「PIXUS」と「MAXIFY」――“2つのインクジェット”でシェア1位を狙うキヤノン:モバイル、クラウド、女性向けで市場活性化(2/3 ページ)
成熟市場と言われるプリンタだが、キヤノンは家庭向けでモバイル/クラウド連携および女性ユーザー層の新規獲得、ビジネス向けで新ブランド立ち上げによる拡販を図る。
「PIXUS」はモバイル/クラウド連携を強化、女性向けモデルも
今回発表されたPIXUSの新モデルは当然ながら、スマートデバイス/クラウドサービスとの親和性強化がポイントとなる。複合機最上位の「PIXUS MG7530」にNFCを内蔵し、スマートデバイスをタッチするだけで無線LAN接続でのプリント/スキャンが可能になる「PIXUSタッチ」機能を追加したほか、タブレット向けに画像補正やカレンダー/カードなどの作成・印刷が行えるアプリ「Easy-PhotoPrint+」を用意した。
また、PIXUSクラウドリンクを拡充し、スキャンデータを添付した下書きメールの作成、スキャンデータを添付してメール送信、スキャンデータをオンラインストレージに保存(OneDrive、Google Driveを新たにサポート)といった機能が利用可能になっている。
多様化するプリントニーズへの対応という点では、PIXUSシリーズ初の女性向けA4複合機「PIXUS Atelier(MG7530F)」にも注目だ。女性スタッフが中心になって開発した製品で、やさしい色使いや平易な言葉にこだわり、ボディをオリジナルカラーの「エクリュベージュ」で塗装し、液晶モニタのメニュー、製品パッケージ、マニュアル、店頭カタログに至るまで専用デザインで統一している。
また、デザイン、操作性、言葉をカスタマイズしたスマホアプリ「PIXUS Atelier PRINT」、雑貨の作り方を紹介するプリントレシピサイト「Atelier Gallery」、さらには同プリンタでの雑貨作り体験スクールも用意する。
子供を中心としたコミュニティや行事が多くあり、身の回りの物を手作りしたい、おしゃれをしたい、着飾りたいといった女性ユーザーならではのニーズに応えるべく投入した新機種であり、キヤノンマーケティングジャパン取締役 常務執行役員 イメージングシステムカンパニープレジデントの八木耕一氏は「女性ユーザー層の獲得で成熟した家庭向けプリンタ市場の活性化を狙う」とする。
販売戦略では「スマフォトプリント!」のキャッチコピーを掲げ、スマートデバイスからのプリントについて、さらなる認知向上、拡販を図る。CMキャラクターは、3年目となる女優の桐谷美玲さんに、人気ドラマ「半沢直樹」などに出演した俳優の石丸幹二さんが加わった。
新しいテレビCMは、猫を溺愛して大量の写真を撮影・印刷して見せてくる桐谷さんに、上司役の石丸さんが動揺するという内容だ。同時に、ブサイクだけど笑っちゃう、おまぬけだけどいとおしい、そんな愛猫の写真をテーマにしたフォトコンテスト「ブサかわ猫ちゃんグランプリ」も実施する。
発表会にはテレビCMに出演した桐谷さん、石丸さん、そして猫のレオンくんが登場。撮影時のエピソードが語られたほか、桐谷さんと石丸さんがスマホでレオンくんを撮影し、PIXUSタッチ機能を使ってダイレクトプリントする一幕もあった。
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