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SIMロックフリーな合体“スーパーフォン”「PadFone 2」──はて、SIMカードはどうやって入手するんですか?そういえばNexus 7のSIMロックフリー版も登場しますね(1/2 ページ)

タブレットにもなる合体デバイス「PadFone 2」はSIMロックフリー端末である。はて、SIMロックフリーとはなんぞや。データ通信に必要なSIMカードはどうやって入手すればいいか、一例を説明する。

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スマホにもタブレットにもなる「PadFone 2」、しかもSIMロックフリー

photo 「PadFone 2」。4.7型サイズのスマートフォン本体(右)とドッキングステーションPadFone 2 Station(左)を合体させると10.1型タブレットに変身する

 合体してタブレットに変身する……だと?──。ASUSTeK Computer(以下、ASUS)の「PadFone 2」は、4.7型サイズのスマートフォンスタイルである本体と、ドッキングステーションというか……10.1型サイズのタブレット機能を持つ「PadFone 2 Station」を組み合わせることで「タブレットに変身」する独特のスマートデバイスである(同社はスーパーフォンと呼んでいる)。

 なにより、SIMロックを施していない(SIMロックフリーの)3Gデータ通信機能も備えるのがとても喜ばしい。NTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクモバイルなど国内通信事業者が販売するスマートフォン(を含む通信機器)は、原則としてその通信事業者のSIMカードしか使用できないよう使用制限がかけられている。これがいわゆるSIMロックという施策だ。

 通信契約と機器購入を結び付けることで、実質の機器代金を安く抑えられたり、低価格な通話・通信料金割引プランにできるなどメリットは多々あるが、使いたい機器を、望む通信事業者で使えない(例えばiPhone 5をドコモのネットワークで使う──など)、機器を自由に切り替えられない、海外で現地通信事業者の低価格なプリペイドSIMカードサービスも使えないなどの不自由さもある。使用する機器が増えてくるとともに、昨今は特に世界共通仕様のスマートフォン、タブレットも数々登場しているだけにそれが強く感じられるようになってきている。

 その不自由さを解消するのが「SIMロックフリー」の機器だ。通信事業者の契約にともなう割引がないので価格帯はやや高めに感じるが、機器の通信規格仕様に合った通信事業者のSIMカードであれば、自分のニーズに合った通信事業者を自由に選べることが大きなメリットだ。

 というわけで今回は、日本でPadFone 2が使えるSIMカードを入手する方法を探りつつ、それを実際に使用するまでを実践してみよう。


photophotophoto PadFone 2 Stationの背面にスマートフォン本体を装着できる

手段.1 国内通信事業者で、「SIMカードだけ」を契約

photo NTTドコモの持ち込み新規契約案内ページ

 PadFone 2は、W-CDMA(3G)規格の2100MHz帯と900MHz帯での通信に対応している(ほかにはW-CDMA 850M/1700M/1900MHz、2GのEDGE・GPRS・GSM 850M/900M/1800M/1900MHz ※イー・アクセスは1700MHz帯を使うが、本機では対応規格が異なるので使用できない)。

 この規格と周波数帯に合致する国内通信事業者はNTTドコモの「FOMA」(プラスエリア非対応)と、ソフトバンクモバイルの「SoftBank 3G」(プラチナバンドエリアにも対応)だ。ひとまずFOMAかSoftBank 3Gを契約したSIMカードがあれば、PadFone 2で使えることになる。

 国内通信事業者の場合は回線契約と機器購入がセットであることが一般的のため、SIMカード単体を購入することは通常ない。ただ、NTTドコモの店舗(ドコモショップ)ではSIMカード単体での契約も可能だ。

 NTTドコモの場合は、街のドコモショップへ「PadFone 2」と新規契約に必要な本人確認書類(運転免許証など)、月額料金の支払いに使うクレジットカードか銀行口座のキャッシュカードを持参して契約する。

 窓口では「PadFone 2で使うため、SIMカード単体で新規契約をしたい」旨を伝えよう。店頭ではPadFone 2の“技術基準適合証明”、いわゆる技適マークの確認が入る。確認といっても、PadFone 2は本体下部にシールで張ってあるのでこれを見せるだけ(機器によっては“設定”項目に画面表示されるものもある)だが、この確認ができないと契約を拒否されるので注意しよう(シールなどは経年劣化ではがれてしまいがちだが、電波を発するのであれば、はがしてはダメである)。


photophoto 料金プランは基本的にFOMAのベーシックプランが選べる

 料金プランはFOMA端末を新規契約と同時購入する場合と同じ音声+データ通信のものを選択でき、データ通信専用の契約とすることも可能だ。ただしPadFone 2で使う場合は機器の同時購入をともなわないので基本使用料を安くするバリュープラン契約は行えず、さらに一般的な音声通話プランのパケット通信(定額サービス)は「外部機器を利用した通信」とみなされるため、上限額が8190円となる点には注意したい。また、インターネット接続にはFOMAパケット通信に対応したISP(例えば「mopera U」 月額525円)の契約も必要となる。

 このパケット料金の上限額はかなり高額であり、昨今は積極的に導入する気にはなれないと思う。それなら「Xi」(LTE)契約にしてみてはいかがだろう。

photophoto 裏技的ではあるが、Xiの料金プランを契約することも可能だ。データ通信契約は条件を満たせば「プラスXi割」の対象にもなる

 PadFone 2はLTE非対応だが、Xiは3G・FOMA通信も行える。タイプXiなどの音声スマートフォン向け契約であれば「Xiカケ・ホーダイ」と呼ぶ音声通話定額サービスも付けられ、月額700円でドコモ携帯電話向けの通話が24時間無料になる。スマートフォンとして場合によって通話も行いたいであろうPadfone 2ではこちらの方も魅力的である。

 このほか、PadFone 2用にはデータ通信専用で使う場合で、パケット定額プランを契約した音声回線(ドコモスマートフォンやドコモのフィーチャーフォン)をすでに所持しているならば、2契約目の利用料を割り引く「プラスXi割」の対象になるのも覚えておいてソンはない。

photo PadFone 2用としてドコモショップで通信契約し、発行してもらった“ドコモminiUIMカード”

 料金プランのほか、SIMカードのサイズも気を付けよう。

 PadFone 2はMicro SIMサイズのSIMカードに対応する。NTTドコモではMicro SIMカードを「ドコモminiUIMカード」として提供しているので、契約時はこれを希望しよう。NTTドコモの2013年現在の現行機種はほぼすべてこのカードサイズなので品切れということもなく、すぐ発行してもらえると思われる。一応、新規契約時の事務手数料として3150円が初回請求時に発生する。


photo ソフトバンクモバイルもSIMロックフリー端末に対するUSIMカード発行を行っているが、現在のところPadFone 2で使えるマイクロUSIMカードは非対応のようだ

 ソフトバンクモバイルも、同様の手続きでSIMロックフリー端末を持ち込んで新規契約できる。しかし、2013年2月現在筆者が店頭で試した限りでは、持ち込みでの新規契約ではMicro SIMサイズのSIMカード(マイクロUSIMカード)単体は発行してもらえなかった。

 一応、マイクロUSIMカード対応のSoftBank 3G(またはSoftBank 4G)対応スマートフォンを契約・購入し、それに付いてくるSIMカードを付け替えて使うという方法はある。ただ、ソフトバンクモバイルは自社端末と一緒に発行されたUSIMカードにおいて、接続に必要なAPN(接続先)情報を公開しておらず、また、機器から通常確認できないように隠されている。PadFone 2の通信仕様では900MHz帯のいわゆるプラチナバンドにも対応するので、ソフトバンクモバイルとの親和性はより高そうなのだが、PadFone 2で単体契約したいと思う人が同社のネットワークで使うのは現在のところ厳しそうだ。

手段.2 国内MVNOサービスでSIMカードを入手する

photo 日本通信が提供するb-mobileサービスは、データ通信専用はもちろん、音声通話か可能なプランもある

 通信事業者との契約は……なんだか面倒そう。確かにそうかもしれない。

 もっと手軽にSIMカードを入手したい、より安く使いたい。それなら「MVNOによる通信サービス」を積極的に活用しよう。

 MVNO(仮想移動通信事業者)とは、通信事業者の回線を借り受けて通信サービスを展開する事業者のこと。日本通信(b-mobile)のほか、NECビッグローブ(BIGLOBE LTE・3G)、ソネットエンタテインメント(So-netモバイル3G)、ニフティ(@nifty do LTE)、インターネットイニシアティブ(IIJmio高速モバイル/D)、ドリーム・トレイン・インターネット(ServersMan SIM 3G 100)など大手ISPがMVNOサービスを展開している。

 3G・LTEサービスにおいては、多くのMVNOがNTTドコモのネットワーク(XiかFOMA)を利用しており、PadFone 2ではFOMAプラスエリアを除くFOMAエリアで使うことができる。サービス内容は各社それぞれだが、現在利用者が増えているものとしては「速度は最大100kbpsほどに制御するが、月額1000円前後で利用可能」とするもの、さらに「SIMカードを複数枚発行してもらえる」ものなど、前述した大手通信事業者にはないサービスが展開されている。

 例えばMVNOサービスの草分けとも言える日本通信では、通信速度を抑える代わりに安価に購入できる「b-mobile3G・4G U300」をはじめとして、音声通話も可能な「スマホ電話SIM」など、バリエーションが豊富なのが特長だ。同社直販サイトのほか、家電量販店や通販サイト、スーパー大手のイオン店舗など購入可能なスポットも多く、ほどよく手軽にSIMカード単体を入手できるであろうサービスである。


photo BIGLOBE LTE・3Gは複数台のスマートフォン、タブレットやモバイルルータを所持する人に向け、1契約で計3枚のSIMカードを発行してくれるサービスがある

 NECビッグローブの「BIGLOBE LTE・3G」は、月額1980円で通信速度の制限なしに使用できる“ライトSプラン”のほか、3枚のSIMカードを1契約で使えるサービスを実施する。3枚のLTE対応SIMカードを活用し、PadFone 2を導入したいという人であれば、このほかにモバイルルータやほかのスマートフォン用にも追加料金なしに使えるようになるのがお得だ。

 一応、前述したとおりPadFone 2はMicro SIMサイズのSIMカードを使用する。原則として通常サイズのSIMカードでは使用できないので、希望するMVNOサービスがMicro SIMサイズのSIMカードを提供しているか確認したうえで購入・契約してほしい(例えば2013年2月現在、日本通信がイオン店頭限定で受け付けている「b-mobile SIMの音声通話対応プラン」は、Micro SIMサイズのSIMカードは発行していない)。


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