筆圧1024段階で5万円台のWindows 8タブレット――「Latitude 10」は漫画家を満足させられるか?:知られざる“お絵描き”性能に迫る(2/3 ページ)
1024段階の筆圧レベルに対応し、画面に直接お絵描きできる“液晶ペンタブレット”的なWindows 8タブレット――それがデルの「Latitude 10」だ。10.1型のピュアタブレットは果たしてイラスト制作に耐える能力を持っているのか? 新米漫画家が試す。
どこにでも持ち運べる“お絵描きノート”
Latitude 10はビジネス向けのWindows 8タブレットとして登場し、2013年1月から個人向け販売が始まった。プロセッサはインテルのタブレット向けSoC(System On a Chip)であるAtom Z2760(1.8GHz)を搭載し、メモリはLPDDR2で容量は2Gバイトとなっている。
このような構成なので、ハードウェアの処理能力に過度な期待をするのは禁物だ。水彩ブラシなど負荷のかかりやすいツールでブラシサイズを大きくすると、ペンに対する追従性が悪くなる。ブラシサイズが100を超えると、表示がカクカクになって素早い描写は難しい。一方で線画はサクサクと書き進められ、不満は感じなかった。色塗りをイチからやるには“イライラに耐える”覚悟がいるが、デッサンや下書き、ペン入れといった用途であれば十分に使えるというのが、筆者の感想だ。
ディスプレイは10.1型ワイド液晶で、解像度は1366×768ドット。絵描き的には、視野角が広く色度変移が少ないIPS液晶を採用している点がありがたい。画面サイズに関しては、「もう少し大きいとさらに使いやすくなるな」という感じ。10.1型だと1366×768ドットの解像度でも表示が細かすぎて、操作パネル上にある小さなボタンなどで誤操作が起きやすいのだ。
一方で、10.1型ボディの可搬性は圧倒的といえる。iPad程度の大きさなので、大抵のバッグにポイッと放り込めるし、かさばらない。持ち運べるお絵描きノートとして考えれば非常に魅力的だ。おまけに、消費電力が低いAtomを採用したことでバッテリーが長持ちするのも頼もしい。バッテリーは着脱可能で、9時間以上動作する(詳しくはレビュー記事を参照)。
こうした高いモバイル性能を持っているだけに、ボディにペンの収納機構がないのが惜しい(あくまでペンはオプションなので仕方ないところもあるが)。バッグにタブレットを入れた後、「あ、ペンはどこにしまおう」となってしまうのだ。試す時間がなかったが、大きな手帳向けのペン収納付きバンドなどを活用すると、持ち運びに便利かもしれない。
外部インタフェースが充実している点にも触れておきたい。microSDではなく標準のSDカードスロットを備えているので、デジカメで撮影した資料をササッと取り込んでイラストに生かす、なんてことが出先でも手軽にできる(その気になれば、本体搭載のカメラで資料を撮ることも可能だ)。標準サイズのUSB 2.0ポートも備えており、USBメモリを使ってイラストデータのやり取りも容易に行える。
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