このレベルアップはすごい……デスクトップ真空管アンプのチューンド限定モデル──Carot One「ERNESTOLO La Serie Limitata」:野村ケンジのぶらんにゅ〜PCオーディオ Review(2/2 ページ)
音楽は“いい音”で聞きたい──。それならば、自作に続くオトナのPC遊び「PCオーディオ」に挑戦してはいかがだろう。今回はキュートな真空管アンプの人気モデルをより高音質化したというチューンド限定モデルをチェックする。
一聴して驚く、ベーシックモデルとの違い 伸びやかで心地よい響き、解像度感が格段に向上
では試聴しよう。
ベーシックモデルのERNESTOLOも真空管ならではの美音と、どんなスピーカーでもしっかり鳴らしてくれる駆動力の高さが魅力だったが、一聴して驚いた。ERNESTOLO La Serie Limitataは格が違う。表現がよりていねいになり、解像度感も格段に向上していた。
こちらは、単に響きが美しいだけでなく、フォーカス感の高さも持ち合わせる、クオリティの高いサウンドに生まれ変わった。特に女性ヴォーカルがいい。声に厚みがあるうえにみずみずしく、リアリティも高いので、歌い手の感情表現がより強く伝わってくる。
ピアノもいい。音色が細やかなうえ、高域の倍音成分もそろいがよくなったので、伸びやかで心地よい響きとなる。どちらかといえばアコースティック楽器が得意だが、打ち込み系も決して苦手ではない。像度感が上がったおかげだろう、幅広いジャンルの音楽も魅力的に聴かせてくれるようになってくれた。
ERNESTOLO La Serie Limitataの実売価格は7万9800円前後となる。ベーシックモデルの発売時実売価格である3万9800円に対してやや高価だが、それに見合った価値を持ち合わせていると思う変化だ。
もちろんベーシックモデルもいいできなのだが、このサウンドクオリティは、もうメインのオーディオシステム用として活用できるレベルに達している。さらに、使いこなしや組み合わせをもうひと工夫して凝る楽しみが増えるのもうれしい。そんな妄想を膨らましたくなる、趣味の幅が広がる製品だ。
音質評価 | ERNESTOLO La Serie Limitata |
---|---|
解像度感 | (粗い−−−○−きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−−○−−ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−−−−○フラット) |
音色傾向 | (迫力重視−−−○−質感重視) |
試聴曲
- Marcus Miller「Jean Pierre/FREE」
- 小曽根真「ドゥムカ(あるべきもなく)/Road to Chopin」
- 上原ひろみ「voice/voice」
- Raul Midon「Moment To Moment/SYNTHESIS」
- santana「Whole Lotta Love/Guitar Heaven: The Greatest Guitar Classics of All Time」
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