NASのバックアップを真面目に考えてみた:「自分だけは大丈夫」←アウト(3/3 ページ)
ASUSTOR製NAS「AS-202TE」の活用方法を取り上げる当連載。今回はバックアップについて考えていく。加えて、新OS「ADM2.3」の新機能も紹介。
新OS「ADM2.3」まとめ
さて、バックアップのTIPSとは別に、12月9日にASUSTOR NASのOSであるADMの最新版「ADM2.3」がリリースされたので少し触れておこう。
12月9日以降、ADMにログインすると更新を知らせるメッセージが表示されるはずだ。「更新」をクリックすれば自動的にインストールされる。この際、接続はすべて切れてしまうので、利用しない時間帯を選んで更新するのがいいだろう。
ADM 2.3は、ベースとなるLinuxカーネルが2.6.39から3.4.26に変更されているほか、次のような新機能・改良が加えられた。
1、Windows ACLのサポート
ASUSTOR NASがADドメインに参加すると、NASにアクセスする際にADのアカウントを使用する。Windows ADの権限コントロールはSamba、File Explorer、AFP、NFS、WebDAVに対して有効となる。
2、SMB 2.0サポート
Windowsネットワークのファイル共有機能で利用されるプロトコルSMB 2.0をサポートした。SMB 2.0はWindows Vistaから導入されたバージョンで、多重アクセスの同時受付をサポートし、Windows環境で多数のユーザーが同時にアクセスした際のパフォーマンスが30〜50%向上した。
3、エンタープライズ向け機能の追加
ADM 2.3では以下のエンタープライズ向けの機能が追加されている。
- TFTPサーバ機能
TFTPは認証機能がないファイル転送プロトコルで、ネットワークブートでOSを読み込むときなどに使用する。最近ではベアメタルクラウドのプロビジョニングシステムなどでも用いられている。
- Proxyサーバ
ASシリーズは、ファームウェアの更新やAPP Centralからのアプリインストール、ダウンロード機能などのためにインターネットにアクセスできる環境が必要だ。だが、企業によっては社内LANからのアクセスはプロキシサーバを経由するようにし、直接外部に出ることができないようにしている場合がある。ADM 2.3ではほかのクライアントPC同様にプロキシサーバが利用できるようになった。
4、サインインページのカスタマイズ
サインインページのカスタマイズが可能になった。背景とサインインダイアログはテンプレートからの選択だが、タイトル文字列、カスタムイメージは自由に設定することができる。複数台のASシリーズを導入していた場合などは、分かりやすい識別名や管理者へのメッセージなどを表示させるスペースとして使うのも手だ。
5、GUIデザインの一新
GUIデザインがフラットなものに変更された。App Centralからインストールされるアプリに関しては以前からと変更がないものもある。
そのほか、メールサーバのオフィシャルリリース、新しいメディアサーバ「LooksGood」、リアルタイムトランスコーディング(ASUSTOR 3シリーズ)、モバイル向けビデオ再生アプリ「AiVideo」、など、多数の新機能が含まれており、ASUSTOR NASのさらなる活用が期待できるバージョンアップとなっている。
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