“自作で地デジ”に一筋の光?――アイ・オー vs バッファロー徹底比較:フリーオに引導を渡せるか(2/4 ページ)
ついに自作PCでも地上波デジタル放送の視聴・録画が可能になる。アイ・オー・データ機とバッファローから登場した内蔵カード型の2製品を横並びで評価していこう。
PCI Express x1の地デジキャプチャカード「GV-MVP/HS」
一方、アイ・オー・データ機器のGV-MVP/HSは、PCI Express x1接続の地デジキャプチャカードだ。B-CASカード基板と地デジチューナー基板の2階建てだが、ボードサイズは1スロットに収まっている。チップはNXP製デコーダ「SAA7163FE/2」がメインで、特徴はSuper Live Creationエンジン(SLCE)の搭載。MPEG-2デコード処理を最適化し、ハイビジョン映像をなめらかに再現する。
閲覧・録画用ソフトウェアは従来のmAgicTVをベースにした「mAgicTV Digital」が付属する。mAgicTV DigitalはPCast for 地デジとは対照的に、一般的なWindowsアプリケーションと同様のインタフェースを持っており、一度に表示することのできる情報量が多い。また、視聴よりは録画に重点が置かれている印象で、予約録画に便利な機能が充実している。
初回の番組表作成は強制的に一気に行うことができる。作成までに30分ほどかかるものの、「まずは番組表がなければ始まらない」というユーザーにとっては便利な機能だ。「おまかせ録画」はキーワードを指定することで自動的に録画予約を行う。録画した映像はmAgicTV Digitalのライブラリ画面で管理できるようになっている。ライブラリはジャンルや放送局、時間帯、日時など複数の切り口で分類されており、一覧性に優れている。また、各ファイルごとに前回再生していた続きから再生するレジューム再生機能があり、細切れの時間で閲覧する場合には重宝するだろう。
録画ファイルの保存には内蔵/外付けHDDが選択できるが、フォルダは“\mAgicTVD\Record”で固定となる。この下に「年月日時分-放送局-番組名」のフォルダが作成され、そこに同名のファイル(拡張子はXURとDGNO)で保存される。録画データの本体はXURファイルだが、XML形式で動画情報が含まれているDGNOファイルはmAgicTV Digitalに関連付けされており、ダブルクリックで再生可能だ。
予約録画の機能では、録画しながらの視聴ができない、手動録画では視聴は可能だがタイムシフト再生は不可、といったところがやや不満な点だ。全体的に「録りためて後で見る」という使い方にフォーカスされているように感じた。
ちなみに、今回評価した試作機では、TOKYO MXで放映中の「D.C.II.S.S.〜ダカーポIIセカンド」が正常に録画はできてもライブラリには登録されないというバグがあった(ただし、DGNOファイルをダブルクリックすれば再生できる)。製品版での修正を期待したい。
なお、DVDメディアへのムーブでは、XP(Video 9.4Mbps/Audio 192kbps/720×480)、SP(Video 4.8Mbps/Audio 192kbps/720×480)、LP(Video 2.4Mbps/Audio 192kbps/352×480)の3つのモードが選択できる。
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