緊急現地検証! “Hでくせの強い”Broadwellの実力を「Core i7-5775C」で試す:COMPUTEX TAIPEI 2015(1/2 ページ)
「ええ! ここでいまやるの? きーてないなぁー」と人気番組で定番のセリフを口にしつつ、台北にあるホテルの一室でベンチマークテストを走らせるのであった。
動作クロックを抑えて実行エンジンを増やしたIris Pro 6200
インテルは、6月2日に14ナノメートルプロセスルールを採用する第5世代Coreプロセッサー・ファミリーのデスクトップPC向けモデルとなる“Broadwell-H”のCoreプロセッサー・ファミリーをCOMPUTEX TAIPEI 2015のタイミングに合わせて発表した。
同日同時刻に行っていたIntelのCOMPUTX TAIPEI 2015基調講演では、Broadwell-H世代について特に言及していないが、会場近くに設けたプライベートルームで関係者向けにベンチマークテスト測定用機材を用意して性能測定を行えるようにしていた。ここでは、この機材を使って測定したベンチマークテストの結果を速報として紹介する。
なお、今回のベンチマークテストは、非常に限られた時間で行う必要があったため、通常のレビューとは異なり、測定するテスト項目や回数をかなり減らしている。具体的には、実施したベンチマークテストは、PCMark 08のWorkとHome、CINEBENCH R15、3DMarkだけで、測定回数はそれぞれ1回のみとなった。そのため、ノイズ的な値が入っている可能性がある。あくまでも参考値として参照していただきたい。
性能評価に用いたCPUは、Core i7-5775CにCore i7-4770S、Core i7-4790Kだ。Core i7-5775は、今回登場した“Broadwell-H”ラインアップで最上位となるモデルで、動作クロックが3.3GHz/最大3.7GHzのクアッドコア8スレッド対応タイプになる。
性能検証に用いたCPUの主な仕様 | |||
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製品名 | Core i7-5775C | Core i7-4790K | Core i7-4770S |
開発コード名 | Broadwell | Devil's Canyon | Haswell |
3次キャッシュメモリ | 6MB | 8MB | 8MB |
システムバス幅 | 6.4 GT/s | 5 GT/s | 5 GT/s |
プロセスルール | 14ナノメートル | 22ナノメートル | 22ナノメートル |
価格(BOX) | 377ドル | 350ドル | 305ドル |
コア数/スレッド数 | 4コア8スレッド | 4コア8スレッド | 4コア8スレッド |
動作クロック | 3.3GHz/最大3.7GHz | 4GHz/最大4.4GHz | 3.1GHz/最大3.9GHz |
TDP | 65ワット | 88ワット | 65ワット |
統合グラフィックス | Intel Iris Pro Graphics 6200 | Intel HD Graphics 4600 | Intel HD Graphics 4600 |
グラフィックスコア動作クロック | 300 MHz/1.15GHz | 350 MHz/1.25GHz | 350 MHz/1.2GHz |
映像出力 | DP/HDMI/VGA | eDP/DP/HDMI/VGA | eDP/DP/HDMI/VGA |
グラフィックスコア実行ユニット | 48基 | 20基 | 20基 |
外部最大解像度(HDMI) | 2560×1600@60Hz | 3840×2160@60Hz | 3840×2160@60Hz |
外部最大解像度(DP) | 4096×2304@60Hz | 3840×2160@60Hz | 3840×2160@60Hz |
vPro対応 | No | No | Yes |
今回登場した“Broadwell-H”Coreプロセッサーファミリーで最も大きなアップデートは、グラフィックスコアに「Iris Pro Graphics 6200」を統合したことだ。インテルの発表資料によると、3Dグラフィックの描画処理能力が従来のIntel HD Graphics 4600と比較して最大で2倍になるという。グラフィックスコアの動作クロックは300MHz/最大1.15GHzとIntel HD Graphics 4600の設定と比べて高くない。しかし、演算ユニットの数が48基とIntel HD Graphics 4600の20基から倍以上に増えている。
その一方で、Core i7-5775C全体としてはTDPを65ワットに抑えている分、動作クロックに関して、TDP 88ワットのCore i7-4790Kの4GHz/最大4.4GHzから3.3GHz/最大3.7GHzと低く設定してある。また、同じTDP 65ワットのCore i7-4770Sと比べても最大クロックで低くなっている。さらに、3次キャッシュメモリの容量も6MバイトとほかのクアッドコアCore i7シリーズと少ない。
この「控えめな動作クロック」「強力なグラフィックコア」のバランスが、Core i7-4790Kや同じTDPのCore i7-4770Sと比べて処理能力にどのような影響を与えるのかに注目してみたい。
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