「Windows 10 Readyスマホ」と「ユニバーサルアプリ」を推進するMicrosoft:iOS/Android/Windowsで使える薄型キーボードも公開(2/3 ページ)
バルセロナで開催されたモバイル業界最大のイベント「Mobile World Congress 2015」にて、Microsoftは「Windows 10」にアップデート可能な新型スマートフォン2機種と、PCでもスマホでも共通して使える「ユニバーサルアプリ」をアピールした。
スマホとPCでシームレスに連携、ユニバーサルアプリを推すMicrosoft
目立つ新しい発表こそなかったものの、今回のプレスカンファレンスではスマートフォンとPCで共通に動作する「ユニバーサルアプリ」のデモストレーションがいくつか行われ、Microsoftが「Windows 10での全プラットフォームにおけるアプリ実行環境の共通化」を積極的にアピールしている様子がうかがえた。
Windows 10には新開発のブラウザ「Spartan」が搭載されるが、発表会ではLumiaデバイス上で動作するSpartanが紹介され、これがPC版Spartanと同じレンダリングエンジンで動作しており、画面のデザインこそスマートフォンの小さいディスプレイに合わせて調整されるものの、共通のWebアプリ実行環境がそのままスマートフォンでも利用できる点を強調している。
ユニバーサルアプリとしては「Maps」の例が紹介された。インタフェースの共通化だけでなく、PC版で検索した内容やブックマークなどがそのままクラウドを介して、スマートフォンにおいてもそのまま検索結果やブックマークを参照して作業を継続できる。
同じMicrosoftアカウントを持つユーザーが複数のデバイスを使い分けている場合を想定しているものだが、すでにGoogleなどで同様の仕組みに慣れ親しんだユーザーであれば、こうした連携の仕組みを便利に感じる場面も多いだろう。
また忘れてはいけないのがユニバーサルアプリ版Officeの存在だ。現在はプレビュー版「Universal Office apps for Windows 10」の提供となるが、PCだけでなくスマートフォン上でも利用可能となっている。
フル機能を利用できるPC向けのネイティブアプリケーション版Officeに比べ、iOS版やAndroid版のように一部機能に制限はあるものの、タブレットのようにタッチUIが中心のPCやスマートフォンであっても、ある程度の編集作業が簡単に行えるため、出先でのちょっとしたOffice文章の確認や編集が可能というメリットがある。
Modern UIアプリとも呼ばれるWindows 8以降の世代の共通アプリ実行基盤であるユニバーサルアプリだが、いまだ広く利用されている状況とは言えない。Microsoftもこの問題を認識しており、スマートフォンを含む同社の最新プラットフォーム全体で実行環境の互換性を高め、ユニバーサルアプリを戦略の中心に据えようとしている。ユニバーサルアプリ版Officeは、その一端を担うことになるだろう。
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