「いま、どこにいるの?」――CeBIT 2011前前日リポート:CeBIT 2011
業界に衝撃を与えた「あの事件」から1カ月。ドイツのハノーバーでCeBIT 2011が始まる。PCメーカーの反撃はあるのか!それ以前に会場にたどり着けるのか?
いつもとは違う意味でも注目したいCeBIT 2011
CeBIT 2011がドイツのハノーバーでもうすぐ始まる。PC業界に大きな衝撃を与えた「Intel 6ショック」から、初めて行われるPC関連の大規模イベントとあって、欧米日台のPCメーカーや周辺機器メーカーやPCパーツベンダーが、第2四半期に向けてどのような反撃を開始するのか、その具体的な戦略と作戦と兵力が明らかになる機会となるだろう。
Intelにとっても、「あの事件」以降で世界から集まるPC関係者の前で公式なコメントを行う最初の機会だ。不具合を改修したB3ステッピングの本格出荷が「3月中旬から4月にかけて」というアナウンスが2月にあったことで、2011年春モデルを販売できずにいるPCメーカーや、「Sandy Bridge」世代のCoreプロセッサー・ファミリーとともに好調だったマザーボードの出荷停止と製品交換対応などでPCパーツベンダーは、いま、とても苦労している。先日発表された「MacBook Pro」がB3ステッピングを実装して大量出荷開始状態にあるという衝撃的な事実を知って、彼らは心中穏やかではないはずだ。そのような彼らに向けて、Intelはどのようなコメントを出すのだろうか。それともまったく言及しないのか。この二択だけでも、PCメーカーやPCパーツベンダーは注目している。
1月の2011 International CESでは、Tegra 2を強く訴求したNVIDIAやARM対応に言及したMicrosoftの基調講演、そして、ARMベースのCPUを搭載してOSにAndroidを採用したタブレットデバイスが数多く公開されるなど、「ARMの存在感」が大きく印象づけられた。その後も、この傾向はいっそう強まった感がある。小型デバイスのCPUとしてAtomが入り込める余地はあるのか。それに対するIntelの考えも興味深い。
また、自作PCユーザーにとってCeBITといえば、6月のCOMPUTEX TAIPEIに向けて開発を進めている「ハイエンドラインアップ」のサンプルボードが初めて公開されるイベントとしても最近では注目されている。Intelのハイエンドチップセットを搭載したマザーボードや、AMDのAPU“Fusion”でメインストリーム向けモデルとなるプラットフォームなどが明らかになるかもしれない。
以上、いつもとは違う意味でも注目される「CeBIT 2011」の情報を、PC USERでは開催期間前から特集ページで連日報告する。
……無事に会場にたどり着けたらね
とても心外なことに、「まずまともに到着できないPC USER海外取材班」と業界関係者にも認識されつつあるようで、最近では、「違う列車に乗って違う国に行ってしまった」とか、「乗った飛行機が成田に戻ってしまう」とか、「乗った飛行機がパリに戻ってしまった」とか、PC USER以外にも波及しつつある。さあああ!今度は何が起きるかな? と、早くも日本海の上空から不安とともにこの記事を書いている。
何ごともなく目的地についていれば、取材活動の拠点となるハンブルクの街並み(今回もまた、会場のハノーバーまで片道約2時間のICE通勤を連日こなすことになった)が掲載されているはずだ。
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