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これでGeForce 9600 GTと戦える──「Radeon HD 4830」は2万円GPU戦線を突破できるか:イマドキのイタモノ(1/2 ページ)

AMDは、10月22日にRadeon HD 4800シリーズのバリューモデル「Radeon HD 4830」を発表した。搭載グラフィックスカードの実売価格は100〜150ドルになる見込みだ。

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構成トランジスタ数は同じでシェーダユニットは控えめ

 Radeon HD 4830は、Radeon HD 4000シリーズのハイエンドラインアップとなるRadeon HD 4800シリーズの下位クラスのGPUとして登場する。AMD製GPUの戦闘序列としては、Radeon HD 4850の下、Radeon HD 4670の上ということになる。

 AMDが明らかにしているRadeon HD 4830のスペック資料によると、55ナノメートルプロセスルールを採用し、構成トランジスタが9億5600万個と、その数は上位モデルのRadeon HD 4870、ならびに同 4850と同じだが、実装するストリームプロセッサ(統合型シェーダユニット)の数は640個と上位2モデルの800個から減らされている。

 コアクロックは575MHz、メモリクロックは900MHz(DDRデータ転送レートで1.8Gbps)。サポートするグラフィックスメモリはGDDR3で、AMDの資料では最大搭載容量が512Mバイトとある。サポートする機能としてはDirectX 10.1の対応、Shader Model 4.1の対応、4-GPU(4枚のグラフィックスカード)によるCrossFireXの構築など、このあたりは上位モデルのRadeon HD 4870、同4850に匹敵する。

 ビデオプロセッシングも、Radeon HD 4000番台で導入された第二世代のUnified Video Decoder 2(UVD 2)を実装している。H.264、VC-1、MPEG-2のハードウェアデコートアクセラレーションをサポートするため、Blu-ray Discに収録されるHDコンテンツの再生に十分対応できる。出力インタフェースは、HDMIをサポートし、7.1チャネルサラウンド出力にも対応する。

  Radeon HD 4830 Radeon HD 4850 Radeon HD 4670 GeForce 9600 GT
プロセッサ数 640 800 320 64
コアクロック 575MHz 625MHz 750MHz 650MHz
シェーダクロック - - − 1625MHz
グラフィックスメモリ GDDR3 GDDR3 GDDR3/DDR3 GDDR3
メモリバス幅 256ビット 256ビット 128ビット 256ビット
メモリクロック 900MHz 1000MHz 900MHz 900MHz
メモリ容量 512MB 512MB 512MB 512MB
PCI Express Gen2 Gen2 Gen2 Gen2
電源ピン 6ピン 6ピン − 6ピン
ビデオプロセッサ AVIVO HD UVD2 AVIVO HD UVD2 AVIVO HD UVD2 PureVideo HD VP2

 コアクロック、メモリクロックをほかのRadeon HD 4000シリーズと比較すると、コアクロックはRadeon HD 4850、Radeon HD 4670を下回る値で設定されている。ストリームプロセッサは4800シリーズの800個から減らされているが、それでも4670の320個よりははるかに多い。メモリ幅は256ビット確保されており、対応するグラフィックスメモリは4850と同じGDDR3までだ。

 コアクロック、メモリクロックを4600シリーズより下げているのは、消費電力を抑えるためとも考えられるが、グラフィックスカードレベルの最大消費電力は110ワットとRadeon HD 4850と同じだ。AMDが評価用として配布しているリファレンスカードには、Radeon HD 4850のリファレンスでも採用されていたシングルスロット厚のクーラーユニットが搭載され、外部電源として6ピンコネクタが1つ用意されている。

Radeon HD 4830を搭載したAMDのリファレンスカード(写真=左)。どこかで見たことがあると思ったら、Radeon HD 4850を搭載したASUSの「EAH4850/HTDI/512M R2」を並べると、(一部のチップで微妙に配置が異なるが)ほぼ同じレイアウトになっている(写真=右)。搭載しているクーラーユニットも同じものだ

到着したのが掲載直前だったため、評価作業では使っていないが、SAPPHIREの「HD4830 512M GDDR3 PCI-E DUAL DVI-I/TVO」が入手できたので紹介しておこう。カードのサイズはリファレンスが235ミリであるのに対して210ミリと短い。ただし、オリジナルのクーラーユニットは、リファレンスの14ミリに対して33ミリと高く隣接するPCI Expressスロットに干渉する

Radeon HD 4830は戦線の穴を埋める待望の増援

 従来のRadoen HD 4000シリーズは、最上位のRadeon HD 4870 X2から、ハイエンドシリーズのRadeon HD 4870、Radeon HD 4850、そしてミドルレンジシリーズのRadeon HD 4670、Radeon HD 4650、そして先日発表されたバリュークラスのRadeon HD 4550、Radeon HD 4350とラインアップが構成されていたが、ハイエンドシリーズとミドルレンジシリーズの境界となっていたRadeon HD 4850とRadeon HD 4670との間で、実売価格、ならびに実際のパフォーマンスが大きく開いていた。

 この「すき間」にNVIDIAのメインストリームラインアップの主力となっているGeForce 9600 GTが存在していたのだが、これに対抗できるGPUがRadeonラインアップに存在しなかったことになる。すでに掲載したRadeon HD 4670のレビューでも紹介したように、Radeon HD 4670は、GeForce 9600 GTにベンチマークテストの結果で明らかな差をつけられている。しかし、Radeon HD 4850の実売価格は2万円台半ばとやや上のレンジになる。

 この「戦線の穴」を埋めて、GeForce 9600 GTクラスと真っ向から勝負するために登場したのがRadeon HD 4830ということになる。ハイエンドシリーズを示す「4800」番台のモデルだが、実売価格は1万円台後半から2万円前後と、価格帯でNVIDIAのミドルレンジクラスGeForce 9600GTと完全に競合する。

AMDが考えるRadoenとGeForceのラインアップ構成と競合関係。GeForce 9600 GT(資料にある“9800 GT”は“8800 GT”の65ナノプロセスルール版)に対抗できるGPUがようやくAMD陣営に登場したことになる

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