定格4GHz動作の爆速ゲーミングPC「MASTERPIECE i1550PA3-OC」:OCモデルを試す(2/2 ページ)
4GHzにオーバークロックしたCore i7-3960X Extreme Editionと、GeForce GTX 680のSLI、さらに2台の512GバイトSSD(RAID 0)を搭載した「MASTERPIECE i1550PA3-OC」は、あらゆる“最高”を目指したゲーミングPCだ。
思わずため息が出てしまう圧倒的な性能
それではいつものように、ベンチマークテストで性能を確かめていこう。今回は比較対象として、同じくゲーミングブランドである「G-Tune」から、以前レビューした「NEXTGEAR i830PA3」を取り上げた。
スペック比較は以下の表のとおりで、i830PA3もSandy Bridge-E世代のCPUとIntel X79 Expressチップセットを組み合わせた基本システムを採用し、GeForce GTX 680の2Way-SLIを搭載する強力なゲーミングPCである。ただし、CPUはi1550PA3-OCのCore i7-3960X(6コア、オーバークロック版)に対して、i830PA3はCore i7-3820(4コア、3.6GHz/最大3.8GHz)と大きく異なり、ストレージや光学ドライブでも差がある。何も考えずに“最強”を追求した前者に対して、ゲーミング適正を高めつつ価格を抑えたのが後者、という位置付けだ。
製品名 | MASTERPIECE i1550PA3-OC | NEXTGEAR i830PA3 |
---|---|---|
CPU | Core i7-3960X(OC) | Core i7-3820(3.6GHz/最大3.8GHz) |
メモリ | 64GB(PC3-12800) | 16GB(PC3-12800) |
HDD | 1TB SSD(512GB×2、RAID 0)+1TB HDD | 1TB HDD |
グラフィックス | GeForce GTX 680 2Way-SLI | GeForce GTX 680 2Way-SLI |
光学ドライブ | Blu-ray Discドライブ | DVDスーパーマルチ |
価格 | 44万9820円 | 20万9790円 |
まずはWindowsエクスペリエンスの結果から見ていこう。サブスコアは、CPUが7.8、メモリが7.9、ゲームがともに7.9、プライマリHDDが7.9と、ほぼ満点に近いスコアとなった。言うまでもなくWindows 7を快適に操作できる性能を備えているのが分かる。CrystalDiskMarkの結果ではシーケンシャルリードで1000Mバイト/秒を超えており、実際にOSやアプリケーションの起動は非常に高速だった。
PCMark Vantageの結果は、高性能なシステムに加えて、RAID 0構成のSSDがスコアに大きく貢献し、総合スコアで24837と、これまで見たことがないほど高いスコアをマークした。HDDを採用するNEXTGEAR i830PA3の、実に2.16倍の結果となっている。PCMark 7も同様の傾向で、総合スコアでは、i830PA3の3472に対して、i1550PA3-OCが5199と、こちらも1.5倍ほど高いスコアを示した。
一方、グラフィックス性能を測る3D系ベンチマークでは、3DMark VantagのHighとXtremeでそれぞれ41032、33952、3DMark 11のPerformanceとXtremeでそれぞれ16215、6117と非常に高いスコアをたたき出した。i1550PA3-OCとi830PA3は、ともにGeFroce GTX 680のSLI構成を採用しているが、ほぼすべてのスコアでi1550PA3-OCが上回っている。もっとも、3D性能で見るとそれほど差があるわけではなく、ほぼ倍の価格差を考えるとi830PA3のコストパフォーマンスが光る結果だ。
ゲーム系ベンチでも、モンスターハンターフロンティア【絆】(2560×1600ドット)で10972、FINAL FANTASY XIVのHIGHで7062、PHANTASY STAR ONLINE 2キャラクタークリエイト体験版の高負荷設定(簡易描画設定5、2560×1600ドット、フルスクリーン)で17721とすべてにおいて上回っているものの、差は大きくない。いずれにしても最新の3Dゲームを高負荷設定で快適に楽しむことができるはずだ。
ここまで見てきたように、MASTERPIECE i1550PA3-OCは、最高峰のパーツと、それを支える冷却システム、拡張性やデザインに優れたケースなど、MASTERPIECE(傑作)の名にふさわしい仕上がりといえる。さすがに“最強”構成だけあって、価格も44万9820円と、誰もが手を出せるわけではないものの、すべてに妥協をしたくないと考えるユーザーにとっては、非常に魅力的なモデルであることは間違いない。さらなるオーバークロックを(自己責任で)目指すベースマシンにするのもいいだろう。
もっとも、その卓越した性能は、ゲーミングPCの範ちゅうを軽く飛び越えてしまっているようにも思える。単にゲームを楽しみたいだけなら、前述のNEXTGEAR i830PA3や、これと同じ基本システムをMASTERPIECEのケースに搭載した「MASTERPIECE i1550GA3」(24万9900円)でも十分すぎるほどなので、そちらを検討してほしい。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
関連記事
- まさにモンスター級!!:“最強”のさらに上をいくゲーミングノートPC「NEXTGEAR-NOTE i970」を駆る
マウスコンピューターのゲーミングブランド「G-Tune」を冠する17.3型フルHDノートPCに、「GeForce GTX 680M」を搭載したモンスターモデルが加わった。これは速いぞッ! - GTX 680 SLIをぶん回せ:ゲームがしたいから「NEXTGEAR i830PA3」を選ぶ? なんという冷静で的確な判断力なんだ!
マウスコンピューターのゲーミングPC「G-Tune」の中で、比較的手の届きやすい価格ながら、GeForce GTX 680のSLI構成で圧倒的な3D性能を実現したのが「NEXTGEAR i830PA3」だ。夏休みはゲームしよう!! - この構成で10万円以下!?:コスパ抜群のゲーミングノートPC――「NEXTGEAR-NOTE i400GA1」で遊ぶ
マウスコンピューターの「NEXTGEAR-NOTE i400GA1」は、最新Core i7とGeForce GT 650Mを搭載し、高速かつ大容量のストレージを備えた15.6型フルHDゲーミングノートPCだ。この構成で10万円を切るッ!! - 入門機に最適:最新Core i7搭載ノートが6万円切り!! マウスコンピューター「LB-F310X」を試す
Ivy Bridge世代のクアッドコアCPUを搭載した15.6型ワイドのオールインワンノートPCがOS込みで5万円台……すごい時代です。 - 3面カーボンファイバー!!:求めたのは圧倒的な軽さ――重さ1キロを切る11.6型Ultrabook「LuvBook X」
マウスコンピューターがUltrabookに参入するという情報をキャッチ。ボディの3面にカーボンファイバーを採用することで、985グラムの重量を実現したという。正式公開前の製品だが、試作機を入手したので紹介しよう。 - マウスコンピューター、11.6型ワイド液晶搭載Ultrabook「LuvBook X」を正式発表――6月15日販売開始
マウスコンピューターは、同社初のUltrabookとなる11.6型ワイド液晶搭載ノートPC「LuvBook X」を発売する。 - Core i7×SSD×WiMAXで8万円台:速い!小さい!どこでもつながる!――Core i7搭載モバイルノート「LuvBook S」
マウスコンピューターのモバイルPC「LuvBook S」にラインアップされる「LB-S210X-WM」は、11.6型ワイドのボディにCore i7を搭載し、8GバイトのメモリとSSD、さらにどこでもつながるWiMAXを搭載した注目の製品だ。これで8万円台は破格! - X79&GTX 680をお手ごろ価格で:高コスパ×鉄板のゲーミングPC「NEXTGEAR i830GA2」を試す
マウスコンピューターの「NEXTGEAR i830GA2」は、SandyBridge-E世代の基本システムに、NVIDIAの最新GPU「GeForce GTX 680」を組み合わせたゲーミングモデルだ。その実力は?
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.