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新しい15インチMacBook Proはどのくらい速い?13インチモデルと比較(1/2 ページ)

外部GPUにRadeon R9 M370Xを採用した新型15インチMacBook Proの性能をベンチマークテストでチェック。SSDはえー……。

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 2880×1800ピクセル(220ppi)のRetinaディスプレイを搭載する15インチMacBook Proを最後にアップルのノート型Macはすべてモデルチェンジを果たした。

新型15インチMacBook Pro。多段階クリックを実現する感圧タッチトラックパッドを採用した

 春から続く新製品ラッシュで最も大きく変わったのは、アップル史上最薄のボディを実現した「新しいMacBook」だが、第5世代Core(Broadwell)を搭載した「MacBook Air」や、MacBook同様の感圧タッチトラックパッドを採用した「13インチMacBook Pro」も順当に進化を遂げている。

 今回取り上げた15インチMacBook Proの強化点は大きく4つだ。改めておさらいしていこう。

 1つは前述の感圧タッチトラックパッド。すでにMacBookや13インチモデルで採用されているため、店頭で実機を試したことがある方は、フォースフィードバックによって擬似的にクリック感を“錯覚”させるアップルの技術に驚かされたことだろう。今後の対応アプリケーション次第ではあるが、Quiktimeの早送り/巻き戻しに見られる多段階入力(パッドを強く押すと再生スピードが段階的に変わる)など、より直感的で洗練された操作が期待できる。

 2つ目はより高速なインタフェースを採用したSSD。PCI Express x4接続の高速なSSDによってOSやアプリケーションの起動といった高速なレスポンスや、4K動画などの巨大なデータを扱う編集作業などで威力を発揮してくれるはずだ。

 3つ目はバッテリー駆動時間の延長。ワイヤレスでインターネット閲覧/iTunesムービー再生でともに9時間を公称しており、ほぼ1日中持ち運んで利用できるバッテリーライフを備えている。2880×1800ピクセルという高画素密度の美しい液晶とパワフルな性能を約2キロのボディに詰め込んだ15インチMacBook Proは、外で顧客と打ち合わせをしたいクリエイターたちにとっては有力な選択肢になるだろう(かつて巨大な17インチMacBook Proを持ち運んでいたことに比べれば2キロはむしろ軽く感じるはずだ)。

 そして4つ目が上位モデルに採用されたAMDの外部GPU「Radeon R9 M370X」(2GバイトGDDR5メモリ)。GeForce GT 750Mを搭載していた旧15インチMacBook Pro(Mid,2014)に比べて、最大1.7倍のゲーム性能をうたっており、グラフィックス性能も大きく進化している。

従来同様、2880×1800ピクセル(220ppi)の美しいRetinaディスプレイを搭載。キーボード面のデザインはまったく変わらず、トラックパッドがそっくりそのまま感圧式に入れ替わっている。知らない人が触っても気づかないかもしれない

本体サイズは358.9(幅)×247.1(奥行き)×18(高さ)ミリ、重量は約2.04キロ。15インチクラスのノートとしては薄く、持ち運びも視野に入る

インタフェースは、左側面にヘッドフォン、USB 3.0、Thunderbolt 2×2、MacSafe 2(電源)、右側面にSDメモリーカードスロット(SDXC対応)、HDMI出力、USB 3.0が並ぶ

 ただし、MacBook/MacBook Air/13インチMacBook Proが第5世代CPUに移行する一方で、15インチモデルは第4世代(Haswell)を継続しており、内蔵グラフィックス(Iris Pro graphics 5200)のみの下位モデルはやや見劣りする。

 MacBookファミリーを一望したとき、モバイルに特化した先進性を求めるなら新しいMacBook、急激な変化を求めずにモバイルと性能を両立したいならMacBook Air(ただしAirの液晶はほかのモデルに比べると個人的には耐えがたい)、クリエイティブ用途を考慮するならMacBook Proという選択肢になるが、プロシューマー向けの“Pro”を冠する本来のMacBook Proは外部GPUを搭載する15インチの上位モデルのみという気はする。13インチモデルのIris graphics 6100も15インチのIris Pro graphics 5200もしょせんは内蔵GPUといえなくもない。

 では実際の性能はどうだろうか。OS X YosemiteおよびWindows環境下で、13インチMacBook Pro(MF839J/A)と比較しながらパフォーマンスを見ていこう。まずはOS Xで簡単なベンチマークテストを実行した。

比較した機種
製品名 15インチMacBook Pro Retina(MJLT2J/A) 13インチMacBook Pro Retina(MF839J/A)
CPU Core i7-4870HQ Core i5-5257U
コア数 4 2
スレッド数 8 4
キャッシュ容量 6MB 3MB
定格クロック 2.5GHz 2.7GHz
最大クロック 3.7GHz 3.1GHz
TDP 47ワット 28ワット
プロセスルール 22ナノメートル 14ナノメートル
グラフィックス Iris Pro graphics 5200/Radeon R9 M370X Iris graphics 6100
価格(税別) 28万2800円 14万8800円

 CINEBENCH R11.5の結果は、13インチMacBook Proの3.38(pt)に対して、6.56(pt)と2倍近いスコアをマークし、クアッドコア/8スレッド動作の威力を見せつけた。CINEBENCH R15も561(cb)と約1.8倍の結果となっている。マルチスレッド動作に対応したビデオ編集アプリケーションなどでは大きな恩恵を受けるはずだ。なお、Geekbench(3.3.2)によるCPUテストでもシングルコアで3325、マルチコアで12604と非常に高いスコアをマークしている。

CINEBENCH R11.5の結果

CINEBENCH R11.5での比較

CINEBENCH R15の結果

CINEBENCH R15での比較

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