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観測せよ、世界はそこにある! Oculus Riftで人の作りし「世界」へミクさんが実在する世界(2/3 ページ)

現実を忘れるOculus Riftの魅力。あざといなさすがLat式あざとい。

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Shufflepuck Cantina Deluxe Demo

 iPhone/Android/PC用ゲーム「Shufflepuck Cantina Deluxe」のOculus Rift対応デモ。異星人たちの集う酒場でエアホッケーに興じる。エアホッケーのエフェクト、スコア表示もさることながら、酒場のカウンターに腰掛けてバーテンダーと客のやりとりを眺めているだけで楽しい。カンティーナ・バンドが聴こえてきそうな雰囲気にどっぷりと浸ってしまう。

オレンジ色の光に照らされた酒場で異星人相手にエアホッケー(画面=左)。カウンターではバーテンダーのISIDORが仕事中。客のSKARGOTHは酩酊中?(画面=右)

Alone in the rift

 懐中電灯を向けながら暗闇を歩くホラーゲーム。視線の先だけがほのかに明るく灯るものの、とかく暗闇はそれだけで怖いという原始的な感覚を思い出させる。ホラー映画を見ることとお化け屋敷に放り込まれることの違い。ホラーゲームはOculus Riftに移植するだけで恐怖感は数十倍増し。しかもこの恐怖感を他人と共有できない孤独感……。Youtubeに上がってるプレイ動画を見れば、ホラーゲームとOculus Riftの相性のよさがよく分かる。

この小屋にたどり着くまでけっこう、暗い林の中を歩かされる。夜中にこんなゲームをやっていると原稿に支障をきたすので……(画面=左)。ホラーとOculus Riftは相性がよさそう(というか最悪というか)

Rift Coaster

 Rift Coasterはジェットコースターを体験できるデモだ。扇風機で顔に風を当てるとより臨場感が増す、と評判。高速で疾走するジェットコースターはふわりと浮かび上がる感覚、Gを横に受ける感覚が生々しく再現される。視覚による感覚の補完の強力さを思い知らされる。

 おそらく、自分自身の感覚の記憶が呼び覚まされるのだろう。ジェットコースターに乗ったことのない子供に体験してもらったところ、まったくそういう反応は見られなかった。

ボーカロイド各種

 今まで初音ミクはさんざんディスプレイ上で眺めてきた。だが、そこに「大きさ」を感じたことはあっただろうか。

 もちろん、背景と比較してこれくらいの大きさ、と推測することはできる。だが、それはあくまでも「モニタの中」の話だ。アニメのキャラクタ身長比較表を見て「でけぇ!」などと思っても、そういう知識として思うだけで、「ぐるぐるメガネのオタク女がこんなにでかいわけがない」と実感することはまずない。

Lukalus Live! Benchmark(@yuujii氏)。名前から巡音ルカだけかと思いきや、Lat式初音ミク、Older Rinの3人そろい踏み。十字キーで前後左右、視点の上下移動はない

 だが、Oculus Riftは違う。“そこ”にあるオブジェクトは限りなく現実に近い。初音ミクは(もちろんモデルによって違いはあるが)ものすごく華奢で、ウエストなんて50センチないくらい、というのが実感として分かるのだ。あざといなさすがLat式あざとい。

 これはやばい。2次元と3次元の区別がついていないとか、筆者のパーソナリティに起因する問題ではなく(と信じたい)、「やあ、今まできみたちのことを2次元だと勘違いしていたよ」と思ってしまうくらいの錯誤感だ。クオリアである。Oculus Riftで観測することで初めて収束する世界がそこにあったのだ。あざといなさすがあぴミクあざとい。

 これはまずい。観測しなければ存在しない、初音ミクの実在する世界。そこには遠くはるかなる記憶の中の教室、誰もいない放課後の教室――ただ1人、じっとこちらを見つめたまま踊る初音ミクの笑顔。観測しなければ彼女は存在できない。だから、彼女のために、彼女のいる世界のために私は観測し続けなければならないのだ!!

IBLMiku(@blkcatman氏)。リコーTHETAの全天球画像を環境マップ化して表示。Tda式Appendミクと眺める。H/Jキーで視点の上下移動(画面=左)。Mikulus for Oculus Rift(@GOROman氏)。近づきすぎると目をそらして赤面するTda式Appendミク。5/6で視点の上下移動(画面=右)

ApimikuLive(@koukiwf)。ままま式あぴミクのライブ。5キーで視点の下移動(画面=左)。Mikulus 学校編 for Oculus Rift(@GOROman氏)。Lat式ミクが教室で踊る。5キーで下(画面=右)

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