落雷から大切なPCやデータを守るためのポイント:SOHO/中小企業に効く「雷サージ対応製品」の選び方(2/3 ページ)
夏のIT機器運用で注意しなければならないのが「雷」だ。落雷によって機器の故障はもとより、大切なデータが一瞬で破壊されて読み出せなくなるのは致命的と言える。今回はSOHO/中小企業レベルで可能な雷対策を紹介しよう。
電源タップ(4個口以上)
具体的な雷サージ対応製品として、まずは電源タップについて見ていこう。電源タップは各社ともに個口数、形状ごとにさまざまなバリエーションが存在するが、その一環として雷サージ対応機能を備える製品が用意されている。
最大サージ電圧はほとんどの製品が1万2500ボルトと横並びで、差異化要因にはなりにくいが、雷サージ保護機能が動作している間はLEDが点灯する製品や、バリスタの上限を超える雷サージが侵入した際に回路を遮断するヒューズを搭載した製品など、プラスαの機能を備えたものもある。また、電話回線を雷から保護するアレスタ(避電器)を内蔵した製品も多い。
これに加えて、個口数や集中スイッチの有無、抜け止め機構の有無といった、電源タップとしての付加機能もチェックしつつ選ぶとよいだろう。ここでは国内主要メーカーの代表的な製品を例に紹介するが、選び方のポイントさえ押さえておけば、ここに挙げた製品でなくとも問題はない。ただし、最大サージ電圧を明記していない製品は、効果の程がはっきりしないこともあり、手を出しづらい。基本的には避けたほうがよいだろう。
エレコムの「T-K1A-2425WH」は、最大サージ電圧1万2500ボルトに対応した電源タップだ。2ピン式の4個口というシンプルな仕様で、どちらかというと家庭での利用に向いた製品だが、絶縁キャップが付属するなど細部にも配慮されている。2.5メートルと5.0メートルの2モデルがあるが、前者で1920円(税別)と価格的にもリーズナブルだ。
同じくエレコムの「T-K8A-2625WH」は、最大サージ電圧1万2500ボルトに対応した電源タップだ。個別スイッチ、一括スイッチ、ほこり防止シャッター、絶縁キャップなど多彩な機能を搭載するほか、個口数は6と余裕があり、法人ユースにはぴったりだ。長さは2.5メートルだが、ほかに5メートルのモデルも用意している。
サンワサプライの「TAP-3805SPN」は、最大サージ電圧1万2500ボルトに対応した電源タップだ。バリスタに加えて電話回線を雷から保護するアレスタ(避電器)も搭載し、電源と電話回線をまとめてガードできる。さらにバリスタを保護する安全回路としてヒューズも搭載している。抜け止め機能を備えるほか、マグネット付属でスチール面に取り付けることも可能だ。個口数は8と多いが、長さは2メートルとやや短めだ。
電源タップ(1〜3個口)
4〜10個口の電源タップ以外に、既存の電源タップと組み合わせて使う、1〜3個口程度のコンパクトな電源タップも各社が用意している。敷設済みの電源タップに追加するだけで使えるため、導入にあたって配線作業の面倒さが不要なのは利点だ。
エレコムの「KT-180」は、最大サージ電圧1万2500ボルトに対応した2個口の電源タップだ。スイング式のプラグを搭載しており、既存の電源タップに追加して利用できる。
サンワサプライの「TAP-SP205」は、最大サージ電圧1万2500ボルトに対応した3個口の電源タップだ。壁面コンセントへの取り付けを想定した形状で、雷サージ低減機能が働いている際はLEDが点灯するため、効果が分かりやすい。
オーム電機の「HS-A1234W」は、最大サージ電圧6万ボルトに対応した1個口の電源タップだ。特徴はなんといってもその容量の大きさで、作動中はLEDが点灯するのも分かりやすい。集中スイッチがついた2個口の「HS-A1240W」もある。
ヤザワの「雷バスター60000V白(STB60WH)」は、電源タップに差すことで雷サージ対応電源タップへと変身させるユニークな製品で、最大サージ電圧は前述のHS-A1234Wと同じ6万ボルトだ。本体にプラグを差し込む口はなく、タップの口をまるまる1つ占有する形になる。最大サージ電圧1万5000ボルトの「雷バスター15000V白(STB15WH)」もある。
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