“Kuma”は冬眠はしない──K10世代デュアルコアの「Athlon X2 7000シリーズ」で費用対効果を考える:イマドキのイタモノ(1/2 ページ)
長らく「kuma」の名で知られていたAthlon X2 7000シリーズがようやく登場した。デュアルコアだけどK10最高クロックな1万円以下CPUは、苦しい懐を救済してくれるのか。
K10世代デュアルコアの存在意義とは
Athlon X2 7000シリーズはK10のアーキテクチャを採用したデュアルコアCPUだ。ラインアップは2つあり、上位モデルが動作クロック2.7GHzの「Athlon X2 7750 Black Edition」で、もう1つが動作クロック2.5GHzの「Athlon X2 7550」だ。モデルナンバー表記もPhenom世代に沿ったもので、クアッドコアが9000番台、トリプルコアが8000番台ならデュアルコアは7000番台ということになるため、従来のAthlon X2とはモデルナンバーを単純に比較できない。
製品名 | コアクロック | HTバスクロック | 1次キャッシュ | 2次キャッシュ | 3次キャッシュ | メモリサポート |
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Athlon X2 7750 BlackEdition | 2.7GHz | 3.6GHz | 128KB(64KB+64KB)×2 | 512KB×2(1MB) | 2MB | PC2-8500(DDR2-1066) |
Athlon X2 7550 | 2.5GHz | 3.6GHz | 128KB(64KB+64KB)×2 | 512KB×2(1MB) | 2MB | PC2-8500(DDR2-1066) |
Athlon X2 5200+相当 | 2.7GHz | 2GHz | 128KB(64KB+64KB)×2 | 512KB×2(1MB) | − | PC2-6400(DDR2-800) |
Athlon X2 4800+ | 2.5GHz | 2GHz | 128KB(64KB+64KB)×2 | 512KB×2(1MB) | − | PC2-6400(DDR2-800) |
Phenom X4 9350e | 2.0GHz | 3.6GHz | 128KB(64KB+64KB)×4 | 512KB×4(2MB) | 2MB | PC2-8500(DDR2-1066) |
製品名 | プロセスルール | トランジスタ数 | ダイサイズ | TDP | Max.TEMP | コア電圧 |
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Athlon X2 7750 BlackEdition | 65ナノ | 4億5000万 | 285平方ミリ | 95ワット | 73度 | 1.2〜1.25ボルト |
Athlon X2 7550 | 65ナノ | 4億5000万 | 285平方ミリ | 95ワット | 73度 | 1.2〜1.25ボルト |
Athlon X2 5200+相当 | 65ナノ | 2億2100万 | 126平方ミリ | 65ワット | 55-68度 | 1.325〜1.375ボルト |
Athlon X2 4800+ | 65ナノ | 2億2100万 | 126平方ミリ | 65ワット | 55-72度 | 1.25〜1.35ボルト |
Phenom X4 9350e | 65ナノ | 4億5000万 | 285平方ミリ | 65ワット | 70度 | 1.0〜1.125ボルト |
まずは、スペックからAthlon X2 7000シリーズと従来のAthlon X2を比較してみよう。製造プロセスが65ナノメートルプロセスルールという点は共通だ。さらに1次キャッシュメモリと2次キャッシュメモリの容量も同じ。異なるのは3次キャッシュメモリで、Phenomの流れをくむAthlon X2 7000シリーズは2Mバイトの3次キャッシュメモリを搭載している点が、従来モデルに対するアドバンテージとなる。また、2Mバイトという容量はPhenom X4/同 X3と同じだ。HyperTransportのリンククロックは従来の2GHzから3.6GHzへと上がっている。さらに、CPUに内蔵するメモリコントローラも従来のAthlon X2とは異なりDDR2-1066までサポートする。
次はCPU-ZのCPUタブから確認してみる。先に挙げた相違のほかにも、Athlon X2 7750 Black Editionは命令セットのSSE 4Aに対応していることが従来のAthlon X2と異なる。また、メモリの実動作クロックにも差がある。PC2-6400メモリを組み込んでCPU-ZのMemoryタブを確認してみると、Athlon X2 7750 Black Editionは400MHz動作、Athlon X2 4800+は360MHz動作、2.7GHz駆動させたAthlon X2 5000+ Black Editionでは387MHz動作となっている。
K10のIPCの高さをデュアルコアで実証
今回の評価作業で用いたAthlon X2 7750 Black Editionは、これまでのBlack Editionと同様に倍率変更が可能なので、倍率を変更することで動作クロックを2.5GHzにして、Athlon X2 7550相当の状態でも測定を行っている。また、それ以外にも同クロックのK8世代デュアルコアCPUとして、2.7GHz動作となるように倍率を変更したAthlon X2 5000+ Black Edition(Athlon X2 5200+相当)と2.5GHz駆動のAthlon X2 4800+を用意し、加えて、K10世代のバリュークラスのCPUとしてPhenom X4 9350e(2.0GHz)を用意してみた。
テスト環境 | System1 | System2 | System3 | System4 | System5 |
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CPU | Athlon X2 7750 BE(2.7GHz) | Athlon X2 7550(2.5GHz) | Athlon X2 5200+相当(2.7GHz) | Athlon X2 4800+(2.5GHz) | Phenom X4 9350e(2.0GHz) |
マザーボード | ASUS M3A78-T | ||||
チップセット | AMD 790GX+SB750 | ||||
メモリ | DDR2-800(2Gバイト×2/5-5-5-12) | ||||
グラフィックスカード | Leadtek WinFast PX9600 GT(GeForce 9600 GT) | ||||
グラフィックスドライバ | Forceware 180.34 | ||||
HDD | WD WD3200AAJS-B4A(320GB/7200rpm/8MB) | ||||
OS | Windows Vista Ultimate (SP1) 32ビット英語版 |
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