという認識だ。これは、大型の液冷空冷ハイブリッドクーラーユニットを搭載していたからで、通常の空冷だけのXPS 720でも日本のデルは(米国ではラインアップに用意されていた)オーバークロックモデルを投入してない。同じ理由で、XPS 630もオーバークロック設定はサポートの対象外となる。
XPS630(1600×1200ドット、4XAA、8XAniso) | XPS630(1600×1200ドット、8XAA、16XAniso) | XPS630(1920×1200ドット、4XAA、8XAniso) | XPS630(1920×1200ドット、8XAA、16XAniso) | XPS630(2560×1600ドット、4XAA、8XAniso) | XPS630(2560×1600ドット、8XAA、16XAniso) | |
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FEAR | 35 | 71 | 33 | 59 | 20 | 14 |
Enemy Territory Quake Wars | 68.3 | 54.7 | 60.4 | 47.6 | 39.9 | 30.7 |
XPS630(1600×1200ドット、DX9) | XPS630(1600×1200ドット、DX10) | XPS630(1920×1200ドット、DX9) | XPS630(1920×1200ドット、DX10) | XPS630(2560×1600ドット、DX9) | XPS630(2560×1600ドット、DX10) | |
campany of Heros | 58.1 | 32.7 | 56.7 | 27.2 | 51.5 | 19.4 |
Crysis | 23.87 | 12.54 | 20.39 | 10.7 | 11.98 | - |
サイズは小ぶり、価格は控えめ、でもデザインはXPS 720をしのぐ勢い、とゲームユーザーの心をうまい具合にピンポイントで刺激するXPS 630は、XPS 420ではできなかったNVIDIA SLIに対応するなど、拡張性も確保したことで、BTOで買うときも、XPS 630が届いたときも、そして、XPS 630を先々パワーアップするときも、ずっとユーザーを楽しませてくれる、まさに、それ自体が「良質なエンターテイメントを提供してくれるPC」といえるだろう。
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