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Haswell搭載NUC見参!! USB 3.0とGbEで「可能性」が大幅アップ!新旧比較(1/2 ページ)

インテルが超小型PC「NUC」を発売して約1年、そのNUCに待望のHaswell搭載モデルが追加された。IvyBridgeを搭載した前製品と、Haswellを搭載する今回の製品、パフォーマンスの違いを見てみよう。

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ココが「○」
・第4世代Coreシリーズを採用し、CPU性能とGPU性能をアップ
・インタフェースを強化。USB 3.0を搭載
ココが「×」
・DisplayPortがThunderbolt非対応

ちっちゃくても十分な性能。見た目は旧モデルと変わらなくても中身は別物

第4世代Coreを採用した最新NUCベアボーンキット「D54250WYK」

 NUCは、マザーボードのサイズで言うと101.6(幅)×101.6(奥行き)ミリというMini-ITXよりもさらにひと回り小さいフォームファクターで、マザーボード版とベアボーンキット版が用意されている。その小ささゆえに、机上で置き場所を選ばず、あるいは液晶ディスプレイ裏のVESAマウンタに搭載してオールインワンPCのようにも使える新しいスタイルを提案している。

 さて、待望のHaswell版NUCのベアボーンには「D54250WYK」と「D34010WYK」の2製品が用意されている。前者はCore i5-4250U(1.3GHz/最大2.6GHz/2コア、4スレッド/Intel HD 5000)を、後者はCore i3-4010U(1.7GHz/TurboBoost非対応/2コア、4スレッド/Intel HD 4400)を搭載している。今回試すのは前者、Core i5-4250Uを搭載するD54250WYKだ。

 従来モデルでは、箱を開くとジングルが鳴り響いたわけだが、今回はどうやら違う。ジングルが鳴るのは箱の中に収められたNUCサイズの紙箱で、その中にはIntel製品を紹介するカードが入っていた。まあ、それは置いておき、肝心のNUCベアボーン本体を見ていこう。

 Haswell版NUCのベアボーンキットとしての接地面積は、従来モデルと変わらず116.6(幅)×112(奥行き)ミリだ。しかし新モデルの高さは34.5ミリとなり、39ミリだった従来モデルより若干背が低くなった。ただ、意識するほど薄くなったわけではないし、そもそも十分にコンパクトだ。

接地面積は116.6(幅)×112(奥行き)ミリで従来のNUC同様(写真=左)。内部へのアクセスは底面四隅のネジ4つだけ(写真=右)

 インタフェースは、前面にUSB 3.0×2と音声入出力、背面はUSB 3.0×2、ギガビットLAN、Mini HDMI、DisplayPortと電源ジャックとなっている。従来モデルと比較して、USB 3.0対応とそのポート数が増えたのが大きなポイントだ。

 従来モデルは転送速度が480MbpsのUSB 2.0で3ポートだったが、5GbpsのUSB 3.0×4ポートに増えたことで内部ストレージをUSB 3.0外付けHDDなどで補うことができ、快適度は高まった。また、有線LANが搭載されたことで、無線LANに縛られたり、あるいはUSB→LAN変換アダプタを用意する必要もなくなった。

 ただし、ディスプレイ出力端子のMini HDMIはあまり普及している規格とは言えず、Mini HDMI→HDMI変換アダプタはやや入手性が悪い。むしろMini DisplayPort→HDMI変換アダプタのほうが入手性がよいのではないだろうか。

本体前面にはUSB 3.0×2と(写真=左)。背面には右からUSB 3.0×2、LAN、Mini HDMI、DisplayPort、電源ジャックで、その上に排気口を備える(写真=右)。このほか左側面にセキュリティロックスロットがある

 内部にも変更点を見つけた。目立つところではSATAポートとSATA電源コネクタがある点だ。D54250WYKをそのまま組む場合には活用しようがないが、フタ部分のネジ穴を流用し、内部スペースを拡大するようなアクセサリが登場すれば、あるいは2.5インチSATAドライブが搭載できるようになるのかもしれない。

ストレージ用mSATA/Mini PCIeカードスロットに、無線LAN用のハーフサイズMini PCIeカードスロット、DDR3 SODIMMスロット×2は従来同様。しかしSATA/SATA電源コネクタが追加され、従来のベアボーンキットでは省略されていたUSBピンヘッダも実装されている

 ピンヘッダでも、従来のベアボーンキット版では省略されていたUSBピンヘッダが実装されていた。ただ、密度の高いピンヘッダであるため、通常のマザーボード用USBピンヘッダ→USB端子変換ケーブルは利用できそうにない。専用品の登場を待つしかなさそうだ。そのほかの部分は従来モデルと同様で、DDR3 SODIMMスロットが2基、ハーフサイズのMini PCIeカードスロットとその上に通常サイズのMini PCIe/mSATA共用スロットが用意されている。

 今回の評価機は、無線LAN Mini PCIeカードの「Intel Dual Band Wireless-AC 7260+Bluetooth」と、mSATA SSDの「Intel Solid-State Drive 530」(SSDMCEAW180A4)を搭載してテストしていく。前者はIEEE802.11acに対応する最新の無線LANカードだ。ただし、アンテナ端子は2×2で、最大867Mbpsとなる。Bluetooth側はVer. 4.0に対応している。一方、後者のSSDは最新シリーズの180Gバイトモデルで、シーケンシャルリードは540Mバイト/秒、同ライトは480Mバイト/秒が公称値だ。このほか、メモリはCrucialのDDR3L-1600 4Gバイト×2枚キットを使用した。こちらは駆動電圧が1.35ボルトと、通常のDDR3メモリの1.5ボルトよりもやや低いのがポイント。なお、これらはキットには付属しないのでユーザー自身で入手する必要がある。

  このほかのNUCベアボーンキットとしての付属品は、VESAマウントプレートと、ACアダプタのアダプタ部分といった具合で従来同様だ。ACアダプタは今回も3極の「三つ葉」タイプだ。

評価キットに付属した無線LANカードとmSATA SSD、DDR3L-SODIMM×2枚。逆に言えば、このあたりのパーツをそろえるだけでハードとしてのNUCベアボーンは完成する(写真=左)。65ワットACアダプタ(写真=右)

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