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PCパーツレビューの最前線から2014年の自作PCを振り返る停滞か助走か実質的進化か(1/3 ページ)

これは、ベンチマークテストを回し続けたレビュー担当者が、自分の体力と体重と睡眠時間と引き換えに得た実体験に基づく2014年PCパーツの総括である。

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 まもなく2015年がやってくる。その前に、2014年のPCパーツをPC USERで掲載したニュースとレビューとともに振り返ってみよう。2014年に登場したCPUやGPUは、リフレッシュや改良といった、やや停滞した印象もあるが、マザーボードやグラフィックスカードといった製品レベルでは、新たな機能を加えつつ完成度の高いモデルが登場していた。そういう意味で、自作PCユーザーにとって2014年はかなり「選びやすい」「買いやすい」1年だったように思う。

CPU編── HaswellからBroadwellへ、KaveriからCarrizoへ

 2014年をCPUで振り返ると、インテルのメインストリームでは“Haswell”から“Haswell Refresh”への移行があった。「Core i7-4790K」のようにオーバークロックにフォーカスした製品も登場して話題になった。

 一方、ハイエンドでは“Haswell-E”が登場した。それまでメインストリームから1世代前のアーキテクチャを採用してきたハイエンドラインアップだが、これによりHaswell世代で並んだこととなる。同時に、コンシューマ向けCoreプロセッサー・ファミリーとしては初めて8コアモデルも登場した。これまで8コア以上を利用するにはXeonという選択肢しかなかったため、処理能力重視志向のユーザーには待望の製品がようやく登場したという気持ちだったのではないだろうか。

“Devil's Canyon”こと「Core i7-4790K」

コンシューマ向けCoreプロセッサー・ファミリーで初めて8コアとなった「Core i7-5960X」

 モバイルでは、6月のCOMPUTEX TAIPEI 2014に合わせ、発表した「Core M」を搭載した2in1が下半期に登場してきた。Core Mは、Haswellの次の世代となる「Broadwell」ベースの低電力タイプモデルだ。インテルでは最新アーキテクチャを採用するCPUの投入がモバイル優先となり、デスクトップ向けでのBroadwell投入は2015年ということになった。

 インテルアーキテクチャ全般に視野を広げれば、“Bay Trail”世代のAtomやCeleronは、Windows 8.1 with Bingとともに低価格タブレットで採用するモデルが多数登場した。また、Edisonのように、より小さな機器への組み込みを目指す開発キットも出荷を開始している。

9月のIDF 2014で正式に発表した「Core M」

 AMDは、1月に「Kaveri」世代のアーキテクチャを採用したAPUが登場した。KaveriではCPUとGPUが同じメモリアドレス空間を共有できる「HSA」をサポートした。AMDでは、「これまでよりもシームレスにCPUとGPUが連携できる」ことを訴求している。

 3月には低価格なプラットフォームとして、ソケットタイプの「AM1」も登場した。それまでBGAとして展開されていたKabiniをCPUソケットを設けたマザーボードで使えるようにするプラットフォームとすることで、自作PCユーザーとしても注目したい流れだった。

2014年に登場した新世代APUアーキテクチャ「Kaveri」

 6月には、モバイルでのKaveriの展開において、これまでの「AMD A」シリーズに加え、「AMD FX」シリーズも用意することを発表した。とはいえ、アーキテクチャはKaveriであるため、新しいモバイル版FXの登場というよりは、製品名だけが変わる“ブランディング”の変更ではあるが、デスクトップPC向けFXにあまり大きな動きのなかった2014年では、多くのFXファンが注目するニュースとなった。

 11月には、2015年に投入予定のAPUアーキテクチャ「Carrizo」を発表した。CarrizoではフルスペックのHSA(HSA 1.0)に対応し、Kaveriよりもさらに一歩進んだCPUとGPUの融合が可能になる。

2015年に登場するAPU新世代アーキテクチャ「Carrizo」

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