ビジネスプリンタの選び方――“安いのに多機能”がうれしい複合機編:オフィス機器購入ガイド(3/3 ページ)
低価格でビジネスにしっかり使えるプリンタ/複合機が欲しい! 今回はコストパフォーマンスが高いレーザー/LED方式の複合機をズラッと14機種まとめて見ていこう。
10万円以下で発売時期が新しいA4カラー複合機は?
A4カラー複合機は、文字通りカラープリントが可能なA4サイズ対応の複合機のこと。カラープリント、カラーコピー、カラースキャンが可能なモデルをいう。カラー対応にコストがかかるため、10万円以下の低予算ではモノクロ複合機ほど選択の幅がなく、「リリースされて数年経っているが現役」といったモデルも含めて選ぶことになるだろう。
そうした中でも数少ない選択候補(記事冒頭の条件に合致する製品)が、OKIデータとブラザーからリリースされているので紹介しておこう。計3モデルしかないが、10万円以下でカラー印刷が可能、かつ複合機である点を考えると、どれも買い得感は高い。
なお、モノクロ複合機で多数の機種を紹介したキヤノンのSatera MFシリーズについては、2009年9月に発売されたA4カラー複合機群が10万円以下で販売中だ。
・5年間無償保証&高耐久は健在――OKIデータ「COREFIDO MC361dn/MC561dn」
ここ数年、ビジネスプリンタ市場で非常に勢いがあるのが、OKIデータのLEDプリンタ「COREFIDO(コアフィード)」シリーズだ。これにはA4カラー複合機も用意されており、もちろんCOREFIDOの特徴である5年間無償保証と高耐久がウリだ。
今回紹介するのは「COREFIDO MC361dn」と「COREFIDO MC561dn」で、現状でCOREFIDOシリーズのA4カラー複合機はこの2機種となる。いずれも標準価格は10万円を大きく超えるが、実売価格で10万円を切っている状況だ。
下位のMC361dnはカラー印刷が22枚/分、モノクロ印刷が24枚/分で、自動両面印刷と有線LANも標準搭載し、MC561dnはカラー印刷を26枚/分、モノクロ印刷を30枚/分に高速化している。スペックを見る限り、カラー単機能プリンタの「COREFIDO C310dn」と「COREFIDO C510dn」をベースにして複合機化したと考えられる。
給紙枚数はカラー単機能プリンタの仕様に準ずる。最大給紙枚数は390枚だが、オプションで給紙枚数580枚の増設トレイが用意されており、計970枚まで用紙をセットすることが可能だ。
消費電力については、待機時で平均100ワットとなるが、パワーセーブモード時で20ワット未満、スリープモード時で1.5ワット未満まで下がる。印刷時の消費電力が高くなりがちなカラー複合機だけに、非使用時の消費電力が低いのは大事だろう。
ボディデザインは、カラーLEDプリンタにADF付きのFAX&スキャナユニットを増設していることが明確に分かるスタイルだが、段差を付けつつ、全体をスクエアにまとめるなど、すっきりしている。
総じて充実した装備のA4カラー複合機に5年間無償保証と高耐久が加わったうえ、実売価格では10万円を切っており、低予算でカラー複合機を手に入れたいと考えている幅広いビジネスシーンにマッチするはずだ。
・コストパフォーマンスに磨きをかけた新機種――ブラザー「JUSTIO MFC-9460CDN」
ブラザーは2007年8月にJUSTIO(ブランド)を立ち上げ、同社初のA4カラーレーザー複合機をリリースした。それから約4年、かつての「モノクロレーザーに強いブラザー」というイメージから、現在では「カラーでも強いブラザー」というイメージへの転換がうまくいきつつあるようだ。
前述のように低価格なA4モノクロ複合機市場では、キヤノンと並び市場のけん引役となっているが、2011年2月に発売したA4カラーレーザー複合機の新モデル「MFC-9460CDN」を見る限り、これからはカラーも含め低価格レーザー/LED複合機の市場でさらに存在感を高めていくのではないかと思わせる。
印刷速度はカラー/モノクロともに24枚/分と十分で、自動両面印刷とADF、FAX、有線LANも標準搭載している。最大給紙枚数は300枚と少々心もとないが、オプションの増設トレイを使うと、最大800枚まで給紙できる。
待機時の消費電力は平均65ワットだが、モノクロ機と同様、ディープスリープモードが用意されており、平均1.4ワットまで下がる。業務時間内は電源を付けたままにしておくことが多い複合機だけに、低消費電力なディープスリープモードはうれしい。
ボディデザインはモノクロA4複合機と異なるカッチリした外観で、カラーはホワイトとブラックのツートーンで落ち着いた雰囲気。発売直後のA4カラー複合機だけあって、さらに磨かれたコストパフォーマンスが目を引く1台だ。
今回紹介したA4カラー複合機 | |||
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メーカー名 | OKIデータ | OKIデータ | ブラザー工業 |
製品名 | COREFIDO MC361dn | COREFIDO MC561dn | JUSTIO MFC-9460CDN |
印刷方式 | 4連LEDヘッド+乾式電子写真方式 | 4連LEDヘッド+乾式電子写真方式 | 半導体レーザー+乾式電子写真方式 |
印刷解像度 | 600×1200dpi | 600×1200dpi | 2400×600dpi |
プリント速度(A4カラー片面、A4モノクロ片面) | 22枚/分、24枚/分 | 26枚/分、30枚/分 | 24枚/分、24枚/分 |
プリント速度(A4カラー両面、A4モノクロ両面) | 12ページ/分、13ページ/分 | 14ページ/分、16ページ/分 | 14ページ/分、14ページ/分 |
コピー速度(A4カラー片面、A4モノクロ片面) | 22枚/分、24枚/分 | 26枚/分、30枚/分 | 24枚/分、24枚/分 |
コピー速度(A4カラー両面、A4モノクロ両面) | − | − | 14ページ/分、14ページ/分 |
自動両面印刷 | 標準対応 | 標準対応 | 標準対応 |
ネットワーク対応 | 標準対応(有線LAN) | 標準対応(有線LAN) | 標準対応(有線LAN) |
FAX | SuperG3対応 | SuperG3対応 | SuperG3対応 |
ADF | 標準搭載(両面) | 標準搭載(両面) | 標準搭載(片面) |
給紙枚数(標準) | 390枚 | 390枚 | 300枚 |
最大給紙枚数 | 970枚 | 970枚 | 800枚 |
スキャナ撮像素子 | CIS | CIS | CIS |
スキャナ光学解像度 | 1200×1200dpip | 1200×1200dpip | 1200×2400dpi |
本体サイズ | 427×509×444ミリ | 427×509×444ミリ | 410×503×492ミリ |
重量 | 約29キロ(消耗品含む) | 約29キロ(消耗品含む) | 約26.5キロ(消耗品含む) |
消費電力 | 最大:1170ワット、動作時:平均570ワット、待機時:平均100ワット、パワーセーブモード時:20ワット未満、スリープ時:平均1.5ワット未満 | 最大:1170ワット、動作時:平均570ワット、待機時:平均100ワット、パワーセーブモード時:20ワット未満、スリープ時:平均1.5ワット未満 | 最大:1000ワット、コピー時平均525ワット、待機時平均65ワット、ディープスリープ時平均1.4ワット |
実売価格 | 7万円台半ば〜9万円前後 | 8万円台前半〜10万円前後 | 7万円台半ば〜9万円台半ば |
ランニングコスト(A4カラー/A4モノクロ) | 約13.5円/2.8円 | 約12円/2.8円 | 約12.8円/2.6円 |
今回はレーザー/LED方式の低価格複合機をチェックした。次回は価格や省電力の面で注目度が高まっているインクジェット方式のビジネス向けプリンタを取り上げる。
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