ビジネスプリンタの選び方――“意外にお手ごろ”なカラープリンタ編:オフィス機器購入ガイド(3/3 ページ)
前回は主にSOHOや小・中規模事業者にマッチしたモノクロプリンタをピックアップした。今回はカラーレーザー/LEDプリンタの注目機種をチェックしていこう。
A3カラーレーザー機は10万円以内で購入できるのか?
10万円以下で購入できるA3カラーページプリンタを探してみたところ、3モデルが該当したので順に見ていこう。カラーレーザーでなおかつA3対応、実売価格で10万円以下という点を考慮すると、3モデルのどれも買い得感は高いといえる。ちなみにここで紹介しているA3対応カラーモデルの3製品は、メーカーと一部仕様は違うものの、ベースとなるハードウェアはほぼ同じだ。
・環境配慮と充実スペックのA3カラー機――NEC「Color MultiWriter 9100C」
NECからピックアップしたA3カラーレーザープリンタは「Color MultiWriter 9100C」だ。薄肉ヒートローラーや従来機より低い温度で定着するEA-Ecoトナー、低電力コントローラなどの省電力設計により、TEC値が1.29キロワットアワーと低いのが目立つ。細かいところでは、とうもろこしを原料とした由来成分を多く含んでいるため、環境に優しいとされる、バイオマスプラスチッックを清掃棒パーツに利用していたり、とエコに配慮されている点もポイントだ。
印刷速度はカラー/モノクロともに30枚/分と高速。有線LANは標準で対応しており、オプションで自動両面印刷ユニットや増設用の給紙カセットが用意されている。例えば、オプションの給紙カセット(670枚)を最大3段追加することで、多目的トレイの190枚、標準の給紙トレイの305枚と合わせて最大で2505枚の給紙が可能だ。
・独自の高画質化技術を備えたA3対応モデル――エプソン「Offirio LP-S7100」
10万円以下で購入できる数少ないA3対応モデルの1つが、エプソン「Offirio(オフィリオ)」シリーズの「LP-S7100」だ。Color MultiWriter 9100Cと同様、プリンタ本体を基本として、自動両面印刷の機能を加えたり、増設カセットを追加したり、と豊富なオプションによって機能を強化できる。
標準構成でも基本スペックは高く、カラー/モノクロともに30枚/分という高速印刷が可能だ。文字とグラフィックスの両方に適したスクリーンにより、文字の再現性をアップさせる独自のハードウェア技術「AAM(Advanced Amplitude Modulation)スクリーン」など、写真や画像データ、文字の高画質化処理にはエプソンの独自技術を採用する。
自動両面印刷ユニットまでセットしても、ショップによっては実売価格で10万円を切る。自動両面印刷が必要ない場合は、オプションの給紙カセット(670枚)を3段追加することで、多目的トレイの190枚、標準の給紙トレイの305枚と合わせて、最大2505枚の給紙が可能だ。両方のオプションを合わせると10万円を超えてしまうので、最初は必要なオプションだけを選択し、必要に応じて後で追加するといった方法で導入することも検討したい。
※記事初出時、LP-S7100のオプションについて説明に誤りがありました。おわびして訂正いたします(2011年5月30日13時30分/PC USER編集部)
・低価格のA3カラーレーザー基本モデル――富士ゼロックス「DocuPrint C3350」
ここで紹介している3機種のA3カラーレーザープリンタのうち、ベースとなっているモデルといえるのが、富士ゼロックスの「DocuPrint C3350」だ。パーツの一部にバイオマスプラスチッックを使っていたり、TEC値が1.29キロワットアワーと低い点、カラー/モノクロともに30枚/分の高速印刷といった特徴は共通化されている。
オプションには、給紙トレイ(最大3段で2505枚の給紙が可能)や自動両面印刷ユニット、内蔵HDD、セキュリティ拡張キット、PostScriptソフトウェアキットなどがある。ビジネス用のドキュメントスキャナユニットと組み合わせて、複合機として構成することも可能だ。
エコ関連では、プリント時のエコ度合いにより、リーフ(葉っぱ)を5段階表示する機能も持つ。実売価格が他社に比べて安く、ショップによっては5万円台まで下がっているのは見逃せない。
今回紹介したA3カラー単機能プリンタ | |||
---|---|---|---|
メーカー名 | NEC | エプソン | 富士ゼロックス |
製品名 | Color MultiWriter 9100C | Offirio LP-S7100 | DocuPrint C3350 |
印刷方式 | 半導体レーザー+乾式電子写真方式 | 半導体レーザー+乾式電子写真方式 | 半導体レーザー+乾式電子写真方式 |
印刷解像度 | 9600dpi相当×600dpi | 9600dpi相当×600dpi | 2400dpi相当 |
プリント速度(A4カラー片面、A4モノクロ片面) | 30枚/分、30枚/分 | 30枚/分、30枚/分 | 30枚/分、30枚/分 |
プリント速度(A4カラー両面、A4モノクロ両面) | 21ページ/分、21ページ/分 | 21ページ/分、21ページ/分 | 21ページ/分、21ページ/分 |
自動両面印刷 | オプション | オプション | オプション |
ネットワーク対応 | 標準対応(有線LAN) | 標準対応(有線LAN) | 標準対応(有線LAN) |
給紙枚数(標準) | 495枚 | 495枚 | 495枚 |
最大給紙枚数 | 2505枚 | 2505枚 | 2505枚 |
本体サイズ | 499.5×538×406ミリ | 499.5×538×422ミリ | 499.5×538×406ミリ |
重量 | 約44キロ(消耗品含む) | 約44キロ(消耗品含む) | 約44キロ(消耗品含む) |
消費電力 | 最大:1118ワット、印刷時:カラー平均550ワット、モノクロ平均500ワット、スリープ時:0.9ワット以下 | 最大:1120ワット、印刷時:カラー平均419ワット、モノクロ平均375ワット、待機時:平均54ワット、スリープ時:平均3ワット | 最大:1118ワット、印刷時:カラー平均550ワット、モノクロ平均500ワット、待機時:平均75ワット、スリープ時:0.9ワット以下 |
実売価格 | 9万円台半ば〜12万円前後 | 7万円前後〜10万円前後 | 5万円台前半〜10万円前後 |
ランニングコスト(A4カラー/A4モノクロ) | 約12.4円/2.9円 | 約11.9円/2.8円 | 約12.4円/2.9円 |
今回は単機能のA4/A3対応カラーページプリンタを紹介した。次回は複合機を取り上げる予定だ。
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