UQ WiMAX 正式サービスの詳細を発表──1 Dayコース、無料無線LANなども提供
UQコミュニケーションズは6月8日、当初の予定通り7月1日から「UQ WiMAX」の有料サービスを開始すると発表した。月額4480円のUQ Flatのほか、「UQ 1 Day」「WiMAX機器追加」「UQ Wi-Fi」などの新サービスも提供する。
UQコミュニケーションズは6月8日、7月1日からモバイルWiMAXの有料サービス「UQ WiMAX」をスタートすると発表した。7月1日には対応機器が多数登場するほか、MVNOによるサービス提供も始まる。ユーザーはキャリアから端末を選ぶのではなく、端末を購入してから、サービス提供事業者を選ぶことになる。
これまで、試験サービスという名目で約8000契約を獲得したUQ WiMAXが、7月1日から有料の正式サービスとなる。サービスエリアは東京・川崎・横浜から千葉・大宮などに広がるほか、名古屋地区や京都・大阪・神戸地区でもサービスを開始。まだカバーできていないエリアも多く存在するものの、徐々にエリアを広げていく。
UQ WiMAXの料金は、月額4480円、初期費用2835円の「UQ Flat」1種類。課金開始日から30日以内の解約には契約解除料2100円が必要になるが、そのほかは利用期間の拘束なし、完全定額でサービスを利用できる。端末は割賦販売などを行う予定はなく、一括払いで購入することになる。
月額固定の定額サービスのほかに、登録料無料で24時間だけUQ WiMAXが利用できる「UQ 1 Day」サービスも用意した。こちらは600円で登録から24時間インターネット接続が利用できるサービス。一度申し込みをすると、最終利用日の翌日から30日以内なら、次回以降はMy UQ IDとパスワードだけで利用できる。UQ WiMAX対応機器や、WiMAX内蔵PCなどを持っていれば手軽に利用可能だ。
UQ WiMAXの利用者は、UQが提供する公衆無線LANサービス「UQ Wi-Fi」が無料で利用できるのも特徴。月額利用料・初期費用不要で利用でき、WiMAXサービスの補完として公衆無線LANサービスが使える。UQ 1 Dayのユーザーでも利用可能だ。サービスは東海道新幹線の車内や駅、都営地下鉄の主要駅、空港などで提供する。
このほか、1つの契約で最大3台までのWiMAX対応機器を低額で利用できるのも、携帯電話サービスとは異なることを強調しているUQ WiMAXならではのサービスと言える。「WiMAX機器追加オプション」として同社が提供するサービスでは、初期費用無料・月額200円(2010年1月31日までは無料)で同一契約に最大2台の機器が追加登録できる。2つの機器を同時に接続することはできないが、1契約あたり最大3台までの登録が可能で、利用シーンに応じてデバイスを使い分けられるようになっている。例えば自宅ではWiMAXルーター、外出先ではPC内蔵のWiMAXを、1つの契約で使うことができる。
またUQでは15日間UQ WiMAXを無料で体験できる「Try WiMAX」サービスを提供する予定。自宅がエリアなのか分からない、あるいは自分がWiMAXを使いたい場所で快適に使えるか分からないので試してみたい、といった要望に応えるべく、データ通信端末「UD01SS」「UD02SS」「UD01NA」「UD02NA」あるいはWiMAX Wi-Fiゲートウェイ「UD01OK/UG01OK」を無料で貸し出す。申し込みはUQコミュニケーションズのWebサイト(http://www.uqwimax.jp)で受け付ける予定。申込時には本人名義のクレジットカードを登録する。
Try WiMAXサービスを利用すると、申し込みの翌営業日には機器を宅配便で発送するという。返却用の配送伝票も同梱するので、ユーザーは使用が終わればそのまま返却できる。一部の量販店では店頭でも受け付ける。
対応端末も順次発売──通信事業者はUQだけでなく、MVNOも選択可能に
7月1日からは、UQが直接エンドユーザーに提供するUQ WiMAXのほか、MVNOとしてサービスを提供するニフティの「@nifty WiMAX」、NECビッグローブの「BIGLOBE高速モバイルWiMAX」、ヤマダ電機の「YAMADA Air Mobile WiMAX」、ビックカメラの「モバイルWiMAXサービス」なども利用可能になる。法人向けにはダイワボウ情報システムの「DIS mobile WiMAX」やKDDIの「WiMAX接続インターネット」などが提供予定だ。
対応端末は、これまでUQから販売されたUD01SS、UD02SS、UD01NA、UD02NAやUD01OK/UG01OKのセットのほかに、アイ・オー・データ機器がUSB接続のデータ通信端末「WMX-U01」が新たに登場予定だ。同社はこのUSB端末を接続できるWi-Fiルーター「WMX-GW02A」も発売する予定。また、NECアクセステクニカがUD01NAの自社ブランドモデル「AtermWM3200U」とUD02NAの自社ブランドモデル「AtermWM3200C」を発売するほか、シンセイコーポレーションがUD01SSと同型の「MW-U2510」と対応Wi-Fiルーター「URoad-5000」の発売を予定している。OKIネットワークスも、UD01OK/UG01OKと同等の「WiWiGW」を発売する。こちらはオプションにバッテリーパックが用意されている。
WiMAX対応端末は、機器購入後に事業者を選択できる(一部のMVNOから販売される専用端末はのぞく)。こうした機器の場合、UQ WiMAXのサービスエリア内で機器をPCに接続し、WiMAX機器に同梱あるいはプリインストールされているコネクションユーティリティ(WiMAX接続用ツール)を利用して「WiMAX統合ポータル」にアクセスし、サービス事業者を選択してオンラインサインアップを行うことでサービスが利用可能になる。
発表会で詳細なサービスを説明したUQコミュニケーションズ代表取締役社長の田中孝司氏は「WiMAXの第1の魅力はスピード。3Gとは次元の違うスピードを提供することで、業界で力を合わせて、新しい世界を実現していきたい」と自信を見せた。
WiMAXモジュール搭載PCも
インテルの協力により、最新PCにもモバイルWiMAX対応モジュールが搭載される。発表会には多くのPCメーカーが祝福に駆けつけ、対応製品を展示した。
ASUSTeK ComputerはCore2 Soloを搭載したモバイルノートPC「U20A」を紹介。NECは「Lui PCリモーターノートタイプ WiMAX対応」や「LaVie Light Luiモデル」を参考出展したほか、「VALUESTAR R マイクロタワータイプ」「VALUESTAR R スリムタワータイプ」を展示した。オンキヨーは重さ960グラムのNetbook「SOTEC C204A5」を、シャープは光センサー液晶パッドを搭載した「PC-NJ70A」を出展。ソニーは「VAIO type Z」のWiMAX対応モデルを展示したほか、「VAIO Type P」にも搭載モデルを用意するとコメントした。
そのほかにも、デルの「Adamo by DELL」、東芝の「dynabook SS/RX2」、日本エイサーの「Aspire Timeline AS3810T」、日本HPの「HP EliteBook 2530p Notebook PC」、パナソニックの「レッツノート F8」、富士通の「FMV-BIBLO LOOX R」(参考出展)、マウスコンピューターの「LuvBook S200S-W」、レノボ・ジャパンの「ThinkPad X200」「ThinkPad X301」など多数のノートPCのWiMAX対応モデルが登場。
PC以外にも、クラリオンがナビゲーションシステム「ClarionMiND NR1U」を、凸版印刷がネットワーク対応のデジタルサイネージ端末を参考出展していた。
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