フェイスの超小型PC「-est 100」でAtomと過ごす夏休み :Nettopの実力(2/2 ページ)
Eee PCやAspire oneなどNetbookに注目が集まりがちなAtomだが、どっこいデスクトップの小型PCもあなどれない。フェイスのNettop「-est100」を遊び倒した。
性能は超低電圧版Core 2 Duoの半分以下にとどまる
本機のOSは、Windows XP Home EditionとWindows XP Professional(どちらもDSP版のSP2)のほか、プリインストールOSなしも選べる。Windows Vistaは選択肢にないが、評価機ではWindows Vista Ultimate(SP1)がプリインストールされていたので、ベンチマークテストはこの環境で実施した。
まずはWindowsエクスペリエンスインデックスの結果だが、ゲーム用グラフィックスが2.8、CPUが3と、これらが弱いことが分かる。PCMark05 1.2.0のスコアでもその傾向は表れており、Graphicsは極端に悪い。3世代前のIntel GMA950が足を引っ張っている格好だ。CPUスコアも、1キロクラスのノートPCに採用されている超低電圧版Core 2 Duo(1.2GHz)の半分弱である。DirectX 9.0c世代の3DMark06 1.1.0ではShader Model 3.0に非対応であることもあって130というスコア。DirectX 8.1世代のFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3の値では低解像度であってもプレイが苦しいレベルだ。とはいえ、超低電圧版Core 2 Duo搭載ノートPCは高価であり、低価格がウリのAtomと単純に比較するのは酷だろう。また、負荷の軽いWindows XPならば操作感は大きく向上する。
ワットチェッカーでシステム全体の消費電力も測定してみた。こちらに関してはアイドル時24ワット、負荷時でも28ワットときわめて優秀で、「エコ」に関しては文句ない。騒音に関してはチップセットのファンが常に回転しており、ボディの遮音性もあまり高くないため、周りが静かな環境ではファンの風切り音がやや耳につく印象がある。発熱をBIOSのモニタで見るとCPU温度が65度以上とかなり高めだったが、ボディ全体がそれほど高温になる印象はなく、室温25度の環境では、一連のテスト直後でも50度を超える部分はなかった。
Atomの特徴を素直に生かした小型Nettop
ベンチマークテストのスコアは奮わなかったが、性能面に関してはこの程度のものだろう。メールのやりとりやWebブラウズで不満を感じることはなく、Nettopとして割り切って使えば十分実用的だ。DVDスーパーマルチドライブを内蔵していながら小型ボディを実現しており、使い勝手も良好だ。
気になる本機の価格は、OSなし、120GバイトのHDDを搭載した最小構成で4万4020円、HDDを250Gバイトに、OSをWindows XP Home Editionにすると5万8300円だ。USB接続のマウスとキーボードは無料で付属する。際立ったインパクトのある価格ではないものの、一部ノートPC向けのパーツを使っているために構成としては妥当だ。パーツ価格の単純合計に近く、1年間のメーカー保証が受けられることを考えれば十分に安いといえるだろう。欲をいえば騒音対策にひと工夫ほしかったところだが、ユーザー側で対策してみるのもホワイトボックスPCの面白い部分だ。Atomの特徴を素直に生かし、小型でエコ、低価格なNettopに仕上がった魅力的な製品といえそうだ。
なお、ケースサイズは大きくなるが、250ワットのSFX電源を内蔵したケース「ITX-200」がベースの「-est 200」もフェイスのデスクトップPCにラインアップされている。OSレスの最小構成価格は3万7170円で、5インチベイと3.5インチシャドウベイを1基ずつ備えるなど柔軟性は高くなるので、設置スペースが確保できるならこちらも選択肢に加えたい。
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