“Edison”でロボットアームをグリングリン動かす(後編):新春電子工作!(1/3 ページ)
“ロボットを動かす喜び”は、ニッポンモノづくりの原動力。その感動をEdisonとロボットアームで“お手軽”に体験。後編は“本物”ロボットアームを組み立てる。
前回は“だいたいこうすれば動くだろう”を確認するために、Edisonで必要な機能を考えて、モーターの代わりにLEDを使った“疑似ロボットアーム”での試作試験に成功した。では、実際にモーターを動かすためには何が必要だろうか? ということで、またハードウェアの考察に入る。
パワーアップのために「リレー」でカチカチ動かしてみる
Arduinoは、LEDを光らせる程度の出力はあるがロボットアームのモーターを駆動できるほどのパワーはない。店頭でロボットアームのリモコンを観察したところ、単なるスイッチのようだったので、代わりに電気で動くスイッチ「リレー」を利用してみる。
といっても、Auduinoで直接リレー駆動を行うのも荷が重い(動かなくはなさそうだけど、それでEdisonが壊れる可能性もなくはない)。そこで、リレーを動かすために「トランジスタアレイ」というものを使うことにした。1つのパッケージに複数のトランジスタ回路が入っている一種のスイッチだ。
今回使ったのは、「シンク型トランジスタアレイ」で、入力をHighレベルにすると出力がローレベルになる(というか、GNDと導通状態になる)。出力ピンをリレーのコイルの片側に接続して、コイルの先に電源を接続すると、入力Highでリレーに電流が流れる。
リレーに電流を流しておいて急に止めると電圧が急上昇してトランジスタを壊してしまうので、フライホイールダイオードを入れる保護回路が「お約束」だが、このトランジスタアレイには保護ダイオードがあらかじめ入っている。
ロボットアームをグリングリン動かすために用意するもの
前回は、ロボットアームに組み込んだ5基のモーターをEdisonで制御できるか調べるために、モーターの代わりにLEDを光らせる検証用「疑似ロボットアーム」を組み立てるための部品とダウンロードプログラムを用意した。
今回は、いよいよ本物のロボットアーム(低価格で購入できるイーケイジャパンの「MR-999」)を動かすための部品を用意する。Edison関連やプログラムのためのダウンロードリストは前回のものを使えるので、ここでは、追加で用意するものを挙げておこう。前編と同様に、リストの部品名をクリックすると、秋月電子のオンラインショップの該当製品のWebページにアクセスできる。
本制作で必要な追加パーツリスト
- ELKIT MR-999:秋葉原ならほかの店でも販売しているが、今回はツクモRobot王国で購入した。完成品の展示がなければ購入前の段階で回路を考えることもできなかった、ツクモさんありがとう。
- ブレッドボード EIC-104:ブレッドボードの欠点は、回路の割には大きなものが必要になること。今回はリレーを10個並べるので、このぐらいのサイズが必須となる。このキットにはジャンパワイヤーも付属している。付属のワイヤーは硬いので「ちょっとひっかけて取れてしまう」ということがない。ただ、長さの調整がほとんどできない。実態配線図で斜めに配線しているのはちょうどよい長さのワイヤーがないので無理やり長さを合わせる苦肉の策だった。
- トランジスタアレイ(8chダーリントンシンクドライバ TD62083APG 2個入):Arduinoでリレーを直接駆動するのはちょっと問題がありそうだったので、トランジスタアレイを使って駆動する。10回路あればいいが、そんな都合のいいのはないのでこれを使用する。1つのパッケージに8回路入っている
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- 5V小型リレー 接点容量:2A 2回路C接点 941H-2C-5D:本当はもっと小さなリレーでもよかったが、ブレッドボードに差せないのでこちらを選択した。前編で使ったLEDの代わりに使うので10個必要だ。
- フラットケーブル8芯を20センチぐらい:コネクタを買った千石電子本店の地下でフラットケーブルも購入した。一番幅の狭い10芯ケーブルを8芯に裂いている。
- 細ピンヘッダ(オスL型)1×8:ロボットアームの接続ケーブルの先をヘッダピンにはんだ付してこれをブレッドボードに差す。
- 単一電池4本:別に秋葉原で買わなくてもよいが、千石電子本店で安いのがあったので、コネクタといっしょに購入。
- はんだ付用品、プラスドライバー、マーカー、テープ:組立にはこの辺も必要になる。極力はんだ付けは避けたかったが、ピンヘッダの工作で必要になってしまった。なお、はんだ付けに関してはこのような記事もある、ってもう10年も前の話ですが。
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