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AMDのゲーミングSSD「Radeon R7 SSD」の実力を試すAMDファン限定グッズにあらず(2/2 ページ)

AMDからSSDが登場した。CPUとGPU以外のパーツとしては、“Radeon Memory”に続く流れだ。早速、AMD「Radeon Series Gaming SSD」を試してみよう。

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500Mバイト/秒クラスの性能に加えてライト速度がかなり速い

 AMD Radeon R7 SSDの性能評価で用いた計測環境は、Intel SSD Pro 2500やSanDisk Extreme PROとそろえている。CPUはCore i7-4790K、マザーボードがIntel Z97 ExpressチップセットのMSI Z97M GAMNING、システムSSDがOCZ Vector 150(120GBモデル)、OSが64ビット版 Windows 8.1 Updateだ。

検証用システムの構成
CPU Core i7-4790K
マザーボード MSI Z97M GAMING
メモリ CFD Elixer W3U1600HQ-8G(PC3-12800 DDR3 SDRAM 8Gバイト×2)
システムSSD OCZ Vector 150 VTR150-25SAT3-120G(120Gバイト、Serial ATA 6Gbps)
OS 64ビット版 Windows 8.1 Update

CrystalDiskMark v3.0.3b

 CrystalDiskMark v3.0.3bのスコアは、比較的キレイなラインとなっている。ランダムデータと0Fillでの転送速度差もない。シーケンシャルリードは最大475.817Mバイト/秒、同ライトは488.033Mバイト/秒となった。

 個別のスコアを詳しく見ていくと、シーケンシャルリード、および、512Kリードはテストサイズによって性能がわずかに上下し、シーケンシャルリードでは最大475.817Mバイト/秒、最小437.868Mバイト/秒、512Kリードでは最大386.456Mバイト/秒、最小349.859Mバイト/秒だった。

 テストサイズが小さいと高速になる傾向がある。キャッシュサイズを明らかにしていないため推測するしかないが、512Mバイト程度に抑えているのではないかと思われる。なお、OCZ VectorではSSDの容量が256Gバイトモデルでキャッシュ容量が512Mバイト、512Gバイトモデルで1Gバイトだった(Vector 150は非公開)。

 ポイントとなるのは、ランダム4Kの速度が150Mバイト/秒程度であることだ。ほかのSSDと比べても速い。また、4K QD=32のライトも370Mバイト/秒と高速だ。ライト速度が比較的高速なSSDというのがRadeon R7 SSDの特徴の1つに挙げられるだろう。IOPS値は4K QD=32リード時で94213.1IOPS、4K QD=32ライト時で90796.3IOPSが最大だった。公称ではリードが100K、ライトが90Kなので、およそ公称値通りの値が出たといってよい。

RADEON-R7-240G(写真=左)とVector 150 240Gバイトモデル(写真=右)のスコア。リードに関してはシステムSSDとして使用中であってもVector 150が速かったが、ライトに関してはRADEON-R7-240Gが上回った

CrystalDiskMark v3.0.3b Overall(写真=左)と、CrystalDiskMark v3.0.3b IOPS(写真=右)

AS SSD Benchmark 1.7.4739.38088

 AS SSD Benchmark 1.7.4739.38088のスコアは、シーケンシャルリードが492.17Mバイト/秒、同ライトが482.05Mバイト/秒だった。この値も公称値には及ばないが、AS SSD Benchmarkでの数値的には高速な部類だ。とくに、SanDisk Extreme PROと比べ、リード性能はわずかに劣る一方、ライト性能は大幅に高速だ。

 アクセスタイムがより速い点も特徴と言える。リード・ライトともに0.035秒以下のスコアが出た。ほか、Compression Benchmarkでは、もちろん大きなバラつきがなかったことに加え、何度計測してもほぼ一定の、ほとんどスパイクのないグラフが描かれた。


AS SSD Benchmarkのスコア。シーケンシャルリードで500Mバイト/秒に迫る転送速度と、4K-54Thrdで300Mバイト/秒以上の転送速度、そして0.032/0.033というアクセスタイムがポイント。また、Compression Benchmarkのブレが少なく安定している

ATTO Disk Benchmark

 ATTO Disk Benchmarkでは、Total Lengthを1Mバイトから2Gバイトまで可変させてみたが、リードに関してはバラつきがあり、ワーストケースでは100Mバイト/秒近い変動があった一方、ライトは比較的安定していた。最大転送速度は、リードがTotal Length 1Gバイト条件の512Kブロック時で558.948Mバイト/秒、ライトがTotal Length 2Gバイト条件の1Mバイト時で535.532Mバイト/秒だ。

リード・ライトで最高速度を記録したTotal Length 1Gバイト条件(写真=左)と、2Gバイト条件のスコア

ATTO Disk Benchmarkの標準となるTotal Length 256Mバイト時でテストしたRADEON-R7-240G(写真=左)とVector 150 240Gバイトモデル(写真=右)のスコア

AMD RadeonブランドというよりハイエンドSSDとして注目できる

 ベンチマークテストのスコアで見る限り、Radeon R7 SSDはハイエンドSSDといえる性能を示している。とりわけライト速度が速いというのは評価が高い。リード性能のみ速くてもライト性能が悪ければ、実利用における体感速度は違ってくる。最高速SSDとはいえないまでも、体感上ではかなりバランスのいい仕上がりになっている。

 AMDによると、日本での取り扱いについては現在調整中とのことだ。検討中ではなく調整中ということなので、国内流通が前提と考えたい。価格に関しては、米国での参考価格だが、120Gバイトモデルで99.99ドル、240Gバイトモデルで163.99ドル、480Gバイトモデルで298.99ドルという。

 価格はハイエンド向けで、国内では240Gバイトモデルで2万円を超えるものと思われる。現在のVertex 460の240Gバイトモデルが1万9000円前後、Vector 150の240Gバイトモデルが2万2000円前後なので、この価格帯になるのではないだろうか。

 AMDファンなら、AMDのCPUにRadeonのGPU、Radeonのメモリ、そしてRadeonのSSDと、とことんAMD色に染まってみるのもいい。ただ、Radeon R7 SSDは、そういうAMDファン限定ではなく、ハイエンドSSDを求めるユーザーにも購入候補として検討したい製品といえるだろう。

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