シマンテック、より“軽く”なった「ノートン360 バージョン3.0」
シマンテックが「ノートン360」の最新版を発表。メモリ使用量の削減やスキャン時間の短縮が図られたほか、Webサイトの安全評価機能などを実装した。
シマンテックは3月6日、オールインワンセキュリティスイート「ノートン360」の最新版を発表した。当日行われた説明会には、米シマンテックのアジアパシフィックおよび日本担当コンシューマーセールスバイスプレジデントのデイビット・フリーア氏と、同コンシューマー事業部門グループプロダクトマネージャーのジェフ・カイル氏が登壇し、デモを交えながら新バージョンの特徴を解説した。
冒頭であいさつを行ったデイビット・フリーア氏は、昨今のセキュリティ事情に言及し、個人情報などを売買するオンライン犯罪のマーケットが70億ドル規模にまで拡大している点や、同社が過去20年で把握した300万件のセキュリティ上の脅威のうち、2008年単年だけで180万件にのぼる点などを指摘。セキュリティ対策は今後ますます重要になるとアピールした。
続いてジェフ・カイル氏が「ノートン360 バージョン3.0」の特徴を説明した。バージョン3.0では、ウイルス/スパイウェア対策、ファイアウォール機能に加え、システムの高速化やバックアップなども含む総合ユーティリティとしての基本コンセプトを従来版から引き継ぎつつ、数々の改良や新機能の実装が施されている。
まずパフォーマンスの改良では、インストール時間を1分未満、アイドル時のメモリ消費量を10Mバイト以下、インストールサイズを110Mバイト以下という目標で開発を行ったといい、実際にインストール時間を56秒、アイドル時のメモリ消費を7.74Mバイトまで抑えたという(公称値:ビルド52での評価)。また、スキャン時間を短縮するために、「ノートン・インターネットセキュリティ 2009」と同じ「ノートンインサイト」も実装された(ノートンインサイトは、ノートンコミュニティのフィードバックや、ふるまい解析技術などの複数の判定指標を組み合わせることにより、スキャン対象を減らすことで高速化を図る機能)。同様に、新しい定義ファイルを5分〜15分に1件ほど提供する「パルスアップデート」や、主要検索エンジンの結果(出力された各Webサイトへのリンク)に対して安全度などの情報を付加してくれる「ノートン・セーフウェブ」も盛り込まれた。


使用頻度の高い機能を前面に押し出したメイン画面。詳細な設定は上部の「タスク」から行える(写真=左)。検索サイトの検索結果に安全性評価が行われる「ノートン・セーフウェブ」。詳細なリポートを見ることもできる(写真=中央)。信頼度の高いファイルをあらかじめ対象から外すことでスキャンにかかる時間を大幅に削減する「ノートンインサイト」(写真=右)システムユーティリティ系の機能も強化された。具体的には、バックアップ機能に分かりやすいチュートリアルが用意されたほか、ファイルの保存先や保存対象、ファイルタイプ、スケジュールなどの複数の条件をあらかじめ設定しておくことで、各設定ごとに柔軟なバックアップが行えるようになった。また、システム高速化機能では、OS立ち上げ時に自動的に起動するアプリケーションを制御する起動マネージャが用意され、システムパフォーマンスへの影響などを測定して、各アプリケーション毎にオン/オフや、起動時間を遅らすなどの設定が行えるようになった。このほか、システムチューンナップの診断や、月次毎のセキュリティリポートの出力も可能になっている。


保存先や保存対象別に複数のセットを用意しておくことで柔軟なバックアップが可能になった(画面=左)。PCと同時に起動するアプリケーションのシステム負荷を判定して、オン/オフ、延期(数分後に起動など)できる「起動マネージャ」を搭載した(画面=中央)。検出したマルウェアやバックアップ履歴など、ノートン360の稼働状況を月次でリポートしてくれるようになった(画面=右)対応OSはWindows XPおよびWindows Vista(32ビット/64ビット)。ダウンロード版が同日3月6日、パッケージ版が3月19日より販売される。パッケージ版の価格はいずれもオープンプライスだ。ノートン360 バージョン3.0のラインアップと価格は以下のとおり。
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