最近の「MS-IME」は目に余る――よろしい、ならば「ATOK」だ:なぜか変換できない vs. なぜか変換できる(4/4 ページ)
最近、Windows標準のかな漢字変換がおかしいと感じたことはないだろうか。それはおそらく、気のせいではない。某MS社員の中にも「ATOK」への乗り換えを考えている人がいるようだ。
ATOKダイレクトプラグインでさらに便利に
ATOKダイレクトはATOK 2008で追加された機能で、各種プラグインを追加して外部アプリケーションやWebからの情報を直接利用できるようになる。調べ物をしたいときなど、Webブラウザを立ち上げずにすぐにインターネットの情報を検索でき、意識をそらすことなく効率のよい文書作成を支援してくれる。
ATOKダイレクトのプラグインは、ATOK.comの「ATOKバリューアップサービス[ベータ]」からダウンロードすることができる。現在、ATOKダイレクト for LogoVista辞典検索や、ATOKダイレクト for gooなど5種類のプラグインが公開されているが、極めつけは「ATOKダイレクト for はてな」だ。
そのすごさを伝える動画が動画共有サイトにも複数登録されているが、筆者も思わず延々とスクリーンショットを撮り続けたくらいおもしろい。その一端を紹介しよう。
ただし、基本的にインターネット検索であるため、候補が現れるまでの時間はそれなりにかかる。
「買うしかない」から「買ってよかった」へ
ATOKは非常に歴史のある、多機能かつ高性能なIMEだ。かつてジャストシステムは徳島という地方都市であるにも関わらず、日本のワープロ/FEP(IME)のデファクトスタンダードを生み出した。その高い技術と日本語に対するストイックなまでの姿勢には、ブラウザ戦争におけるNetscapeを思い起こさせる。
ただ1つ違うのは、ATOKはしぶとくも生き残ったということだ。そしてかつてワープロの代名詞だった「一太郎」のシェアをWordに奪われてもなお、ATOKは単体製品のIMEとして販売され続けただけでなく、組み込み用として携帯電話などにも採用されてきた。そしてここにきてPC上でも状況は変わりつつある。
IMEにこだわりの少ないユーザーであっても、ATOKのよさはひしひしと感じることができるはずだ。特に、単なる文字ではない、「日本語」に対する細やかな配慮にはワープロ「一太郎」とともに生まれ、育まれてきた歴史と同社の自負が見える。
美しい日本語、話し言葉の日本語、インターネットでの日本語、ありとあらゆる日本語に真面目に取り組んできた同社の成果はめざましい。MS-IMEに失望し、「仕方ない」となかば必要に迫られて乗り換えたATOKだったが、しばらく使うと「乗り換えてよかった」と思うようになっていた。あたりまえの変換があたりまえにできるということ、それこそがほかのIMEには真似できない、ATOKの地力なのだ。
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