レビュー
エプソンの“普通紙くっきり”プリンタを検証する:全色顔料インクの効果は?(4/4 ページ)
エプソンの複合機「PX-A740」とA4プリンタ「PX-V780」は、全色顔料インクを採用しているのが特徴だ。普通紙印刷に強い2つのモデルを使い比べてみた。
家庭専用よりも仕事兼用で実力を発揮
PX-A740とPX-V780の長所と短所を簡単にまとめると、長所は普通紙への印刷品質と比較的低価格なことで、PX-V780は高速なモノクロ印刷と2カートリッジによる大容量Bkインクの標準搭載も魅力となる。短所は、全体的な印刷速度の遅さと写真印刷の画質だ。
いずれも日ごろから普通紙をメインで使う環境に適しているが、その長所を最大限に発揮できるのは、やはりビジネス用途だろう。設置スペースやコスト面でカラーレーザープリンタを導入できないオフィス、カラーレーザープリンタの補助、個人デスクサイドへの設置といった利用が考えられる。
印刷速度やプレゼン資料の画質としてはカラーレーザープリンタが有利だが、画質の重要性は業務内容でも異なるだろうし、設置スペースと導入コスト、ランニングコストでは、PX-A740やPX-V780が上回る。
翻ってホームユースを考えてみると、写真印刷の画質と速度を多少なりとも気にするならば、PX-A740とPX-V780は積極的にはおすすめできない。ただし、PX-A740やPX-V780は普通紙専用プリンタと割り切り、写真印刷用としてコンパクトフォトプリンタ(エプソンの「カラリオミー」シリーズ、キヤノンの「SELPHY」シリーズ/「PIXUS mini」シリーズなど)と併用する手もある。普通紙印刷の頻度が導入の決め手となるが、家庭で使うならば、コピーやスキャナの機能も使える複合機のPX-A740が向いているだろう。
関連記事
- セイコーエプソン、「つよインク200X」対応の“カラリオ”複合機新モデル2製品
セイコーエプソンは、インクジェット複合機“マルチフォトカラリオ”新モデル計2製品「PX-FA700」「PX-A640」を発表した。ともに最新の顔料インク「つよインク200X」を採用する。 - 複合機07年モデル徹底攻略:第5回 複合機6モデルのスピードを比較検証する
2007年の複合機特集もいよいよ最終回。ハイエンド/ミドルレンジ計6モデルの印刷速度をじっくり比較し、最後に製品選択の指針をまとめよう。 - 第4回 複合機6モデルの画質を解明する
失敗写真をフォローしてくれる自動補正機能は本当に使えるのか? 今回は合計約150枚もの印刷結果を4人で見比べるなど、画質の違いに迫る。 - 第3回 複合機6モデルの付属ソフトを極める
特集の第3回では、エプソン、キヤノン、日本HPの各複合機に付属するソフトウェア、プリンタ/スキャナドライバの機能と使い勝手を検証する。 - 第2回 複合機6モデルの機能と操作性を比較する
複合機特集の第2回は、エプソン、キヤノン、日本HPの注目モデルについて、本体だけで利用できる機能と操作パネルの使い勝手を比較する。 - 第1回 最新複合機の傾向と注目モデルをチェック
本特集では、エプソン、キヤノン、日本HPの複合機最新モデルを横並びでじっくり検証していく。第1回は2007年のトレンドと注目モデルを解説しよう。 - 新カラリオは「小顔」と「美白」の効果あり――エプソンの複合機/プリンタ発表会
セイコーエプソンは複合機/プリンタの新製品発表会を開催。コンシューマー向けインクジェットプリンタ事業の現状と製品概要、販売戦略を明らかにした。 - エプソンが複合機/プリンタの07年モデルを発表――画像補正と高速化に注力
セイコーエプソンは「カラリオ」シリーズの新製品を発表した。複合機4モデル、A4プリンタ2モデル、A3プリンタ1モデルを10月4日から順次発売する。 - 複合機/プリンタ総力特集2006-2007
各社から複合機/プリンタの最新ラインアップが出そろった。本特集では、エプソン、キヤノン、日本HPの3社が投入した注目モデルをカテゴリ別に徹底検証する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.