“Atomは遅い”はもう古い?――「Surface 3(4G LTE)」の性能を見極める:「Surface 3」の気になるトコロ(2)(1/3 ページ)
日本国内でついに発売された「Surface 3」。Atomプロセッサ搭載と聞くと身構えてしまう人もいるだろうが、果たして実際の性能は?
レビュー:「Surface 3」の気になるトコロ
全7回
(1)USBが2つ同時に使えるってホント?――「Surface 3(4G LTE)」をSurface Pro 3ユーザーがチェックした
(2)“Atomは遅い”はもう古い?――「Surface 3(4G LTE)」の性能を見極める
(3)Surface Pro 3より薄型軽量でもバッテリーは長持ち?――「Surface 3(4G LTE)」のスタミナを検証する
(4)Surface Pro 3と比較して気づいた進化点とは?――「Surface 3(4G LTE)」のType Coverに迫る
(5)Atom x7はゲームで“熱く”なる?――「Surface 3(4G LTE)」の3D描画性能と発熱をチェック
最新Atomプロセッサの実力を検証
前回は、「Surface 3」の外観とインタフェース、基本スペックなどを「Surface Pro 3」と比較しながらチェックした。Surface 3は小型軽量なボディで、持ち運びに関しては好印象だったが、肝心の性能が備わっていなければ道具として意味がない。
Surface 3は、開発コード名「Cherry Trail」と呼ばれるIntelのタブレット向け最新Atomプロセッサを採用する。現行のWindowsタブレットに幅広く搭載されているBay Trail(開発コード名)の後継となるプロセッサで、特にグラフィックス性能を強化しているが、ここで「Atomには苦い思い出が……」と、過去を振り返る方も少なくないだろう。
2008〜2009年頃に流行した「Netbook」と呼ばれる低価格ミニノートPCに数多く搭載されていたのもAtomだった。レスポンスの遅さを許容できれば、Webブラウジングやメールといった用途なら十分こなせたNetbookだったが、2010年にiPadが登場し、軽快に操作できるタブレットが台頭してくると、動作の鈍さが目立つようになり、市場から消えていった経緯がある。
だがそれも昔の話。2008年からNetbookがこぞって採用した第1世代Atomの「Atom N270(1.6GHz、1コア/2スレッド対応)」から世代を重ねるごとに、プロセッサの性能は着実に進化してきた。
そしてSurface 3に搭載される「Atom x7-Z8700」(1.6GHz/最大2.4GHz、4コア/4スレッド対応)は、Microsoftが「Surface Pro 3のCore i3モデルに対して、80%の能力を引き出せている」と公言するほどの性能を手に入れている。

CPU-Zで見たSurface 3のプロセッサ。14ナノメートルプロセスルールを採用した新世代SoC(System On Chip)のCherry Trailから、最上位の「Atom x7-Z8700」を採用する。4コア/4スレッドのCPUは、動作クロックが1.6GHz/最大2.4GHz、キャッシュが2Mバイト、SDP(特定シナリオを想定した電力指標)が2ワットだ(画像=左)。プロセッサには第8世代のIntel HD Graphics(Broadwell世代)が統合されている(画像=右)。従来のBay Trailが採用していた第7世代のIntel HD Graphics(Ivy Bridge世代)に比べて、実行ユニットを4倍の16基に増やし、描画性能を大幅に強化した今回テストしたSurface 3 4G LTEは、8Gバイトメモリ、128Gバイトストレージを搭載した上位モデルだ。ストレージはモバイルデバイス向けのeMMCを採用し、Samsung製「MDGAGC」が実装されていた。

Surface 3のデバイスマネージャ画面。内蔵する128GバイトeMMCは「Samsung MDGAGC」だ。無線LANとBluetooth 4.0のモジュールはSurface Pro 3と同じMarvell「AVASTER」シリーズだった今回は定番のベンチマークソフトを用いて、Surface 3のパフォーマンスを検証してみる。
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