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Snow Leopardが登場!! Macはどうなる!?座談会 後編(4/4 ページ)

2009年9月で創刊15周年を迎えたPC USER。そのキャンペーン第3弾としてお届けする座談会の後編は、Snow Leopardが登場したばかりのMacについて語りあった。

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初心者にやさしいのはWindows? Macintosh?

元麻布 でもね、最近だと初心者に優しいのはどっちかと聞かれると、MacかWindowsか分かんないと思う。少なくともMacよりWindowsが分かりやすいと思うのは、Windowsは、マウスがなくても全ての操作ができる。一方、Macはキーボードでしかできない操作、マウスでしかできない操作ってのが残っている。何というか、全てが理屈通りに動くという直行性よりも、感覚を重視している。だから、慣れてくるとどんどん使いやすくなる。で、Windowsというのは、基本的に全ての操作がマウスとキーボードのどちらでもできるので入りやすいんだけれど、習熟してもある一定以上はあまり使いやすさは向上しない。

長濱 今のMacintoshって、Windowsのアプリケーションが使えるってところがあって、結構それで使う人が増えてきているように思えるんです。そうすると、アップルの独自性というかその唯一無二の、そういったものはどこに残っていくのでしょう。

元麻布 アップルって、全てのハードウェアを出してないじゃないですか。アップルの中で一番軽いのはMacBook Airでしょ? これより軽いのはない。ソニーのVAIO type Pはアップルには存在しないし。だから、彼らが「これだ!」と思うものは出すだろうけれど、全ての人が「それだ!」と思う訳ではないので、その差分というのは必ず存在して、そこはWindowsのPCなんじゃないかしら。あと、初めて買うときに回りに使ってる人がいないのって怖いでしょ。

長濱 それはありますよね。

元麻布 「誰々さんと同じものにしておけば、いざというときに教えてもらえるし」みたいなことはみんな思うわけで。

1〜4本のマルチ操作が可能なMacBookシリーズのタッチパッド

田中 わたしは自宅でMacBookを使っているんですが、あのワイドなタッチパッドを使ってマルチタッチだけでWebブラウズが完結できるのはいいなぁと思いますね。

元麻布 マルチタッチが偉いのは、キーボードを置き換えるって思っていないこと。要するにタブレットPCとかWindowsのマシンが駄目なのは、あれだけで使わせようとしていて、それで破綻している。MacBookとかのマルチタッチはそんなことを思ってもいなくて、あくまでもトラックパッドの延長としてあるから完成度が高い。

田中 そうですね。確かに先ほどお話があったように、使っていくほど体になじんでいく。

元麻布 そういう感じはMacのほうが高いと思う。でも最初の入り口はどちらがいいかと言うと、それは微妙。昔はMacだったけれど今はWindowsかもしれない。だって、Macを買ってもマニュアルは小冊子が1つ付いているだけで、それで初めての人が全部使ってねと言われても、ちょっとハードルが高いと思う。

長濱 今、PCをやる人たちって、MacにしてもWindowsにしても、マニュアルを見て使うって考えがあるのでしょうか。

元麻布 最初は、初めて買って箱を空けたら何か読みたいと思うのでは?

松尾 なんか、読まないことが前提みたいな感じもするんですが。

元麻布 でも、読まないで使うのも大変だと思うけどな。

磯貝 この間、うちの娘に「パパ、これ邪魔だから捨ててよ」って言われたのが、デスクトップPCの本体だったんです。今年で18歳になりますが、生まれてからずっと見ていたディスプレイのことをPCだと思いこんでいて、PC本体のことは、いつも横にある邪魔な箱としか認識していなかった。ちょっと、がく然としました。

長濱 そういう風に、PCというものをよく分からずに使っている人たちが圧倒的に多かったりするんですよね。それならば、マニュアルを見るのが前提で買う機械ってのは、もう、必要とされてないのかなって気もするんですよ。

松尾 そうですね。ブラウザを使うだけだったら、特に必要ありませんから。

磯貝 でも、意外と携帯電話のマニュアルは見られている気がします。

元麻布 確かに、マニュアルを見ずに携帯電話が使える人は尊敬に値します。

長濱 人に聞く、試しに使うっていうパスが主流なんですかね。

元麻布 そう、人に聞くってのは大きいと思う。でも僕が思うのは、そこでマニュアルを読まなくて済むのだとすれば、それは僕が考えるPCとは、少し違う。僕が思うにPCというものは必ず開発環境がなきゃいけない。だから、僕はiPhoneをPCとは思わない。コンピュータかもしれないけれど。

長濱 自分でプログラミングした結果が出てくるものじゃないといけないってわけなんですね。それが多分、我々のような世代であって、例えば20代、30代は違うかもしれない。で、そういうときに、Macintoshの思想でいけばマニュアルを読まない人たちが、マニュアルを読まずに使いこなせるのがMacintoshではないか、と言っていた気がする。

元麻布 だって、Macは最初から開発環境がなかったんだもん。Lisaがないとプログラムを書けなかった。

松尾 アップルは自社のソフトウェアだけでほぼ完結。特に、面白いものに関しては完結させる方向に行ってますよね。iWorkもそうだし。もともとはiLifeやiTunesもそうだし。自社で優れた総合的な環境を作り出していく。

元麻布 App Storeは?

松尾 App Storeは、結果的には成功しました。でも、完全にコントロールしてますよね。

気になるジョブズの今後は!?

2009年9月の発表会で久々に姿を見せたジョブズCEO

田中 最後に、スティーブ・ジョブズCEOの今後はどうでしょう?

元麻布 僕は年内に辞めると思う。

松尾 本人が常にいる必要があるのかという問題もあります。現在、プロダクトデザインは集団でやっていると思いますが、「No!」といえる人が社内に今いるのかな? ジョブズって「No」を出す人じゃないですか。それでデザインを洗練させていく、アイデアを高めていく人だと思うので。ただ、それをティム・クックCOOはできるのか? という問題があります。

元麻布 鶴の一声を出す人は必要なんだけれど、CEOである必要は全然ないでしょう。だって、CEOという肩書きがなくても、十分な権威を持っているのだから。CEOっていう肩書きでデイリーな仕事に携わっている必然性が全くないので、CEOを辞めるのではないかと。ただ、ファウンダーなり何なり何か肩書きをつけて、アップルの中に残るってことはするでしょうけれど、CEOである必要は全然ないし、そんな健康リスクを犯す必要は全くないと思いますけどね。

 もし彼が完全に辞めちゃうと株価にも影響しちゃうので、何かの形で残っていた方が得策ですよね。何か肩書きをつけるにしても、毎日会社に行かなきゃいけないとか、CEOとしてハンコを押さなきゃいけないみたいなことは、もうよいでしょう。

田中 確かにそういう形以外でも、影響力は行使できますからね。すでにiPhone 3GSの発表などでフィル・シラー氏が登壇して“予行演習”は済んだ状態ともいえますが、やはりパフォーマーとしてはジョブズCEOにかなわないですよね。

 PC USERでは今後もアップルやMacに関する情報を迅速に届けていきたいと考えています。

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